3月は国際女性月間✨寄付の効果が2倍!

教育は基本的人権
しかし、その権利が不平等に侵害され、特に少女たちは多くの障壁に直面しています。

  • 世界の7人に1人が読み書きができず、その3分の2が女性や少女です。
  • 1億2200万人以上の少女が学校に通えていません。
  • 多くの少女が、文化的偏見、差別、貧困、暴力と闘いながら、学び続けています。

ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムは、これまでに370万人以上の少女を支援し、低所得コミュニティでジェンダー平等の実現を目指してきました。

3月の国際女性月間を記念して、3月末まで寄付の効果が2倍になるキャンペーンを実施中です!
例えば1万円をご寄付いただくと、支援企業のマッチングにより計2万円分が支援地域に届けられます。同じ金額で、少女たちへ2倍のサポートが届きます。

少女がどこで生まれても夢を実現できる公正な世界は、私たちの一歩から始まります。ご支援をお待ちしています!


※ルーム・トゥ・リード・ジャパンへのご寄付は税制控除の対象となります。

🎉ルーム・トゥ・リード設立25周年!


25周年に寄せて…

25年前、ルーム・トゥ・リードの創設者3名と最初の支援者たちは、すべての子どもが教育を通じて可能性を最大限に発揮できる世界を思い描きました。

私自身がルーム・トゥ・リードに加わり、日本法人を設立したのが15年前、ルーム・トゥ・リード設立10周年のタイミングでした。当時、支援を受けた子どもの数が500万人に達しようとしていて、「500万人なんてすごい!」と思ったのを、今でも鮮明に覚えています。

あれから15年―以来、世界中の支援者の皆さまとともに、新たな「章」(チャプター)を積み重ね、これまでに28の国と地域で10倍にあたる5,000万人以上の子どもたちに変化をもたらしてきました。ルーム・トゥ・リードは、世界の学習危機を解決できることを証明してきたのです。そして、この物語はまだ続きます。

これは、ルーム・トゥ・リードという組織が、決して立ち止まることなく学び続け、走りながら進化し続けてきた証です。そして私たち自身も、成功体験に甘んじることなく、新たな挑戦を受け入れながら、変化と成長に必死についていくことを求められた日々だったように思います。

今年一年を通じて、25周年という大きな節目に至るまでの歩みを振り返る中で、皆さまとともに築いてきた道のりの尊さを改めて感じています。皆さまの温かいご支援と変わらぬご信頼があったからこそ、ここまで歩んでこられました。心より感謝申し上げます。 

先日、支援企業の方々とともに、ルーム・トゥ・リードが最初に活動を開始したネパールを訪れる機会がありました。訪れたのは、首都カトマンズから山を越えつつ車で2時間ちょっとに位置するヌワコットにある小学校で、2015年の大地震で甚大な被害を受けた地域です。

今回訪れた小学校では、現地政府と協働し、3年間の識字教育プログラムが実施されています。偶然にも、日本の寄付者の方が贈ってくださった絵本を、小学校2年生の子どもたちに読み聞かせる場面に立ち会うことができました。大地震やパンデミックという大きな困難を乗り越え、先生が懸命に授業をする姿、そしてそれを受けて目を輝かせながら手を挙げる子どもたちの姿を目の当たりにし、「5,000万人」という数字は、こうした一人ひとりの積み重ねなのだと、その重みを改めて実感しました。

そして今年、ルーム・トゥ・リードは25周年、日本法人も設立15周年を迎えました。この節目を迎えることができたのは、支援者の皆さま一人ひとりの変わらぬご支援と、教育への強い信念があったからこそです。心からの感謝を込めて—本当にありがとうございます。

3月は「国際女性月間」。非識字やジェンダーによる格差のない世界を実現するために活動を行っているルーム・トゥ・リードにとって、とても大切な月となります。世界中の女性と少女の権利が守られ、ジェンダー平等が実現される世界を目指し、さらに歩みを加速させます。


ルーム・トゥ・リード・ジャパン
事務局長 松丸佳穂


国際女性月間キャンぺーンのご案内

 

【東京マラソン2025】21か国164名のチャリティランナーが走行!1万人の子ども達の教育を支援 │ 【Tokyo Marathon 2025】164 Charity Runners from 21 Countries Run to Support the Education of 10,000 Children!

©東京マラソン財団

ルーム・トゥ・リード・ジャパンが寄付先団体として参加している、東京マラソン2025が3月2日(日)に開催されました!

アボット・ワールドマラソンメジャーズとして世界中のランナーを魅了する東京マラソン。今回は約38,000名が走行しました。この内、世界21か国から164名がルーム・トゥ・リードの活動に共感・寄付先に指定し、チャリティランナーとして参加しました。

快晴の中、東京都庁をスタート地点に朝9時10分の号砲から順次ランニングがスタート。42.195kmをランナーそれぞれの思いをこめながら一歩一歩を走り抜けました。

また東京マラソン2025 EXPO(2月27日~3月1日)、そして大会当日にかけ、複数の支援企業の社員皆様のご協力をいただき、総勢47名のボランティアサポーターの方とともにチャリティランナーをお迎えし、声をあげて応援しました。

今回のチャリティランでは、ランナーは直接のご寄付のほか、企業によるマッチング寄付や、ルーム・トゥ・リードのクラウドファンディングシステムを使った寄付集めなど様々な方法で低所得コミュニティの子どもの教育支援に向け寄付集めを実施しました。結果、当初目標としていた8,000名の子どもの教育資金調達を上回り、10,000人以上の教育に相当するご寄付をお預かりしました!皆様のご支援に心から感謝いたします。

Room to Read Japan participated as a beneficiary organization in the Tokyo Marathon 2025, which took place on March 2nd (Sunday)! The Tokyo Marathon, captivating runners worldwide as part of the Abbott World Marathon Majors, saw approximately 38,000 participants. Among them, 164 individuals from 21 countries resonated with Room to Read’s mission and designated it as their charity of choice, participating as charity runners.

During the Tokyo Marathon 2025 EXPO (February 27th to March 1st) and on the day of the event, we were grateful to receive support from employees of multiple sponsoring companies. Alongside a team of 47 volunteer supporters, we warmly welcomed charity runners and cheered them on with loud voices. Under clear skies, the race commenced at 9:10 a.m. from the Tokyo Metropolitan Government Building, with runners embarking on the 42.195km journey, each step filled with their own aspirations.

In this charity run, participants engaged in various fundraising methods, including direct donations, matching contributions from corporations, and utilizing Room to Read’s crowdfunding system, all directed towards supporting education for children in low-income communities. As a result, we exceeded our initial goal of funding educaiton for 8,000 children, collecting donations equivalent to supporting education for over 10,000 children! We extend our heartfelt gratitude for everyone’s support.


東京マラソン2025 チャリティEXPOの様子(2月27日~3月1日)
Tokyo Marathon 2025 Charity EXPO held from Feb. 27 – Mar. 1

場所:東京ビッグサイト(東京国際展示場)at Tokyo Bigsite ©東京マラソン財団

ランナー登録、アスリートビブスの受け取りのために訪れたランナーのほか、一般来場者を含めて多くの来場者をチャリティブースでお迎えしました。
In addition to runners who came to register and pick up their bibs, more than 60,000 people, including general visitors, came to the event! We welcomed them at our charity booth.


3月1日(金)皇居ラン / March 1st (Fri.) Imperial Palace Run

©東京マラソン財団

アライアンスパートナー企業様のマラソンチームのリードで、皇居ラン!歓迎のスピーチにランナーは感激、ランの後は交流もしたそうです!
Under the leadership of our alliance partner companies’ marathon team, we embarked on a run around the Imperial Palace! The runners were deeply moved by the welcome speech and enjoyed interacting after the run.


3月2日(日)沿道応援の様子 / March 2nd (Sun.) Cheering on the way

Tokyo Marathon Foundation



ランナーにとって一番苦しいといわれる、両国~田町(27Km~37Km)地点、そしてフィニッシュエリアで、ボランティアサポーターが応援にかけつけました!
応援の声にたくさんのランナーが応え、ハイタッチも!
Volunteer supporters came to cheer the runners on at the Ryogoku – Tamachi (27Km – 37Km) point, which is said to be the most challenging section for the runners, and of course, at the finish area! Many runners responded to the cheers, exchanging high-fives!


チャリティラウンジ(東京国際フォーラム)/ Charity Lounge

©東京マラソン財団
©東京マラソン財団

走行後のチャリティランナーをお迎えしました!今回は、ご家族やご友人が集まるミートポイントとしても活用され、多くの方々がランナーのゴールを祝福しました。
On Sunday, March 2, we welcomed charity runners after their race at the Charity Lounge in Tokyo International Forum! This time, the lounge also served as a meeting point for family and friends, bringing together many people to celebrate the runners’ finish.

世界中のチャリティランナーの皆様、ありがとうございました!
Thank you very much for your wonderful run!


ルーム・トゥ・リード・ジャパンは、2026年3月1日(日)開催の東京マラソン2026チャリティの寄付先団体として引き続き参加いたします!
本件に関するお問合せやご質問は、ルーム・トゥ・リード・ジャパン(japan@roomtoread.org)までお気軽にお寄せください。

Room to Read Japan will continue to participate as a beneficiary organization for the Tokyo Marathon 2026 Charity, scheduled to take place on Sunday, March 1, 2026! For any inquiries or questions regarding this, please feel free to contact Room to Read Japan at japan@roomtoread.org.

©東京マラソン財団

《継続的な学びと改善》2024年 ルーム・トゥ・リードのジェンダー平等プログラムからの洞察


執筆者: フェルナンダ・ガンダーラ
(ルーム・トゥ・リード 調査・モニタリング・報告担当ディレクター)

ルーム・トゥ・リードの取り組み
ルーム・トゥ・リードのグローバル研究・モニタリング・評価チームは、毎年、識字教育とジェンダー平等の推進に関するプログラムの効果を分析し、報告書を作成しています。これらの報告は、スタッフによるレビューを経て、プログラムの継続的な改善に活かされています。また、年間を通じて評価結果を分析し、共通するパターンを特定することで、より多くの子どもたちに迅速に良い影響を届けることを目指しています。
2024年のジェンダー平等プログラムの報告から、以下の4つの重要なテーマが明らかになりました。

① 教育者へのサポートの必要性
教育者は、活動中心の学習を高く評価しているものの、導入にはさらなる支援が必要である

ネパールやベトナムで実施した「気候正義クラブ」や、カンボジアで試験導入した「男子生徒参加プログラム」の調査によると、教育者はこうした新しい教育手法に高い関心を持っています。しかし、これらを効果的に実践するには追加の支援が不可欠であることが分かりました。
例えば、教育者は以下の点でサポートを求めています。
● 生徒の適切なグループ分け
● 実践的な活動の準備
● 生徒中心の学習を促進するための追加リソース(新しい教材や視覚的な補助ツールなど)
また、気候変動やジェンダー問題といった新しいテーマについては、一度の研修ではなく、継続的なサポートが必要だと考えられています。

気候正義クラブの詳細

② ジェンダー構成の影響
ジェンダー平等プログラムでは、クラスのジェンダー構成が学習成果に影響を与える

カンボジアでの男子生徒参加プログラムの評価では、学生は同じジェンダーの仲間や指導者と話し合うことを好む一方で、異なるジェンダーの生徒と学ぶことにも価値があることが示されました。
つまり、同じジェンダーでの学びの場を確保しつつ、異なるジェンダーと交流する機会を設けることが、ジェンダー教育において重要なポイントとなります。

カンボジアでの取り組み


③ 金融教育と心理社会的サポートの統合
金融教育は、心理社会的なスキルと組み合わせることでより効果を発揮する

タンザニアで実施された金融教育プログラムでは、ライフスキル教育も受けた女子生徒が、より高い起業意識と貯蓄行動を示しました。
過去の調査結果とも一致し、金融リテラシーの向上には、単なる知識提供だけでなく、ライフスキル教育の併用が重要であることが分かっています。

タンザニアでの取り組み

④ 混合手法の活用
定量調査と定性調査を組み合わせることが、プログラムの評価に不可欠である

2024年の評価では、単に「どのプログラムが成果を生んだか」だけでなく、「なぜその成果が生まれたのか」を理解するために、定量調査(数値データ)と定性調査(参加者の声)を組み合わせることの重要性が明らかになりました。
ネパールとベトナムの「気候正義クラブ」や、カンボジアの「男子生徒参加プログラム」では、この混合手法を用いることで、プログラムの理論と実際の影響をより深く分析できました。今後も、参加者の声を取り入れながら、プログラムの改善を続けていきます。


今後の展望
ルーム・トゥ・リードは、すべての子どもたちが質の高い教育を受け、将来に向けた選択肢を広げられるよう、プログラムの継続的な改善に取り組んでいます。
今後の課題として、
● 参加者との情報共有の強化
● 定量調査と定性調査のさらなる融合
が挙げられます。
私たちの研究・モニタリング・評価チームは、今後も新たな洞察を共有し続け、より効果的なプログラムの実現を目指します。

詳細な調査・統計・評価(英文)はこちら

オリジナル記事:
Continuous Learning and Improvement – 2024 Insights from Room to Read’s Gender Equality Programming

翻訳:kochi

一年間の歩み:ルーム・トゥ・リードの気候正義クラブからの学び

アビゲイル・スパングラー
ルーム・トゥ・リード女子教育プログラム グローバルアソシエイトディレクター

ルーム・トゥ・リードの気候正義クラブ
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気候変動が世界中の地域社会に影響を及ぼす中、気候リテラシーとジェンダー公正について若者を教育することは、これまで以上に重要になってきています。この必要性を踏まえ、ルーム・トゥ・リードでは、青少年が地域社会の気候変動危機に対処するための知識とスキルを身につけるために、「気候正義クラブ」と呼ばれる革新的で実践的なプログラムを開発しました。このクラブがどのように変化をもたらしているのか、詳しく見ていきましょう。

気候正義クラブとは?
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ルーム・トゥ・リードの気候正義クラブは、ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムのライフスキル・カリキュラムの延長線として、気候変動、気候正義、ジェンダー平等に関するトピックを探究する生徒のために特別にデザインされました。このセッションは、生徒たちに気候変動のさまざまな要因についてリサーチさせる他、気候災害の影響を最も受けやすい地域社会が、気候関連の課題を解決するためにどのような行動を取ることができるかを学習する手助けをします。

クラブは主に次の3つの成果を上げることに力を入れています:

1. 気候に関する知識の向上: 気候変動、気候正義、そしてそれらがジェンダーとどのように関連しているかを理解する。
2. 意思決定力: 気候変動対策において、情報に基づいた選択をするスキルを身につける。
3. コミュニティへの貢献: 生徒が学んだことを、仲間や家族、地域社会にも広めていくことを促す。

2023年、ルーム・トゥ・リードは、気候変動の影響を大きく受けている国、ネパールとベトナムで、思春期の子どもたちが気候変動対策に参画できるよう、2つの気候正義クラブを試験的に立ち上げました。

ネパールとベトナムでのパイロット・プログラム
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ネパール🇳🇵
ネパールのバンケ地区では、ルーム・トゥ・リードの気候正義クラブが現在12校で実施されており、7年生と8年生の女子生徒約620人が参加しています。クラブは希望者を対象に放課後に行われ、2年間で26回のセッションが開催されています。これらのセッションは訓練を受けたファシリテーターが中心となり、気候正義の概念(注1 文末に記載)や、批判的思考、リーダーシップといった実践的なライフスキルを学びます。さらに、参加者は現地訪問にも参加し、地域の意思決定者と現地の気候変動対策計画について意見交換を行い、政策をレビューすることで、学習を実践的かつ有益なものにしています。

ベトナム🇻🇳
ベトナムのヴィンロン省の2つの学校ではルーム・トゥ・リードの気候正義クラブが必修科目となっており、学校の授業として行われています。ここでは男女の枠を超えて約269人の生徒が参加し、生物学と地理の教師がプログラムのファシリテーターを務めています。
気候正義クラブでのセッションに加え、生徒たちは気候変動に関する行動計画を作成する少人数のグループ活動にも参加し、多くの生徒が、自身が学んだことを活かして地域キャンペーンを企画しています。

1年目で学んだこと
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気候正義クラブの活動から学ぶために、ルーム・トゥ・リードの調査、モニタリング、評価のチームは、プログラムの実施状況についてのデータを収集し、参加者に見られた変化を記録するなど、包括的な活動を実施しました。

以下は、ルーム・トゥ・リードの報告書(Room to Read’s Climate Justice Clubs: Key Insights After One Year of Pilot Implementation)からの抜粋です。

● どちらの国でも出席率が高く、教師たちはカリキュラムを実施する準備が整っていることを感じていました。しかし、特定の分野、特にジェンダー関連のトピックを取り上げる際には、教師たちはさらなるサポートを必要としていました。また、予想以上に時間がかかった活動もあり、準備期間を増やすことがファシリテーターにとって有益であることが示唆されました。

● セッションの頻度としては期待通りであったが、ファシリテーターによっては、より長いセッションの方が、内容に深く関わる時間を多く確保できると感じている者もいました。場合によっては、時間の制約のために教師がカリキュラムの一部を駆け足で進めたり、割愛しなければならないこともありました。

● 生徒と教師の双方が、ルーム・トゥ・リードの気候正義クラブを非常に魅力的で有意義なものであると評価しました。グループ・ディスカッション、ロールプレイング、ラボ活動など、インタラクティブで実践的なアプローチにより、気候変動とジェンダー正義についての学習が有意義なものとなりました。しかし、このようなプロジェクトベースの学習に慣れていない生徒が苦戦することもあり、生徒主体の活動に段階的に適応していく必要があることがうかがえます。

● 生徒や教師および地域社会は、このプログラムに非常に協力的で した。保護者の関与が非常に大きかったことも、クラブの全体的な成功に貢献しました。今後の改善点としては、コンセプトをより身近なものにすること、魅力的な活動を維持するためにクラブの規模を管理することなどが考えられます。

● ルーム・トゥ・リードの気候正義クラブは、人間を中心とした気候変動対策に重点を置いていることが特徴です。単に気候科学を教えるだけでなく、生徒たちが気候やジェンダーの問題が自分たちの生活とどのように関わっているかを理解する手助けをします。教師やファシリテーターは、クラブのインタラクティブな手法を称賛し、従来の教室での学習との違いを評価しています。

● 教師たちは、多くの生徒が家庭で木を植えたりプラスチックの使用量を削減する等の小さなプロジェクトを始めるのを見て、生徒たちが環境に対する意識を高めていることを確認しました。多くの家族がこうした取り組みに参加したことからも、このクラブが人々の行動を変える重要なきっかけとなることが示されました。さらに、参加者は特にリーダーシップと批判的思考において、より優れたライフスキルを見せてくれました。

● クラブが長期的に続くためには、さらなるリソースと研修が必要不可欠です。特にベトナムの教師たちは、通常の業務と並行してプログラムを行うにあたり、サポートがより必要であると語りました。ネパールの関係者は、プログラムに女子生徒と男子生徒の両方を参加させることで、その影響力と持続可能性を高めることができると提案しました。

今後の課題
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今後、ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムチームは、ネパールとベトナムそれぞれのチームと綿密に協力しながら、気候正義クラブのパイロット初年度から得られたすべてのデータを慎重に精査し、得られた知見に基づいてプログラムを継続的に進化させていく予定です。現地の関係者と協力し、教師、ファシリテーター、生徒、地域社会からのフィードバックを取り入れることで、ファシリテーターのトレーニングやカリキュラムの提供、リソースの割り当てを優先的に見直し、それぞれの実施状況特有のニーズに沿った対応をしていきます。このアプローチを通して、ルーム・トゥ・リードではプログラムの取り組みと持続可能性の深化を図り、最終的には生徒が気候変動に対するリテラシーと公平性を身につけ、地域社会に有意義な貢献ができるようになることを支援します。

さらに、ルー ム・トゥ・リードでは、政府や市民社会のパートナーとの協力の下、学校や地区が気候正義クラブを実施する際に技術的支援を提供することで、プログラムの持続可能性を高める機会を模索していきます。成果の向上を促進し、ルーム・トゥ・リードの気候正義クラブの影響力を、今後より広範囲に拡大するための強固な基盤を確立していくことを期待しています。

(注1) 気候正義とは、気候変動がさまざまなコミュニティに与える不平等な影響に対処する原則であり、社会的弱者や社会から疎外されたグループが最も苦しむことが多いことを認識し、公平な待遇を重んじる考え方です。気候正義はこうした不平等を是正し、すべての人々、特に気候変動の影響を最も受ける人々が、解決に向けて発言できるようにするための行動を呼びかけています。

 

原文URL:
https://www.roomtoread.org/the-latest/one-year-in-insights-from-room-to-read-climate-justice-clubs/

翻訳:藤田 由弥子