【12/1〜12/25】図書室とともに、子どもたち2,000名に「教育」というクリスマスプレゼントを届けたい!Action for Education 2025開始!

Action for Education 2025
「Our Story, Your Chapter」
~あなたとつくる新たな章~

あなたの寄付が2倍になる25日間。

ルーム・トゥ・リード設立25周年、日本法人15周年の節目を記念し、年末キャンペーンAction for Education 2025を実施します!
目標は、南アフリカへの図書室設置と識字教育プログラムの導入をはじめ、世界中の子どもと少女たち2,000名分の教育支援です。
今年はワクワクする寄付プランをご用意しました。そして、12月中のご寄付は2倍の効果*となり、子どもたちに届きます!ぜひ、ご参加ください!
*「ご寄付者と一緒に教育支援を倍増させたい」というボードメンバー(理事)のご協力により、ご寄付と同額がマッチングされます。(例)1万円が2万円分の寄付となり子どもたちに届きます。


南アフリカから届いたメッセージ
小学校で教えるツェベさんは、こう語ります。


読めるようになる。わかるようになる。好きになる。
この変化は静かに、けれど確実に、子どもの人生を、未来を動かします。

しかし、世界ではまだ十分に教育が届いていません。

特に、サハラ以南アフリカでは、10歳になっても10人中9人が簡単な文章を読めないなど、深刻な学習危機が続いています。

でも、世界中の子どもたちが待ち望む“教育”は、小さな一歩から、必ず届けることができます。
2025年最後のあなたのアクションをお待ちしています!


キャンペーン概要:


期間:2025年12月1日(月)~12月25日(木)
目標金額:1,500万円
寄付の使途:南アフリカへの図書室及び包括的な教育提供を含めた、世界中の子どもと少女たち2,000名分の教育支援。
※お預かりしたご寄付は図書室の設置・教育提供、及び最も支援を必要とする場所と時期に活用させていただきます。


・銀行振込はこちらから銀行振込をお選びください。
・企業のマッチング寄付も喜んでお預かりいたします!ぜひ、お問合せください。
・ルーム・トゥ・リード・ジャパンへのご寄付は確定申告をすることにより寄付金控除の対象となります。詳しくはこちらをご覧ください。


ご寄付特典:
ご寄付金額に応じて、以下の特典をご用意しました!
・寄付者全員:感謝のメッセージとご報告(メール)
・3万円以上:オリジナルカードセットをプレゼント(数量限定)
15万円以上:デジタル絵本にお名前を掲載
・50万円以上:子どもたちを毎日迎える図書室のプレートへお名前掲載

📤寄付者全員!
感謝のメッセージと活動報告をお届けします(メール・PDF)

🎁3万円以上:オリジナルカードセットをプレゼント(数量限定)
25周年を記念し、プレゼントをお届けします。


📚15万円以上:デジタル絵本にお名前を掲載
ご支援により、新しい児童書がデジタルライブラリ「リテラシー・クラウド」に追加され、タブレットやPCを通じて、子どもたちがいつ、どこでもアクセスできる教材として活用されます。

📘 50万円以上:子どもたちを毎日迎える図書室のプレートへお名前掲載


このご支援により、南アフリカの小学校へ図書室を設置するだけでなく、学校・地域全体の学びを変革する識字教育プログラムを導入します。教員・司書への研修強化や読み聞かせ会を含む学習環境づくりを包括的に支え、コミュニティ全体の非識字解消を目指します。

🤔なぜ、アフリカへの教育が重要?
アフリカは2050年までに世界の人口の25%を占めますが、深刻な教材・教師不足が課題です。ルーム・トゥ・リードは、アフリカを重点支援地域とし、2027年までに恩恵を受ける子どもを過去3年間と比較して年間800万人(3倍)に増やすことを目標としています。
(アフリカ支援レポートはこちら

✅更に大きなインパクトへ:
・150万円:デジタル児童書に、ご希望のお名前を単独で記載いたします。
・375万円:図書室プレートへご希望のお名前を単独で記載し、現地訪問の機会もご案内いたします。

※特典は、実際のご寄付額に対する感謝のしるしとしてお届けします。マッチング分は含みませんのでご了承ください。


様々な寄付方法:
✅ルーム・トゥ・リードのサポーターのチャレンジを通したご寄付


ルーム・トゥ・リードのサポーターが、「初めてのマラソン完走」や「飲み物一杯分を寄付」など、個人的なチャレンジを通じて教育支援を呼びかけています!あなたの応援を、子どもたちの教育サポートに直接繋げます。

✅SNSでのシェアや拡散も大きな「アクション」です!
ぜひ、たくさんの方へルーム・トゥ・リードの活動を広めてください。


Action for Educationキャンペーン中は、世界中の支援地域の訪問レポートも掲載してまいります!楽しみにお待ちください!

お問い合わせ(ルーム・トゥ・リード・ジャパン事務局)
📤japan@roomtoread.org
Web: https://japan.roomtoread.org/

【25ans (ヴァンサンカン)2026年 1月号掲載】設立から15年。あの図書室は、今も子どもたちの成長と共に。

25ans図書館の現地リポートが掲載(写真:ハースト婦人画報社プレスリリース)

11月28日(金)発売の女性誌『25ans(ヴァンサンカン)』2026年1月号(別冊付録①)に、25ansとルーム・トゥ・リードがスリランカで設立した図書室の15年の歩みが特集されました!

2011年、25ansのご支援でスリランカの小学校で誕生した学びの空間
地域の子どもたちに本と出会う機会を届けたい。
そんな想いから始まった取り組みが、15年の中でどのように受け継がれ、どんな変化を生み出してきたのか、紙面では豊富な写真とともに紹介されています。

また、現地を訪れたルーム・トゥ・リード リージョナルボードの正直ゆりからのメッセージや、女子教育プログラムへの取り組みにも触れられています。
教育がもたらす大きな変化を、ぜひ誌面でご覧ください。

スリランカの少女デュミ二の物語
今回の特集でも紹介されているスリランカの少女デュミ二。
干ばつで作物が育たない状況のなか、自ら行動を起こし、コミュニティに変化をもたらしました。
映像作品はこちらからご覧ください。


■掲載紙
「25ans (ヴァンサンカン)」2026年 1月号
※図書室については別冊付録①に掲載
発売日:2025年11月28日

価格:980円(税込)
出版社:ハースト婦人画報社
Web: 25ans(ヴァンサンカン)
リリース情報:株式会社ハースト婦人画報社のプレスリリース

ルーム・トゥ・リードから、感謝とともに
教育という種を植え、この15年の歩みを共に紡いでくださった25ansの皆さまに、心より御礼申し上げます!


世界中の子どもたちの教育をサポートしませんか?
ルーム・トゥ・リードは「子どもの教育が世界を変える」という信念のもと、2000年の設立以来、世界29か国で5,200万人以上の子どもたちに学ぶ機会を届けてきました。小さな一歩が、未来を大きく動かします。ぜひ、ご参加ください。

✅マンスリーサポーターになる


毎月の寄付で、世界中の子どもたちの識字教育と女子教育を継続的に支えることができます。さらに、2025年12月末までに新たにマンスリーサポーターとしてご登録いただいた方は、ボードメンバーのご協力により、ご寄付と同額がマッチングされます!
ご登録はこちら(「毎月」をお選びください)

✅年末キャンペーン「Action for Education 2025」に参加する!


2025年はルーム・トゥ・リード設立25周年、日本法人設立15周年にあたる節目の年です。新しい図書室の設立をはじめ、2,000名の子どもたちの教育支援に挑戦します。ぜひ、ご参加ください!キャンペーン概要はこちら

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インスタグラムやXをフォローして最新情報やイベントをチェック。教育支援の現場や、サポーターの声に触れながら、気軽に国際協力に参加できます。
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お問合せ
認定NPO法人ルーム・トゥ・リード・ジャパン
Website: https://japan.roomtoread.org/
e-mail: japan@roomtoread.org

最新のアニュアルレポートをお届けします!累計5200万人の教育支援を達成、29か国へ教育事業を展開!


2025年、ルーム・トゥ・リードは設立25周年という大きな節目を迎えました。
四半世紀にわたり、「子どもの教育が世界を変える」という信念を胸に、世界中の子どもたちと支援者と共に歩み続けてまいりました。その成果をまとめた最新の2024年アニュアルレポート(年次報告書)から、主要なハイライトをご紹介します。


ルーム・トゥ・リードCEO ギータ・ムラリからのメッセージ
25年の歩みと、これからはじまる新たな物語


25年前、ルーム・トゥ・リードの活動は、ある大胆で明るい信念から始まりました。
「教育は単なる手段ではなく、世界を変える最も力強い原動力である。」
その考えこそが、私たちの原点です。

四半世紀が経った今、その信念は確かな形となって現れています。
初めて言葉を読み、世界を知る子どもたちの笑顔。
未来を自らの手で切り拓く少女たちの力強い姿。
誇りと目的を持って前進する地域社会の変化。

私たちの活動は、単なる慈善活動ではありません。
教育という力を通じて、子どもたちが生まれ育った環境に左右されず、自らの可能性を広げられるよう支える——
未来を築くための取り組みです。

子どもたちが「壁」によって可能性を制限されるのではなく、
「扉」を自らの力で開いていけるように。
私たちは、そのための空間を、実際にも、象徴的にも、共に築いています。

この物語は、今も続いています。
一人の子どもから、一冊の本から、そして一つの未来から。
そのすべてが、皆さまのご支援によって紡がれています。

ギータ・ムラリ博士
ルーム・トゥ・リード CEO


世界29か国5,200万人へ教育を届ける。広がり続けるインパクト。

ルーム・トゥ・リードのプログラムは、子どもたちの読解力を大きく伸ばしています。非導入校の生徒と比べて、読解スピードは最大2.5倍、理解度は2.6倍に向上しています。

また、思春期の子どもたちの感情的レジリエンスや意思決定力といったライフスキルも強化され、わずか2年間で比較校よりも統計的に有意な成長が確認されています。これにより、自信を持ち、公平性を重んじる若者の育成に確かな効果があることが示されています。




更に、25年間の歩みの中で、ネパールを皮切りに始まった活動は世界29か国に広がりました!

世界中の活動や成果、皆様のサポートとともに成長する子どもたちのメッセージなど、詳しくはアニュアルレポートをご覧ください。
皆様のあたたかいご支援とご協力に、心から感謝いたします!


本件に関するお問合せ:japan@roomtoread.org

ライフスキル測定 – インドとネパールの男子生徒を対象に


ディラージ・アナンド
調査・モニタリング・評価担当副部長
ルーム・トゥ・リードジェンダー平等プログラム

最近、私はインドとネパールの思春期男子を対象とした「思春期ライフスキル評価(ALSA)」のパイロット調査(ALSA-Mと呼称)に携わりました。インドのチャッティースガル州とテランガーナ州の準都市部、ならびにネパールのヌワコット県で実施された本調査では、複数学年の男子を対象に、面接やグループディスカッションを含む定量的・定性的分析を行いました。これらの地域には明らかな社会文化的・言語的多様性が存在するにもかかわらず、少年たちの規範的思考パターンに驚くべき類似点が認められました。

この取組みは、私たちの研究・評価活動を支援するために開発し、継続的に使用している女子向けの「思春期ライフスキル評価(ALSA)」に基づいています。ALSAを通じて、ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラム参加者が、比較対象校の女子生徒と比べて主要なライフスキルをより速く習得しているかを検証しています。本稿では、男子対象のパイロット調査から得られた、私が特に興味を持った二つの傾向について紹介したいと思います。

感情表現の難しさ

定性的調査から明らかになった観察結果の一つは、思春期の男子が、悲しみ、恥、欲求不満、嫉妬、不安、恐怖など、社会から時に「ネガティブ」と見なされる感情を率直に表現することに、大きな困難を抱えているということです。調査を通じて、少年たちは一貫して躊躇を口にしました。その主な理由は、仲間からの批判や嘲笑を恐れる気持ちからでした。彼らのためらいは、「男性あるいは強い男性がどう振る舞うべきか」という、根深い社会的期待を反映していました。

グループディスカッションにおいて、大半の少年たちは、悲しみや嫉妬を他人とは決して共有しないと考えていました。そうした感情を露わにすれば、「男らしくない」と見なされ、嘲笑の対象になるからです。彼らは自分自身のためにも仲間のためにも、男としてこうした感情について語るものではないと、明確に主張しました。以下のグループディスカッションからの抜粋に、この点がよく表れています。
・質問:どんな感情を他人と共有できますか?
・回答:幸せや喜び、あるいは喧嘩があった時だけ共有できます。ただしこれは友達に限ります。グループ内で反論できるようにするためです。

別のグループディスカッションでは、男子生徒たちが落ち込み(うつ状態)について話すことへのためらいについて語りました
・質問:なぜ、ためらいがあるのですか?
・回答:相手が落ち込んでいるかどうか分からないからです。
・質問:誰かがうつ状態かどうか見分けられますか?
・回答:はい、判断できます。そんな時は、一人で食事をし、一人で座り、一人になると泣きます。誰とも話そうとしません。イライラしやすく、非常に短気になります。
・質問:では、誰かがそんな風に振る舞っているのを見かけた時、その人にどう接しますか?
・回答:ごく親しい友人でない限りは、近づきません。
・質問:なぜ人は落ち込むことがあるのでしょうか?
・回答:恋愛問題、金銭問題、あるいはオンラインゲームでお金を失った場合などです。

親との関係は事態をさらに複雑にしていました。少年たちは、感情的な苦悩を親に打ち明けると、失望されたり、厳しく叱責されたりするため、困難だと頻繁に述べました。例えば、親がその過ちを許してくれないと考えると、罰を受けることを恐れて、自分の気持ちを打ち明けようとはしません。

ヌワコット出身の少年が面接でこう説明しました。「お金をなくしたり友達に貸したりした時、それが自分のせいだと親には言えません。まず殴られて、それから問い詰められるかもしれないからです」

ソーシャルメディアとオンラインゲームへの関わりの増加

2つ目の顕著な傾向は、ソーシャルメディアとオンラインゲームの影響力が、少年たちの生活に急速に拡大していることです。手頃なデータプランに後押しされ、インドとネパール全域でインターネットアクセスが劇的に拡大しています。最近の報告によると、インドの農村部ではインターネット利用が大幅に増加し、4億2500万人以上のユーザーがいます。これは都市部よりも44%多く、青少年が主要な利用者層となっています。[i] 同様にネパールでは、2025年初頭までにインターネット利用率が73.32%に達し、若年層における顕著な増加が見られました。[ii]

私たちの調査から、青少年におけるデジタル機器の利用が、非常に活発であることが示されました。インドの研究によれば、9歳から17歳の男子青少年の60%がソーシャルメディアやゲームプラットフォームに1日3時間以上費やしています。[iii] この事実は、私がこの話題について少年たちと話し合った経験とも一致しました。ネパールの少年たちも、ソーシャルメディアに少なくとも1日3~5時間を費やしていると回答しました。さらに驚くべきことに、グループディスカッションや面接において、多くの少年が親に気づかれることなく、『Free Fire』や『PUBG』といったゲームを、夜通しプレイしていることを明らかにしました。

オンラインへの過度な関与がもたらす影響について、私たちの対話で取り上げられました。ネパールの参加者は、ゲーム依存による多額の金銭的損失や、深刻なストレスが原因で仲間が自殺を図った事例など、痛ましい経験を共有してくれました。これらの報告は、サイバー犯罪とともにゲーム関連の相談電話が増加したと伝えた様々な報告[iv]と一致しています。

さらに、少年たちはオンライン上の嫌がらせや、いじめ、恐喝について懸念を共有しました。ある参加者は次のように述べました「友人のアカウントがハッキングされ、『Free Fire』をプレイ中に約5万ルピーを失いました。誰にも言えず、最終的に自殺を図ろうとしました」

女の子もオンラインゲームをするかと尋ねると、男の子たちは女の子もオンラインゲームはするが、主にインスタグラムやTikTokで動画を制作するのに時間を費やしていると答えました。その際、ミニドレスを着てメイクを施し、バズることを狙うことが多いといいます。男の子たちも動画をバズらせるためにメイクをするかと尋ねると、彼らは笑いながら「男はメイクなんかしないよ」と返答しました。

もう一つの重要な課題は、こうした少年たちの多くが、デジタル環境で育った第一世代の学習者であり、親には彼らを効果的にオンライン上で保護し導くために必要な、デジタルリテラシーやリソースが不足していることが多い点です。さらに、男性に関する社会的期待が、少年たちが感情的な苦悩を率直に話し合うことを妨げ、孤立感と脆弱性を増大させています。

測定への示唆

これらの知見を踏まえると、思春期の男子における感情的な回復力やジェンダーに関する知識・態度といった生活スキルを、我々の評価がどのように測定しているかを慎重に検討することが極めて重要です。

ルーム・トゥ・リードでは、プログラムの文化的・文脈的妥当性を確保するため、革新的な手法を採用しています。男子のライフスキルを測定する際には、デジタル環境における現実や「ネガティブ」な感情を共有することに関する考え方を含め、調査項目が彼らの日常体験や言語に響くものでなければなりません。ALS-Mツールのパイロット調査では、大衆文化やソーシャルメディアに関連する項目やシナリオベースの質問を含めましたが、ほとんどの男子から好意的に受け入れられました。多くの人が、これらのシナリオベースの質問が深い思考を促し、日常生活に非常に関連性が高いと感じたと述べました。パイロットプロセスは、少年たちの現実世界の経験やデジタル世界の交流に沿って、生活スキルやジェンダー関連の知識・態度を捉えるという我々の取り組みが、正しい方向にあることを実証してくれました。

今後、明らかな性差ではなく、微妙な性差に焦点を当てることの重要性を強調しなければなりません。私たちは、男子が自らの性別役割(特に感情の共有に関して)をどのように認識しているか、そして女子が性別役割と態度をどのように認識しているか、その相互関係について、オフラインとオンラインの両面から詳細に検討します。これにより、現実世界とデジタル世界の両方におけるジェンダーの力学と差異について、より深い理解が得られるはずです。

参照:
[i]
https://economictimes.indiatimes.com/tech/technology/rural-india-pips-urban-india-in-internet-usage-with-44-more-users-report/articleshow/98704031.cms?utm_source=chatgpt.com&from=mdr
[ii]
https://www.statista.com/outlook/co/digital-connectivity-indicators/nepal
[iii]
https://www.indiatoday.in/technology/news/story/more-than-half-of-indian-youth-aged-9-17-spend-over-3-hours-daily-on-social-media-gaming-study-2449702-2023-10-16
[iv] https://www.unicef.org/nepal/media/24131/file/Final%20Situation%20paper%20ai.pdf


原文URL:
https://www.roomtoread.org/the-latest/life-skills-assessment-for-boys/

翻訳:竹内 裕人

若者の力を引き出し、意識を変える


アビゲイル・スパングラー
ルーム・トゥ・リード ジェンダー平等プログラム
アソシエイトディレクター

ルーム・トゥ・リードでは、教育とは単に読み書きを学ぶこと以上のものだと考えています。それは、若者たちが人生の困難に立ち向かい、ジェンダー平等を推進し、自分自身と地域社会のより良い未来を創り出すために必要なスキルを身につけることなのです。ルーム・トゥ・リードのジェンダー平等チームは、ジェンダーの障壁を打ち破るには意図的な取り組み、粘り強さ、そして大胆な対話が不可欠であると理解しています。だからこそ、カンボジアにおける「平等のためのライフスキルプロジェクト」でまさにそれを実現しようと取り組んでいるのです。

実施から2年を経て、定量的・定性的両面からの最終評価により、参加者とその家族、教師の生活に変化が生じていることが明らかになりました。この結果は、ルーム・トゥ・リードをはじめ多くの関係者が長年確信してきたこと、すなわちライフスキル教育は単に有益であるだけでなく、若者の考え方や人間関係、社会における役割を形作る上で不可欠であるということを裏付けるものです。ここで得られた知見は以下のとおりです。

若者の考え方の変化:結婚を遅らせ、教育を優先する

評価から得られた最も有望な知見の一つは、結婚と教育に関する学生の考え方の変化でした。プログラム終了時点で、以下の変化を確認できました。
・女子は理想の結婚年齢を25.57歳、男子は26.05歳と答え、開始時点のデータ(女子が24.6歳、男子が24.7歳)から上昇していました。
・女子の73.78%、男子の61.01%が大学進学を望むようになり、特に女子の間では職業教育も魅力的な選択肢と見なされるようになりました。
・女子はビジネスや医療分野でのキャリアに関心を強め、彼女たちを家庭的な役割へと導く伝統的なジェンダー規範に疑問を投げかけました。

こうした変化は、若者に自らの未来について批判的に考えるための余地と手段を与えると、彼らがより大きな夢を抱くようになることを示しています。彼らは社会が課した限界を乗り越え、可能性に満ちた人生を思い描けるようになるのです。安全な環境があってこそ、若者たちは成長することができます。有害な性別役割やジェンダー規範を乗り越えることを許される環境こそが、革新的で批判的思考力を備え、明日の課題に自信を持って立ち向かえる次世代を育むのです。

精神的な回復力とジェンダー意識の構築

別の重要な影響、精神的な成長についても明らかになりました。男女ともに、感情をコントロールし、対立を解決し、仲間を支える能力が向上したと報告されています。
・男子生徒は特に怒りのコントロール能力が向上し、多くの生徒が「問題解決に攻撃性を使うことから離れ、代わりにコミュニケーションや交渉を活用するようになった」と述べました。
・女子生徒は、意見を表明すること、教師に質問すること、仲間との議論をリードすることへの自信が高まったと語りました。
・男女ともに、性別による固定観念を強要するのではなく、互いを支え合うことを学んだと語りました。これは不平等の連鎖を断ち切るための重要な一歩です。

これらの知見は、ライフスキル教育の内容とカリキュラムが、単なるスキル構築や個人の成長を超えた効果を持つことを示す証拠です。ライフスキル教育の内容とカリキュラムには、長年根付いてきた性別役割に関する信念や規範、期待を変える力があります。

家庭や地域社会におけるジェンダー規範の変化

ジェンダー平等に向けたライフスキルプロジェクトは、生徒たちを変えただけでなく、家族、ひいては地域社会全体にも恩恵をもたらしました。保護者からは、息子たちがより責任感を持ち、礼儀正しく、家事を進んで手伝うようになったとの報告がありました。中には、自分自身のジェンダーに関する考え方にも変化があったと語る保護者もいました!

ある親は「息子は家業を手伝い始め、家事も分担するようになりました。以前より母親への愛情も示し、勉強にも一生懸命取り組んでいます」と語っています(アナナ&ガンダラ、2023年)

このようなフィードバックを聞くことは、非常に感動的です。私たちは、体系的な変化が教室だけで起こるわけではないことを知っています。それは家庭で、夕食時の会話の中で、そして子どもたちが自分自身やお互いを違った視点で見られる日常の小さな瞬間に起こるのです。

ジェンダーの課題:多様な学びの場

最終評価では、男女混合の学習環境の課題も明らかになりました。男女共学のセッションは男女双方が互いから学ぶ貴重な機会を提供しましたが、月経や心の傷つきやすさといった特定の話題は、同じ性別だけのグループの方が話しやすいという意見がありました。
・男子は、男子限定で実施した場で、男らしさや時間管理といったテーマを自由に議論できると語りました。
・女子は、感情のコントロールやリーダーシップに関するセッションが特に自信につながったと報告しました。
・男女混合のセッションでは、男子がより真剣に授業に取り組む傾向があった一方、男子だけの場合では時に冗談や遊びが混じることも観察されました。

これらの知見は、あらゆる性別の子どもたちが共に学べる教育の場を創り出す私たちの取り組みにとって極めて重要です。思春期の少女だけでなく全ての思春期の子どもたちに有益な教育となるよう、若者が安全かつ尊重される環境で自身のジェンダー特有の経験を話し合い、互いに耳を傾け学び合う場をいかに創出するかが必要なのです。

ジェンダー平等に向けて男の子たちを巻き込む必要性

ジェンダー平等を実現するためには、単に女子と女性を力づけるだけでは不十分です。長きにわたり、多くのプログラムや取り組みではこれが主眼とされてきました。持続的な変化を促すためには、ジェンダーに関する対話にすべての人を巻き込む必要があります。

ジェンダー規範は少女たちを制限するだけでなく、少年たちにも有害な期待を押し付け、硬直した男らしさの概念を強化します。ジェンダー平等のためのライフスキルプロジェクトにおける私たちの取り組みは、男子をジェンダーに焦点を当てた対話に含めることで、彼らが支援者となり、ジェンダーの固定観念に異議を唱え、自分自身とのより健全な関係を築くことができることを示しています。

すべての青少年に、性別規範や期待がもたらす有害な影響を理解する手段を提供し、本音を安全に表現できる場を設けています。その結果、この取り組みは、ジェンダー平等を認識し、自らの生活や家族、地域社会において変化を創り出すために積極的に行動する世代の育成に貢献しています。

子どもたちが制限的な規範から解放される世界こそ、誰もが輝ける世界なのです。


原文URL:
https://www.roomtoread.org/the-latest/empowering-youth-transforming-mindsets/

翻訳:竹内 裕人