【土砂崩れにも構わず、村人たちは工事を続けました】Room to Read Blog(English)記事紹介シリーズ

The new Shree Pindeswori Lower Secondary School
The new Shree Pindeswori Lower Secondary School

〈ネパールの農村地域に学校は少なく、どの校舎も破損状態がひどく、子供たちにとって安全なものではありません。雨が建設地への唯一の道の一部を流してしまった時にピンダ村は新しい学校を建てる事を決意しました。今では辿り着く事が出来なくなりました。〉


「3月に彼らが私たちと会った時は雨季のわずか数ヶ月前でした。」とルーム・トゥ・リードのヌワコットオフィスのサブエンジニアArjun Thapaは覚えています。彼は新しい学校を建設したいとネパールのダーディン地区の人里離れたピンダ村から訪れたお客様について話しています。
ピンダ村がある地域へ乾季に訪れるとしても、道路や車が無ければ大変厳しいものです。雨季になってしまえば道が全てが泥の道になり、計画がほぼ不可能になってしまいます。
「しかしそのコミュニティは雨季が来るのも構わず工事を始める事を熱望していました」とThapaは言います。「私たちは彼らの粘り強さに感銘を受け、パートナーとなる事に決めました。」

〈清潔でよく陽の当たる場所〉
学校は、収入の低い国、特に農村地域ではその数が不十分です。そして学校がある場所でも校舎はたいてい古くて破損状態もひどく、子供たちにとっては安全なものではありません。
「私たちの教室は暗くてボロボロでした。」と2年生のSanjuはピンダ村にある古いシュリー・ピンデスヲリ中等学校の陰気で洞窟のような教室を思い出しながら言います。ボロボロの壁やガタガタの机、そして洞窟のような天井は、子供たちがなぜそこで勉強するのかを理解するには厳しいものでした。

The old Shree Pindeswori Lower Secondary School
The old Shree Pindeswori Lower Secondary School

ルーム・トゥ・リードの読み書き能力育成プログラムへのカギは安全で子どもに優しい学習環境を作ることです。校舎に焦点を当てて、明るく安全、子供に優しい教室は、例えば、十分な明かりや空調、良質の黒板そして図書館を保証しています。改良についての研究は学習結果の向上を示しています。
私たちの「チャレンジ・グラント・ モデル(共同投資モデル)」は、ルーム・トゥ・リードとコミュニティの間のパートナーシップを強固なものとし改善をもたらすための、特別な約束として効果を発揮します。このモデルはコミュニティと地方政府が校舎の建設に携わり、その管理を保証することを求めます。こうした事で、コミュニティがより投資を行うようになると確信しました。これは単に校舎に関する成功だけでなく、教育全般に対しても同じ事が言えます。
〈文字が蟻のように見える〉
農家として生計を立てているピンダ村のほとんどの村人は読み書きができません。「種や殺虫剤を購入する際に、ブランド名や値段のタグの読み方を知らないと、たいてい騙されてしまいます。」と、村人のManbahadur Chepangは話します。
Chepangにとって読み書きの重要性に直面したのは、農業の最新技術を学ぶための研修旅行について書類を求められた時でした。その瞬間彼の頭は真っ白になりました。「私には文字が蟻の行列のように見えます」「全く理解できませんでした」と彼は言います。
このような時に村人は次世代の子供たちに読み書きができるようになってもらいたいと思います。これは彼らのコミュニティが存続していくために必要でした。しかし、彼らが通える学校は遠く離れていたのにどうすることができたでしょうか?「良い学校がなくては、読み書きの勉強は不可能です。」とChepangは言います。
村人たちは同じ意見です:新しい学校を建てなければなりませんでした。ルーム・トゥ・リードについて耳にしたので、彼らの一団はThapaのオフィスを訪ね、これが答えだと説得しました。
〈道路がなくなる〉
「チャレンジ・グラント・ モデル」を進めるための一つの大事なステップとして、コミュニティは村人たちから寄付される木材、セメントや労働力、また輸送手段やきれいな水などを監視するための学校建設委員会を組織しました。「私は学校建設のために家畜のヤギを売りました」と村人のKrishna Bahadur Tamangは言います。村人にとってヤギは食料や収入にもなる価値の高いものです。
雨季に入ると脆弱な丘の斜面に雨が降り注ぎました。突然斜面が崩落し、村人たちが工事現場に材料を運ぶために使っていた道路が土砂崩れによってなくなってしまいました。これでは工事現場に向かうのは不可能です。しかし、コミュニティは工事を中止しませんでした。
「私は一晩中工事を監視していました。」と84歳のDurga Bahadur Tamangは言います。「私が年長者なので、みんな私の言うことを聞きます。」その間、村人たちは団結してシャベルや鋤など使えそうな物はなんでも使って道路を作り直していました。彼らにとって工事現場に材料を運ぶための道はまさに一本しかなかったのです。道路が半分ほど出来上がった時にはすでに7日間経っていました。
驚くべきことにピンダ村の村人たちは記録的なスピードで校舎を完成させました、これはルーム・トゥ・リードでその年の2番目に完成した建設プロジェクトでした。
〈土砂崩れに勝利〉
朝の日差しが新しい校舎の塗りたての壁に反射しています。太陽に向かって並ぶ窓は開け放たれ、新鮮な空気と光を教室内に取り込みます。
「私が今までルーム・トゥ・リードで働いてきた中で、一番意識の高いコミュニティの一つです」とThapaは村人たちの素晴らしい努力を評して言います。
シュリー・ピンデスヲリ中等学校の新教室はピンダ村の誇りです。近隣の村から人々が訪れ、校舎を賞賛し、どのように工事が行われたかという珍しいストーリーを聞きにきます。新しい学校が正式に5月31日に開校して以来、現地の8人の先生が311人の生徒をカラフルな教室や本でいっぱいの図書館に迎えました。
「新しい校舎が大好きです」と小さなSanjuは満面の笑顔で言います。「前よりも明るくなりました。今は学校に行くのが大好きです。」

【原文】Even When the Landslide Came, the Villagers Continued to Build
http://blog.roomtoread.org/room-to-read/2015/06/when-landslide-came.html

注)Room to Read Blog(English)の記事を翻訳し、FBページ「ルーム・トゥ・リード・ジャパン」で紹介(2016.6.24)したものを、こちらにも掲載しました。これからも、随時、紹介していきます。

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