一年間の歩み:ルーム・トゥ・リードの気候正義クラブからの学び

アビゲイル・スパングラー
ルーム・トゥ・リード女子教育プログラム グローバルアソシエイトディレクター

ルーム・トゥ・リードの気候正義クラブ
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気候変動が世界中の地域社会に影響を及ぼす中、気候リテラシーとジェンダー公正について若者を教育することは、これまで以上に重要になってきています。この必要性を踏まえ、ルーム・トゥ・リードでは、青少年が地域社会の気候変動危機に対処するための知識とスキルを身につけるために、「気候正義クラブ」と呼ばれる革新的で実践的なプログラムを開発しました。このクラブがどのように変化をもたらしているのか、詳しく見ていきましょう。

気候正義クラブとは?
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ルーム・トゥ・リードの気候正義クラブは、ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムのライフスキル・カリキュラムの延長線として、気候変動、気候正義、ジェンダー平等に関するトピックを探究する生徒のために特別にデザインされました。このセッションは、生徒たちに気候変動のさまざまな要因についてリサーチさせる他、気候災害の影響を最も受けやすい地域社会が、気候関連の課題を解決するためにどのような行動を取ることができるかを学習する手助けをします。

クラブは主に次の3つの成果を上げることに力を入れています:

1. 気候に関する知識の向上: 気候変動、気候正義、そしてそれらがジェンダーとどのように関連しているかを理解する。
2. 意思決定力: 気候変動対策において、情報に基づいた選択をするスキルを身につける。
3. コミュニティへの貢献: 生徒が学んだことを、仲間や家族、地域社会にも広めていくことを促す。

2023年、ルーム・トゥ・リードは、気候変動の影響を大きく受けている国、ネパールとベトナムで、思春期の子どもたちが気候変動対策に参画できるよう、2つの気候正義クラブを試験的に立ち上げました。

ネパールとベトナムでのパイロット・プログラム
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ネパール🇳🇵
ネパールのバンケ地区では、ルーム・トゥ・リードの気候正義クラブが現在12校で実施されており、7年生と8年生の女子生徒約620人が参加しています。クラブは希望者を対象に放課後に行われ、2年間で26回のセッションが開催されています。これらのセッションは訓練を受けたファシリテーターが中心となり、気候正義の概念(注1 文末に記載)や、批判的思考、リーダーシップといった実践的なライフスキルを学びます。さらに、参加者は現地訪問にも参加し、地域の意思決定者と現地の気候変動対策計画について意見交換を行い、政策をレビューすることで、学習を実践的かつ有益なものにしています。

ベトナム🇻🇳
ベトナムのヴィンロン省の2つの学校ではルーム・トゥ・リードの気候正義クラブが必修科目となっており、学校の授業として行われています。ここでは男女の枠を超えて約269人の生徒が参加し、生物学と地理の教師がプログラムのファシリテーターを務めています。
気候正義クラブでのセッションに加え、生徒たちは気候変動に関する行動計画を作成する少人数のグループ活動にも参加し、多くの生徒が、自身が学んだことを活かして地域キャンペーンを企画しています。

1年目で学んだこと
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気候正義クラブの活動から学ぶために、ルーム・トゥ・リードの調査、モニタリング、評価のチームは、プログラムの実施状況についてのデータを収集し、参加者に見られた変化を記録するなど、包括的な活動を実施しました。

以下は、ルーム・トゥ・リードの報告書(Room to Read’s Climate Justice Clubs: Key Insights After One Year of Pilot Implementation)からの抜粋です。

● どちらの国でも出席率が高く、教師たちはカリキュラムを実施する準備が整っていることを感じていました。しかし、特定の分野、特にジェンダー関連のトピックを取り上げる際には、教師たちはさらなるサポートを必要としていました。また、予想以上に時間がかかった活動もあり、準備期間を増やすことがファシリテーターにとって有益であることが示唆されました。

● セッションの頻度としては期待通りであったが、ファシリテーターによっては、より長いセッションの方が、内容に深く関わる時間を多く確保できると感じている者もいました。場合によっては、時間の制約のために教師がカリキュラムの一部を駆け足で進めたり、割愛しなければならないこともありました。

● 生徒と教師の双方が、ルーム・トゥ・リードの気候正義クラブを非常に魅力的で有意義なものであると評価しました。グループ・ディスカッション、ロールプレイング、ラボ活動など、インタラクティブで実践的なアプローチにより、気候変動とジェンダー正義についての学習が有意義なものとなりました。しかし、このようなプロジェクトベースの学習に慣れていない生徒が苦戦することもあり、生徒主体の活動に段階的に適応していく必要があることがうかがえます。

● 生徒や教師および地域社会は、このプログラムに非常に協力的で した。保護者の関与が非常に大きかったことも、クラブの全体的な成功に貢献しました。今後の改善点としては、コンセプトをより身近なものにすること、魅力的な活動を維持するためにクラブの規模を管理することなどが考えられます。

● ルーム・トゥ・リードの気候正義クラブは、人間を中心とした気候変動対策に重点を置いていることが特徴です。単に気候科学を教えるだけでなく、生徒たちが気候やジェンダーの問題が自分たちの生活とどのように関わっているかを理解する手助けをします。教師やファシリテーターは、クラブのインタラクティブな手法を称賛し、従来の教室での学習との違いを評価しています。

● 教師たちは、多くの生徒が家庭で木を植えたりプラスチックの使用量を削減する等の小さなプロジェクトを始めるのを見て、生徒たちが環境に対する意識を高めていることを確認しました。多くの家族がこうした取り組みに参加したことからも、このクラブが人々の行動を変える重要なきっかけとなることが示されました。さらに、参加者は特にリーダーシップと批判的思考において、より優れたライフスキルを見せてくれました。

● クラブが長期的に続くためには、さらなるリソースと研修が必要不可欠です。特にベトナムの教師たちは、通常の業務と並行してプログラムを行うにあたり、サポートがより必要であると語りました。ネパールの関係者は、プログラムに女子生徒と男子生徒の両方を参加させることで、その影響力と持続可能性を高めることができると提案しました。

今後の課題
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今後、ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムチームは、ネパールとベトナムそれぞれのチームと綿密に協力しながら、気候正義クラブのパイロット初年度から得られたすべてのデータを慎重に精査し、得られた知見に基づいてプログラムを継続的に進化させていく予定です。現地の関係者と協力し、教師、ファシリテーター、生徒、地域社会からのフィードバックを取り入れることで、ファシリテーターのトレーニングやカリキュラムの提供、リソースの割り当てを優先的に見直し、それぞれの実施状況特有のニーズに沿った対応をしていきます。このアプローチを通して、ルーム・トゥ・リードではプログラムの取り組みと持続可能性の深化を図り、最終的には生徒が気候変動に対するリテラシーと公平性を身につけ、地域社会に有意義な貢献ができるようになることを支援します。

さらに、ルー ム・トゥ・リードでは、政府や市民社会のパートナーとの協力の下、学校や地区が気候正義クラブを実施する際に技術的支援を提供することで、プログラムの持続可能性を高める機会を模索していきます。成果の向上を促進し、ルーム・トゥ・リードの気候正義クラブの影響力を、今後より広範囲に拡大するための強固な基盤を確立していくことを期待しています。

(注1) 気候正義とは、気候変動がさまざまなコミュニティに与える不平等な影響に対処する原則であり、社会的弱者や社会から疎外されたグループが最も苦しむことが多いことを認識し、公平な待遇を重んじる考え方です。気候正義はこうした不平等を是正し、すべての人々、特に気候変動の影響を最も受ける人々が、解決に向けて発言できるようにするための行動を呼びかけています。

 

原文URL:
https://www.roomtoread.org/the-latest/one-year-in-insights-from-room-to-read-climate-justice-clubs/

翻訳:藤田 由弥子

レバノンからの最新ニュース

(Room to Read 本部ホームページ2024年11月20日掲載記事の翻訳です)


ディーナ・エルアバト
ルーム・トゥ・リード 中東地域プロジェクトマネージャー

今年のレバノンの夏は、南レバノンから悲惨な映像や情報がベッカー高原に届き、緊張感に満ちていました。ベッカー高原は、ルーム・トゥ・リードが地域パートナーであるレバノン学術・研修機構(LOST)と協力し、非公式教育センターに子どもに優しい15の図書館を設置してきた場所です。

最近数ヶ月の間に、南レバノンから約7万もの家族がベッカー高原に避難してきました。私たちの図書館でも利用者が増加しています。ルーム・トゥ・リードが実施した社会感情学習セッションは、子ども達と教育者達の両方から高い評価を受けました。その内容はルーム・トゥ・リードの図書館プログラムにも取り入れられていました。また、ルーム・トゥ・リードの現代標準アラビア語の絵本は、国中の学校や地域センターの何百もの読書コーナーや学習スペースの棚を満たす役割を果たしました。
レバノンの私達のチームは、子どもたちがもっと教育を求めている、子どもたちはこれが学校に通うチャンスになればいいのにと願っているという心温まるエピソードを共有してくれました。また、レバノン教育省とのパートナーシップを通じて、国内すべての公立学校にルーム・トゥ・リードの本を年内に配布する計画をたてていました。

9月にすべてが変わりました

中東危機によりレバノンで戦争が勃発し、避難勧告が発令される中、LOSTは職員の安全確保と緊急対策の実施のため、すべての教育プログラムを即時に1週間停止する決定を下しました。この間、レバノンでは約200万人が避難を余儀なくされました。多くのLOSTのパートナーたちは、もはや帰るべき家が無くなったことにすぐ気づきました。

その1週間の間に、私たちのパートナーたちが苦しんでいることが明白になりました。私はLOST創設者のラミ博士に連絡を取り、ルーム・トゥ・リードとして何ができるかを相談しました。彼は「状況はひどい。想像を絶するほど悪い。」と語りました。

彼の報告によると、人々は道端や木の下で眠り、道路は封鎖され、国境も閉鎖されていました。それでも、混乱の中から生き延びようとする闘志が芽生えていました。

多くのLOST職員達が集まり、深刻化する食糧不足に対応するために毎日の食事を準備し始めました。国内のすべての学校が避難所となりました。ルーム・トゥ・リードの長年のパートナーであるユニセフは、食糧だけでなく、子どもたちへの緊急心理社会的支援キットの配布も開始しました。私はすぐに、これらの活動を支援するためにチームと連携し、資金の再配分に取り組みました。

2024年10月5日にルーム・トゥ・リードはLOSTとのパートナーシップに関する改訂契約を結び、以下を提供すること明確にしました。

● ベッカー高原の家族2万5千食の温かい食事(1食あたり2米ドルの費用)による食糧支援
● 現代標準アラビア語で書かれたルーム・トゥ・リードのストーリーブック5冊、スケッチブック1冊、12色の色鉛筆1セットと鉛筆削りを含む一万個の緊急教育支援キット
● 教育者やボランティア用に、危機的状況にある子ども達への心理社会的支援を提供する方法についてのオンライン研修資料。これには、声を出して本を読むことを通じて社会性と情緒を学習することに焦点を当てた資料も含まれます。

過去2年間にルーム・トゥ・リードが実施した教師向けトレーニングについては、レバノン全土で子ども達に読書のセッションを行う教育者たちの写真を目にすることができる今、その成果はこれまで以上に明らかです。

この記事を書いている時点で、すべての食事は配布され、緊急支援キットも印刷され、ルーム・トゥ・リードの現地倉庫に届き、配布の準備が整っています。

ルーム・トゥ・リードが2022年にレバノンでこの取り組みを開始した際、シリアからレバノンに逃れ、何年も教育受けることのできなかった子ども達の学習のギャップを埋めるために懸命に取り組みました。ルーム・トゥ・リードのプログラムは、無料の非公式教育センターでこれらの子ども達を支援し、公立学校システムに再び参加できるよう準備を整えました。

緊急時における教育を維持するための取り組みは、子ども達に安らぎや安心感、一貫性を保証します。私たちの本は、単に強い識字能力を育むだけではありません。精神的に不安定な時期に起こり得る困難な感情に向き合う手助けもしています。

危機を生き抜く子ども達にとって、教育へのアクセスは希望への道を切り開き、学び続ける決意を促します。それは、自分の教育の可能性を追求し、自分自身で選び取る未来を築くための決意です。

ここ数年のレバノンでの活動、そして過去10年間にわたる中東地域全体での活動が、今回の危機に迅速かつ適切に対応する力を私たちに与えてくれました。皆さんのような地域社会の支援者からのサポートが、この活動を継続させる力となります。

私達のチームとパートナーを代表して、これらの子ども達が教育へのアクセスできるようご支援いただき、心から感謝申し上げます。

原文URL:
https://www.roomtoread.org/the-latest/the-latest-from-room-to-read-in-lebanon/

翻訳:Tomoko Sasaki

【最終結果】Action for Education2024 ご支援のご報告と御礼


(English follows after Japanese)
昨年末は、たくさんの方々から、年末キャンペーン Action for Education 2024 “You Create Change~あなたが未来を変えていく~” に対するのご協力をいただき、誠にありがとうございました! 最終の集計結果をご報告いたします:

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キャンペーン期間:12月1日~1231
ご寄付者数:国内外から100名以上
合計寄付金額:18,085,470円*
教育支援日数:目標である10万日分の教育支援に対し、目標を大きく上回る18万日以上の教育に相当するご支援を達成しました。
*121日~20日の2倍マッチ、25日以降の5倍マッチ、およびハッシュタグキャンペーンのご支援分を含んだ合計。
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年末が差し迫る中、「十分にご支援を呼びかけられるだろうか」という緊張感を抱えつつ、メールマガジンやソーシャルメディア、直接のご連絡を通じて、できる限りの想いをお届けしました。

You Create Change~あなたが未来を変えていく~」というテーマに、多くの方々が共感し、あたたかい応援とともにご寄付を寄せてくださいました。

当初の目標を大きく上回る成果を達成できたのは、心強いサポートを提供してくださるマッチングパートナーの皆さま、そしてルーム・トゥ・リードの活動に共感し、支えてくださる皆さま一人ひとりのおかげです。改めて、心より御礼申し上げます。

2025年、ルーム・トゥ・リードは創立25周年を迎えます!
より多くの子どもたちに教育を届け、世界を少しでも明るく照らせるよう、今年も全力で活動してまいります。

ルーム・トゥ・リードの活動について、ご質問などございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
引き続き、温かいご支援・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

ルーム・トゥ・リード・ジャパン事務局
活動やご支援に関するお問合せ:japan@roomtoread.org


At the end of last year, we received tremendous support from many of you for Action for Education 2024: You Create Change, and we sincerely thank you! We are pleased to share the final results:

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Campaign Period: December 1 – December 31
Number of Donors: Over 100 donors from Japan and abroad
Total Donations: 18,085,470 JPY*
Days of Education Supported: Thanks to your generosity, we far exceeded our goal of 100,000 days, reaching over 180,000 days of education support.
*Includes contributions from the 2x matching from December 1–20, the 5x matching from December 25 onwards, and the hashtag campaign.
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As the year-end approached, we felt a sense of urgency, wondering if we could successfully reach out for enough support. However, we made every effort to share our message through newsletters, social media, and direct outreach.

We are grateful that so many of you resonated with our campaign theme, “You Create Change,” and extended your warm support and generous contributions.

Surpassing our initial goal and providing education to even more children was made possible thanks to the unwavering support of our matching partners and each and every one of you who believe in Room to Read’s mission. We extend our heartfelt appreciation to you all once again.

2025 marks the 25th anniversary of Room to Read.
We remain committed to delivering education to as many children as possible and making the world a brighter place, even if just by a little.

If you have any questions about Room to Read’s activities, please feel free to reach out to us.
We sincerely appreciate your continued support and cooperation.

Room to Read Japan

仲間の挑戦を社内で応援!300名の子ども達へ教育を届ける(ランチ&ラーン@ピムコジャパンリミテッド)/ PIMCO Japan Delivers Education to Over 300 Children Through a Colleague’s Marathon Challenge

フルマラソンを走る同僚の挑戦を通して、300名以上の子ども達へ教育を届けたピムコジャパンの皆さん。

2024年12月4日(木)、世界的な資産運用会社ピムコジャパンリミテッド(東京・港区)にて、ランチ&ラーン(Lunch&Learn)が開催されました。
On Thursday, December 4, 2024, a Lunch & Learn session was held at the global asset management company PIMCO Japan Limited (Minato-ku, Tokyo).

このイベントは、東京マラソン2025のチャリティランナーとして出場する表寛子さんと、東京レガシーハーフマラソン2022にルーム・トゥ・リードのチャリティランナーとして出場したベン・ファーガソンさん(同社共同代表者 クライアント及びビジネスマネジメント / ルーム・トゥ・リード リージョナルボードメンバー)が企画。支援者への感謝を伝えるとともに、ルーム・トゥ・リードの活動をより深く知ってもらうことを目的として行われました。(*東京マラソンを通じて一定額以上を対象の寄付先団体へ寄付し、チャリティ活動の素晴らしさを発信するランナー)
This event was planned by Hiroko Omote, who will participate as a charity runner in the Tokyo Marathon 2025, and Ben Ferguson, who participated as a Room to Read charity runner in the Tokyo Legacy Half Marathon 2022 (Co-Head of PIMCO Japan Limited and Head of PIMCO Japan Client and Business Management, and Regional Board Member of Room to Read). The event aimed to express gratitude to supporters and deepen understanding of Room to Read’s activities.
(*Charity runners commit to donating a specified amount to their chosen charity through the Tokyo Marathon, promoting the importance of charitable efforts.)


チャリティランナーより寄付の報告
~走ることで団体の認知度をあげる、チャリティランに共感~
A Report from the Charity Runner
~Increasing Awareness Through Running: Embracing the Charity Run Mission~

表寛子さんは、マラソン歴20年を誇るベテランランナー。東京マラソンの走行歴もありますが、チャリティランナ―としての参加は初めてだったそうです。
Hiroko Omote, a veteran runner with 20 years of experience, has participated in the Tokyo Marathon before, but this was her first time as a charity runner.

「今回、ルーム・トゥ・リードが、東京マラソンのチャリティ団体の一つであると知り、応募を決めました。」
“When I learned that Room to Read was one of the Tokyo Marathon charity organizations, I immediately decided to apply!”

表さんにとって、社内はもちろん、自分が「ファンドレイザー」として寄付を呼びかけるのは初めての経験でしたが、表さんの決意は固いものでした。
This was Hiroko’s first time calling for donations as a “fundraiser,” not only within her company but also among her personal network. Nevertheless, she remained determined.

走ることでNPOの認知度を上げる”チャリティラン”に共感して、チャレンジしてみようと、決意しました!」。
“I was inspired by the idea of raising awareness for an NPO through running. I decided to take on the challenge!”

さっそく、激務の合間を縫い、社内で寄付呼びかけやルーム・トゥ・リードの活動資料を共有するなどのファンドレイジング活動を開始した表さん。なんと2か月足らずで、低所得コミュニティで暮らす子ども達300人以上の教育に相当する寄付が集まりました!
Despite her busy schedule, Hiroko quickly began fundraising efforts by sharing materials about Room to Read and soliciting donations within the company. In less than two months, she raised enough funds to provide education for over 300 children in low-income communities!

「皆さんのご寄付と企業マッチング*のおかげで、チャリティ―ランナーに必要な最低寄付金額を大幅に上回るご寄付につながりました。本当にありがとうございます!」
“Thanks to everyone’s donations and the company’s matching program*, we greatly exceeded the minimum donation requirement for charity runners. Thank you so much!”
*企業マッチング … 従業員の寄付に対し、同額を雇用主側がマッチングして寄付する仕組み。
*Company matching refers to a system where the employer matches the amount donated by employees.


さらにPIMCOの社内CSRプログラムにおいて、表さんのファンドレイズ支援の一環として多くの社員がルーム・トゥ・リードを支援団体に選び、ルーム・トゥ・リードはPIMCO基金の「Employee Choice Awards」(最も多くの社員が選んだ支援先団体賞)を受賞。これにより追加の支援を得ることができ、300人以上の子ども達の教育を支える寄付につながりました。

As part of PIMCO’s CSR initiatives, many employees selected Room to Read as their preferred organization, further strengthening support. As a result, the PIMCO Foundation awarded Room to Read the “Employee Choice Awards” for being the most selected organization by staff, resulting in additional significant contributions that support education for over 300 children.

ルーム・トゥ・リードの活動紹介
~世界の7人に1人が文字が読めず、その3分の2が女性や少女達~
Introducing Room to Read’s Mission
~1 in 7 People Worldwide Cannot Read, and Two-Thirds of Them Are Women and Girls~

ランチ&ラーンでは、ルーム・トゥ・リード・ジャパン事務局長の松丸佳穂が登壇。低所得コミュニティの現状や、識字教育および女子教育プログラムの概要を紹介しました。
At the Lunch & Learn session, Kaho Matsumaru, Director of Room to Read Japan, presented the realities of low-income communities and provided an overview of literacy and girls’ education programs.

さらに、支援を受けて未来を切り開いた少女を描いた映像作品「少女達が未来を変えていく」より、スリランカの少女デュミニの物語が上映されました。いつものランチタイムが、支援のカタチを実感する、学びの時間へと変わりました。
The event also featured the screening of “She Creates Change”, a video highlighting the story of Dumini, a girl from Sri Lanka whose life was transformed through education. What is typically an ordinary lunchtime became a meaningful session of learning and understanding.

『私は自分が育てたもので家族や村を養いたいです』 – デュミニ(スリランカ)。画像クリックで関連記事へ遷移します。”I want to support my family and village with what I grow.” – Dumini (Sri Lanka).

活動への想い (正直 知哉氏)
ビジネスに通じる寄付の考え方や効率性が継続支援に
Supporting the Cause: A Message from Tomoya Masanao
The concept of donations aligned with business principles and efficiency leads to sustained support.


最後に、ピムコジャパンリミテッドの共同代表者 兼アジア太平洋共同運用統括責任者であり、ルーム・トゥ・リードのグローバルボードメンバーおよびリージョナルボードチェアも務める正直知哉氏が、個人的にも支援を続ける理由を語りました。
Tomoya Masanao, Co-Head of PIMCO Asia-Pacific Portfolio Management and PIMCO Japan Limited, and a Global Board Member and Regional Board Chair of Room to Read, shared his reasons for supporting the organization.

正直夫妻がルーム・トゥ・リードと出会ったのは2017年のチャリティ・ガライベントでした。当時、次世代への教育支援の方法について考えを深めていたなか、ルーム・トゥ・リードの「子どもの教育が世界を変える」というビジョンと、寄付への考え方や運営の効率性にビジネスパーソンとしても深く共感できたことを共有してくれました。

Tomoya and his wife first encountered Room to Read at a 2017 charity gala. Inspired by the vision of “World Change Start with Educated Children” and the efficient, impactful approach to donations, they became dedicated supporters.

「ルーム・トゥ・リードでは、寄付を『投資』と表現します。ルーム・トゥ・リードは子どもの教育、未来に投資します。どれだけの子ども達に教育を提供できたか、そしてその結果生まれる変化がそのリターンです。ルーム・トゥ・リードは、投資の結果である変化を、透明性高くタイムリーに報告します。ビジネスパーソンとして、子どもと未来への投資という考えと、それに対する透明性の高い報告に強く共感でき、支援の継続につながっています。

“Room to Read views donations as ‘investments.’ For Room to Read, it refers to investing in children’s education and the future. The returns are measured by the number of children educated and the transformative outcomes achieved. The organization reports these outcomes with exceptional transparency, which resonates deeply with me as a business person.”

教育支援は長期的な活動が必要不可欠
Educational support requires long-term commitment.

次に正直氏は、教育支援は短期的な災害救援とは異なり、長期的な資金提供が必要であることを強調しました。ルーム・トゥ・リードが政府を巻き込み、支援地域の組織と協働して活動する持続可能な運営モデルに焦点を当て、教育分野における継続的な支援は、長期的な活動に必要不可欠であると述べました。
Tomoya also highlighted that education support, unlike short-term disaster relief, requires sustained funding. Room to Read’s sustainable operational model, involving governments and local organizations in supported regions, ensures the longevity and impact of their initiatives.

寄付の効果を最大化
Maximizing the Impact of Donations

最後に正直氏はビジネスにとっても、寄付者にとっても重要な指標といえる「運営の効率性」と「スケーラビリティ」(支援プログラムの拡大性)の2つの指針に焦点をあてました。
Lastly, Tomoya focused on two key indicators important for both businesses and donors: operational efficiency and scalability.

「ルーム・トゥ・リードに100円を寄付すると、86円が支援地域の教育に充てられます。日本における運営は、今日ここにいる職員2名で行っています。この、高い効率性の一方で、 2000年の創設以来、ルーム・トゥ・リードは4,500万人の子ども達にリーチし、支援を受けた子どもの数は年率20%のペースで増加しています。この成長率とルーム・トゥ・リードのスケーラビリティへのコミットメントは、影響力を拡大し続ける団体の特長です。」
Every 1 dollar donated to Room to Read is allocated with 86 cents directly funding educational initiatives in the communities we serve. In Japan, the organization operates efficiently with just two staff members present here today. Alongside this high level of operational efficiency, since its founding in 2000, Room to Read has reached 45 million children worldwide. The number of children supported has grown at an average annual rate of 20%. This remarkable growth, combined with Room to Read’s strong commitment to scalability, is a hallmark of the organization, enabling it to continuously expand its impact.”


フルマラソンを通した挑戦、たくさんの社員の応援、そして投資家としてルーム・トゥ・リードを支援先に選んでくださった皆様へ心より感謝をお送りします!
A heartfelt thank you to everyone who chose to support Room to Read as an investor, to all the employees cheering us on, and to those embracing the challenge of a full marathon!

(左から)徳松愛、正直知哉さん、表寛子さん、ベン・ファーガソンさん、松丸佳穂 (From left to right) Ai Tokumatsu, Tomoya Masanao, Hiroko Omote, Ben Ferguson, Kaho Matsumaru

■お問い合わせ
東京マラソンチャリティへのご参加、ボランティアのご希望、ランチ&ラーンのご要望はメールにてお気軽にお問い合わせください。
For participation in the Tokyo Marathon Charity, volunteer requests, or Lunch & Learn inquiries, please feel free to contact us via email.

認定NPO法人ルーム・トゥ・リード・ジャパン
e-mail: japan@roomtoread.org

 ■参考情報
【予告・東京マラソン2024】2024年3月3日、世界25か国から150名のチャリティランナーが集結します!
Reference: 
March 2, 2025 – 164 Charity Runners Will Gather from 21 Countries!

ムーミンのチャリティーマグネットバッジを通して、子ども達の教育を支援しませんか?

©Moomin Characters TM

松屋銀座様は毎年、フィンランドの人気キャラクター「ムーミン」のチャリティピンバッジを通してルーム・トゥ・リードの活動に対してあたたかいご支援をいただいています。

今年は、松屋の地域共創プロジェクトで連携する<能作>と「ムーミン」とのトリプルコラボレーションが実現しました!

富山県高岡市で100年以上にわたり伝統と革新を両立しながらものづくりを追求してきた<能作>と、2025年に小説出版80周年を迎える「ムーミン」の世界観が融合した特別なアイテムです。

マグネットとしても使用可能な便利な仕様で、服やバッグに装着したり、日常使いにも幅広く活用いただけます。

販売による収益はすべて、ルーム・トゥ・リード・ジャパンに寄付され、低所得コミュニティに住む子ども達の教育支援に活かされます。ぜひ松屋銀座に足をお運びいただき、素敵なチャリティマグネットバッジを通して活動にご参加ください。


【ムーミン チャリティーマグネットバッジ】

  • 価格:各1,000円(税込)
  • 期間:2024年12月~2025年1月31日(金)※なくなり次第終了
  • 場所
    • 松屋銀座 7階 デザインコレクション、テーブルジョイ、京橋側エスカレーター前
    • 松屋浅草 1階 カードセンター
    • 銀座インズ1 1階 ムーミンショップ ギンザ

オンライン販売
松屋オンラインストアにて数量限定で2種セット販売中!
オンラインストアはこちら


松屋銀座様とルーム・トゥ・リードの長年のパートナーシップ

写真:松屋銀座、松屋友の会の皆様。ルーム・トゥ・リード・カンボジア カントリーディレクターのバンタ・チア(中央)とともに。

松屋銀座様からは、2009年に初めてご支援をいただいて以来、累計3,000人以上の子ども達に教育の機会を届けるご寄付をいただいております。特に毎年のクリスマスシーズンには、ムーミンのチャリティピンバッジを通じて、そして、「松屋友の会」のポイント寄付を通じて多くのお客様から温かいご支援をいただいております。2024年からは「松屋友の会」会報誌において、ルーム・トゥ・リードのサポートを受けて成長した子ども達の物語が毎月掲載されるようになりました。このような継続的なご支援と共に、多くのお客様のあたたかい応援に心より感謝申し上げます。


世界中の子どもたちに「教育」という一生の贈り物を届けませんか?
世界中の企業がビジネス目標を達成しながら、ルーム・トゥ・リードのミッションを支援しています。

企業パートナーシップについて:
https://japan.roomtoread.org/partner-with-us/

企業CSR・コーズマーケティング・ご支援に関するお問合せ:
 japan@roomtoread.org