【「人生設計」試験 】Room to Read Blog(English)記事紹介シリーズ


Miliは学校が大好きでしたが、8年生より先の学年に進むつもりはありませんでした。バングラディシュの人里離れたカイチャラ村では、女の子はほとんどと言っていい程中等学校には進学しません。バングラデシュで最も貧しい村の一つでもある彼女の住む村の各家庭は、家族を養っていくのに手が足りないと、娘たちを学校に通わせ続ける余裕がないとたいてい感じます。
Miliの状況は普通とは違います。多くの家庭では、たいてい家族や文化的問題が女の子たちが教育を受け続ける妨げになります。学校教育は男の子の役割と考えられ、女の子は家で兄弟や年長者の世話をする事、そして自分の家族をサポートするために僅かな賃金を稼ぐ事を期待されています。女子教育に価値があると考えられている家庭の中でさえ、忙しい時期には娘を学校に通わせるのは、家計を維持するために彼女たちを家で働かせる事ほど重要ではないと考えられてしまいます。これがMiliのケースでした。
Miliの父親は家族をサポートするために明け方から夕方まで日雇い労働者として根気強く畑仕事をしていました。しかしながら厳しく容赦無い労働はその代償は彼の体には負担が大きく、働けなくなるほど体を壊してしまいました。9年生となったMiliは、午前中は学校に出席し、昼から夜暗くなるまで畑仕事をして家族をサポートするために更なる責任を負う事になりました。9年生はバングラデシュの学生には特に重要な学年です。SSCという一般教育修了証明試験が行われるのです。「人生設計」試験とみなされ、学生が対面する最初の大きな統一試験で、誰が進級して勉強を続けていくのかを決めるものです。いわゆる「進級試験」を通過できなかった学生は、再試験を受けるために丸一年待たなければなりません、そして稀に学生の準備や進歩をサポートするための補習過程があります。この問題をひどくしているのはこれらの生徒の多くが数年も勉強が遅れているという事実です、教育システムのおかげで生徒たちは必要とされる基礎を身につけているかどうかにかかわらず次の学年へ進級できました。
家庭や文化的な問題が学校の出席率や試験の準備と重なる時に、Miliのような多くの女の子には特に、進級試験に失敗してしまうリスクがあります。
リスクに陥っている女の子にはルーム・トゥ・リードのソーシャルモビライザーとして現地の女性がメンターとして雇われ、ターゲットを絞った全体的な仲介を行い、女の子たちが学校に通いつつこれらの進級試験に合格できるようにサポートしています。「あの時はルーム・トゥ・リードのサポートを受けていて本当にラッキーだったと言うしかありません」と彼女は言います。

コミュニティ内の教養のある強い女性の例として派遣されるという事に加えて、ソーシャルモビライザーは感情のサポートや、彼女たちの中等学校教育を修了した先の計画に沿ってガイダンスを行ったりしています。試験の時にはソーシャルモビライザーは学習習慣により焦点を当て、試験準備の仕方やテストでのストレスをやりくりする方法などを教えます。Miliにとっては、それは数学・英語・科学の特別授業を受けることができた週末の学習キャンプでした。
MiliのソーシャルモビライザーであるMoli ApaはMiliの悩みを認識して、日々彼女を訪れてサポートをしていました。「学校から帰ると夕方まで畑で働いていました」とMiliは言います。「Moli Apaはほとんど毎日来て、学校での進捗状況を確認し勉強を続けるよう元気づけてくれました。長い1日のハードな仕事でへとへとでしたが、彼女が訪れてくれることで夜間の勉強を続けることができました」

モチベーションや励ましが無ければ、肉体労働を丸一日した後の体力的にヘトヘトの体は回復しません。中等学校への進級試験の数日前にMiliは体調を崩しました。その時Moli Apaは彼女を急いで病院に連れて行きすぐに処置を受けさせました。MoliのサポートとMiliのぶれない決心で、Miliは試験のためにすぐに退院しました。
ルーム・トゥ・リードとMoli Apaは現地コミュニティと協力してMiliの試験登録費用、新しい制服、計算機そして他の必要品の購入費用をまかないました。
彼女を応援してくれる人々のネットワークのおかげでMiliの成功へ不可能と思われた壁を突破し、一般教育修了証明試験に合格しました。「試験に合格したなんて未だに信じられません。Moli Apaとルーム・トゥ・リードの集中的なサポートが無ければ可能ではなかったでしょう」と彼女は言います。
この重要な節目を通過したMiliは今、自宅から近い中等学校で勉強を続けています。彼女の次のゴールは学習を修了し教師になるために卒業することです。勉強を続ける機会を与えられた感謝で一杯のMiliは「世界中のもっと多くの女の子たちが私のようにルーム・トゥ・リードの恩恵を受けることができたらと思います。そうすれば勉強の楽しさを彼女たちも経験できると思います。」と言っています。

【女子教育プログラムについてはこちら】
http://japan.roomtoread.org/our_programs/whatwedo/girlseducation.html

【バングラデシュでの活動についてはこちら】
http://japan.roomtoread.org/our_programs/weherewework/bangladesh.html

【原文】A “Life-Defining” Exam 2015/04/16
http://blog.roomtoread.org/room-to-read/2015/04/a-life-defining-exam.html

注)Room to Read Blog(English)の記事を翻訳し、FBページ「ルーム・トゥ・リード・ジャパン」で紹介(2016.4.25)したものを、こちらにも掲載しました。これからも、随時、紹介していきます。

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