
カンボジアの小さな村、竹の床が敷かれた質素な木造の家に産まれたヴェット・センホン(Vet Senghong)という名の少女は、苦難に満ちた世界で育ちました。
4人の子どもを育て上げた、強く献身的なシングルマザーである彼女の母親は、家族を養うためにトウモロコシを売っていました。その貧しさゆえに、周囲からは陰口や批判、同情の声が寄せられました。多くの人々は、彼らの運命は決まっており、この家族が苦境から抜け出すことは決してないだろうと考えていました。
しかし、センホンは子供の頃から、自分の運命を変えようという決意を静かに抱き続けていました。
彼女がルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムに参加した日から、すべてが変わり始めました。自分を信じてくれるメンターたちに囲まれ、彼女はこれまで想像することさえできなかった未来を、はっきりと見据えるようになりました。励ましやライフスキル教育、そして心のケアを通じて、彼女は自信、困難から立ち直る力、そしてこれまで経験したことのない希望を育むことができました。そしてこの数年の間に、彼女は自分でも気づかなかった才能〜人々の心を動かす物語を書く能力〜を見出していったのです。
在学中に彼女は初の著書を出版し、それは新たな夢と、若手作家としての新たなアイデンティティの始まりとなりました。
彼女の教育への情熱は高校卒業後も続きました。現在、センホンはクメール文学を専攻する大学4年生です。彼女の家族にとって、この成果は並外れたものです。センホンにとって、これは献身と機会があれば、かつては不可能だと思われていた扉さえも開くことができるという証です。教育は彼女自身の自己認識を一変させ、より明るい未来を追い求めるための自制心、ビジョン、そして勇気を彼女に与えてくれました。
センホンさんが、新型コロナウイルスのパンデミック下での学びについて体験を語ります(英語)
この変化をきっかけに、彼女は再びルーム・トゥ・リードに戻りました。今回は生徒としてではなく、メンター(ソーシャル・モビライザー)として。かつて自分を導いてくれたのと同じ役割を担い、彼女は現在、ルーム・トゥ・リードのライフスキル教育の教材とカリキュラムを活用し、3つのクラスに所属する121人の少女たちを指導、支援しています。彼女は、かつて誰かが自分にしてくれたように、彼女らの話に耳を傾け、励まし、困難な時には寄り添います。かつては導きを必要としていた少女が、今では他の人々にとっての支えとなり、地域社会から信頼され、尊敬される若きリーダーとなっています。
この1年は、彼女の歩みの中で最も注目すべき年の一つとなりました。センホンは2冊目の著書を出版し、新進作家としての存在感をさらに強めました。また、全国規模の「サムデック・フン・セン短編小説コンクール」で3位に入賞し、その才能、創造性、そして不屈の努力が高く評価されました。

今、村の人々はセンホンとその家族を以前とは違った目で見ています。彼女は、教育が自分の人生を「180度」変えたと誇らしげに語り、今では兄弟姉妹も、自分たちにも可能性があると知ることで、以前より一生懸命勉強しています。かつて批判されていた少女は、今や地域全体から称賛される存在となりました。彼女は自分自身のためだけでなく、家族や、自分が指導する多くの少女たちのためにも、未来を変えてきたのです。
かつて自分と同じような困難に直面している少女たちに語りかける時、彼女のメッセージはシンプルでありながら力強いです。
「教育は、より明るい未来への道です。自分を諦めないでください。どんな問題にも解決策はあります。」
これは、恐怖や病気、貧困、そして迷いという困難と戦いながらも、夢を見続けることを決して諦めなかった人の、実体験に基づく真実です。
センホンは、いつか自分の出版社を立ち上げ、そこで若い作家たちを育てながら、これからも自分の声を通じて人々に希望を与え続けたいと願っています。彼女の人生は、少女に学ぶ機会が与えられたとき、何が実現し得るかを如実に物語っています。
彼女は立ち上がる
彼女は先頭に立つ
彼女は他の人々も共に立ち上がれるよう手助けする
そして彼女は、自分の村をはるかに超えて広がる、力強い変革の連鎖の一員となります。


ダニー・ソー著
ルーム・トゥ・リード・カンボジア
広報担当
原文URL:
https://www.roomtoread.org/the-latest/life-skills-education/
翻訳:竹内 裕人
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