「教育で、人生は変わる」日本で働くルンニーの今(ラオス女子教育プログラム卒業生)


ラオスの少女が、日本で働くまで。

3月の国際女性月間も、残すところわずかとなりました。スワロフスキー財団の協力とともに開催中の「Facets of Change」キャンペーンに対し、世界中からあたたかいご支援をお寄せいただき、心より御礼申し上げます。

今回、ラオス女子教育プログラム卒業生で、現在日本で働くルンニーさんからメッセージが届きました。教育によって切り拓かれた、彼女の「今」をぜひお読みください。



▲工場長と技能実習生たちとともに。ルンニーさん(左から3番目)は、実習生と現場をつなぐ欠かせない存在。

はじめまして。ラオス女子教育プログラム卒業生のルンニーと申します。
たまご&カンパニー株式会社の仙台営業所で、通訳として働き1年になります。技能実習生の仕事や生活のサポート、工場での通訳などに携わり、上司や同僚に恵まれる中で、人間関係の大切さや「報連相」の重要性を学んでいます。

女子教育プログラムで身につけた「自分で考え行動する力」は、実習生と現場の間に立ち、双方の立場を理解しながら円滑なコミュニケーションを図る場面で大いに役立っています。休日も大切な学びの時間です。5月には、私が日本語を学ぶきっかけとなった野口英世先生の博物館(福島)を訪れる予定で、とても楽しみです。

私は、4人兄弟の末っ子として生まれました。兄弟は疾患をもち、母は読み書きができませんでした。生活は過酷でしたが、母の教育への理解とルーム・トゥ・リードの支援により、高校卒業後はラオス国立大学で日本語を学び、現在は日本で働いています。


▲朝礼で業務の流れを説明するルンニーさん。

私にとって教育とは、新しい人生やチャンスを切り拓くものです。人は生まれる場所を選べませんが、教育によって自分の夢を選ぶことができると信じています。

日本で働くことへの感謝の気持ちとして、ささやかではありますが、国際女性月間にあたり、自分の意思で5,000円を寄付いたします。世界中の少女たちが学び続けられるよう、皆様にもご支援いただけましたら幸いです

最後に、国際女性月間にあたり、世界の女の子たちと皆様に伝えたいことがあります。それは、 「男性ができることは女性もできる」ということです。自信を持って、自分がやりたいことや興味のあることに挑戦してください。

私は今後、日本語能力試験N1に挑戦します。将来は大学院へ進学し、日本とラオスの架け橋となる専門性を身につけたいと考えています。
これまで教育を通して私の人生に寄り添ってくださったすべての皆様に、心より感謝申し上げます。

ルンニー・スリチャン


これまでに、累計410万人の少女を支援。


▲ラオス国立大学の日本語学科の生徒とともに。左端にルンニーさん。

ルンニーさんが経験した変化は、特別な才能によるものではありません。
教育の機会があったからこそ、生まれた未来です。
3月の国際女性月間、スワロフスキー財団のご協力のもと、世界中の少女600人に、中等教育1年分を届けることを目指します。

・1,000円で、思春期の少女の勇気を後押しする書籍が1冊届きます。
・35,000円で、少女1人が女子教育プログラムに1年間参加できます。

今月、あなたの一歩が、次の少女の未来を変えます。


✨キャンペーン概要
期間:2026年3月2日~31日
支援対象:女子教育プログラム
目標:世界中の少女600人の教育資金1年分(約2,200万円)
ご寄付:こちらからお寄せください(各種カード、PayPay、銀行振込等)
キャンペーン詳細はこちら

✨スワロフスキー財団について
宝飾ブランドとして世界的に知られるSwarovski(スワロフスキー)その慈善部門であるスワロフスキー財団は、2015年からルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムを通じて、2,200人以上の少女たちに教育の機会を広げてきました。この3月、スワロフスキー財団とともに、あなたのご寄付が少女たちの未来をさらに明るく輝かせます。


◆関連情報
私にとって教育とは、「新しい人生」です。ルンニーの物語
女の子が学校に行くとき、誰が家族の世話をするの?
なぜ女子教育が気候変動への適応力強化の鍵となるのか

▲ラオス国立大学卒業式。右端にルンニーさん。同国での女子の大学進学率は1割にとどまる。


編集後記:下の写真は、今回取り上げたルンニーさんの本棚です。「寂しい時や疲れた時に、リラックスできます。読書は素晴らしいですね」と、メッセージとともに送ってくれました。ルンニーさんの人生は、活動をサポートする世界中の支援者とともに歩む道のりでもあります。今月は国際女性月間です。世界中の少女たちへ、宝石のように輝く未来を届けたいと思っています。皆様のご参加を心よりお待ちしております

 


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オフィスが社員コミュニティフェアに!Best of Bloomberg Day 2026に参加しました │From Office to an employee community fair: Bloomberg Day 2026


2026年2月18日 │ Feb. 18, 2026

ルーム・トゥ・リード・ジャパンは、ブルームバーグ東京オフィスにて開催された「Best of Bloomberg Day 2026」に参加しました。本イベントは、ブルームバーグ社員の皆さまが社会課題への取り組みに触れることができるチャリティイベントで、当日はおよそ200名の皆さまがご来場くださいました。

Room to Read Japan participated in Best of Bloomberg Day 2026, held at Bloomberg’s Tokyo office. This charity event provided Bloomberg employees with the opportunity to engage with organizations addressing social challenges, and close to 200 attendees joined us on the day.

会場となったブルームバーグ東京オフィスには、教育、環境保護、動物愛護、人権など、さまざまな分野で活動するNPOが一堂に集まり、オフィス全体が社員コミュニティをより強める温かな雰囲気に包まれました。

Bringing together NGOs working across a variety of fields, including education, environmental protection, animal welfare, and human rights, the entire office was filled with a warm atmosphere that further strengthened the sense of community among employees.

ルーム・トゥ・リード・ジャパンのブースでは、私たちの取り組みや児童書を実際に手に取っていただきながら、識字教育や女子教育の重要性について直接お伝えすることができました。来場された社員や関係者の皆さまとの対話を通じて、教育がもたらすインパクトへの関心の高さを改めて実感する機会となりました。

At the Room to Read Japan booth, we had the opportunity to introduce our initiatives and showcase our children’s books, while directly sharing the importance of literacy and girls’ education. Through conversations with employees and other attendees, we were reminded of the strong interest in the impact that education can have.

当日は、ブルームバーグが大切にしている好奇心・協力・社会的インパクトに根ざした文化を共に祝う場ともなり、多くの社員の皆さんとのつながりや、コミュニティの力を感じる一日となりました。

The event also celebrated the culture that Bloomberg values — one grounded in curiosity, collaboration, and collective impact. It was a day that allowed us to connect with many employees and experience the power of community firsthand.

ブルームバーグとルーム・トゥ・リードは、グローバルに長年にわたり教育支援を通じたパートナーシップを築いています。日頃よりボランティアやご寄付など、さまざまな形であたたかいご支援をお寄せいただいている皆さまに、心より感謝申し上げます。

Room to Read and Bloomberg have built a long-standing global partnership through education initiatives. We are deeply grateful to everyone who continues to support our work through volunteering, donations, and other generous contributions.


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本のページに漂う、茶葉の香り〜ベトナムの少年キエン


キエン君の家は、タイグエン省の曲がりくねった茶畑の丘の合間にひっそりと佇んでいます。茶摘みをするお母さんや親戚たちの丸まった背中や菅笠(ノンラー)が並ぶ中、ひときわ背の高い少年が、手際よく茶摘みを手伝っています。彼はその後、勉強や地元の子どもたちとのコミュニティ活動に忙しく立ち回ります。

キエン君は、ホアンノン小学校時代からルーム・トゥ・リードの識字教育プログラムに参加していた元生徒です。現在、高校3年生になった彼は、国語が得意で、コミュニケーション能力が高く、活動的で、先生や近所の人々からも非常に愛される青年に成長しました。
そんなキエン君に、これまでの歩みについて少し話を聞いてみましょう。

🌼 キエン君、こんにちは。Room to Readの図書室に関わってから7年経ちますが、今でも印象に残っていることはありますか?

▷ 小学生の頃の図書室の印象は、色が鮮やかで、たくさんの種類の本がある場所というものでした。暇さえあれば図書室へ行き、本を読んだり、年下の子たちの読書をサポートしたりしていました(キエン君は当時「図書室運営委員会」のメンバーでした)。今でも読書は大好きで、特に紙の本が好きです。最近は同年代の友人の多くが電子書籍を利用しているので、私も紙の本と電子書籍を併せて読んでいます。

🌼 小学4年生の時に、年間100冊の本を読んで「読書スター賞」を受賞したそうですね。当時読んだ本の中で、今でも覚えているものはありますか?

▷ 『ベトナム民話100選』という本が大好きでした。その中でも特に「タムとカム(ベトナム版シンデレラ)」が好きです。当時はただの単純な昔話だと思っていましたが、大人になるにつれ、とても深い物語だと感じるようになりました。封建時代の女性の境遇や運命が凝縮されているからです。才能も美貌も兼ね備えているのに、生活は苦しく波乱万丈です。男子である自分がこうした物語を読むことで、女性の身の上や、家庭・社会の中で彼女たちが耐えなければならなかった目に見えない縛りについて、より深く理解することができました。

🌼 今、学校で一番好きな科目を教えてください。

▷ 文学(国語)が一番好きで、成績も一番良いです。一番の理由は、小さい頃から本をたくさん読んできたので、言葉選びに苦労しないことだと思います。また、先生方が文章の書き方や、より完成度の高い表現方法などを熱心に指導してくださったおかげでもあります。 それから、学校では行事の司会(MC)もよく担当しています。先生方に選んでいただけるのはとても光栄で幸せなことです。読書のおかげで、より美しく、感動を呼び、言葉が重複しない言い回しを学べました。また、文字を追うスピードが速くなったので、本番前の練習もそれほど時間がかかりません。

🌼 将来の夢は何ですか?

▷ 中学生の頃は、地元に本屋さんを開くのが夢でした。今は少し成長して、教師という職業が自分に向いていると思っています。以前、ある動画を見たんです。都会から山岳地帯へ文字を教えに行った女性教師の動画でした。普通、先生は子どもに教えるものですが、その先生は中年や高齢の方々に教えることを選んだのです。先生が黒板に文字を書くと、生徒である大人たちは熱心に耳を傾け、多くの人が仕事を置いてまで、子どもの頃に触れることができなかった文字や数字を学びにきていました。その光景に大きな感銘を受け、私の学習の糧になりました。今は教育大学への入学を目指して頑張っています。自分が学んだ文字や知識を、すべての人に伝えられるようになりたいです。

キエン君との対話は、それほど長くはありませんでした。というのも、彼が家にいられる時間は限られているからです。平日は街の寮に滞在して勉強し、週末だけ家に戻って、お母さんの家事や茶摘みを助けています。かつては、人里離れた小さな家でお母さんと二人きりで過ごしていた、小さくて内気な男の子でした。今や彼は、お母さんへの優しい愛情をそのままに、週末の帰省のたびにリュックにたくさんの本を詰め込んで帰ってくる、背の高い立派な青年になりました。

私たちプログラム運営者にとって、かつての子どもたちに再会し、本への愛や読書の習慣が途切れることなく、より深く、より広く、彼らの学びや日常生活の中に息づいているのを目にすることほど幸せなことはありません。

📚 Room to Read Vietnamの歩み(2025年末時点)
• 設置された図書室: 4,480校(小学校)
• 出版された絵本: 261タイトル
• 配布された児童書: 4,972,676冊
• 平均読書数: プロジェクト対象校の児童1人あたり年間14.6冊(2024年データ)


原文:
Room to Read VietnamのFacebook記事(ベトナム語)
2026/1/20
本のページに漂う、茶葉の香り THƠM NGÁT HƯƠNG CHÈ BÊN TRANG SÁCH MỞ

(Geminiで翻訳後、修正)

「知る」から「体験する」へ :ASIJ小学3年生との体験型ワークショップ │From Learning to Experiencing: A Hands-on Workshop with ASIJ Grade 3


(English follows after Japanese)

2026年3月18日
アメリカンスクール・イン・ジャパン(ASIJ)にて、小学3年生(Grade 3)を対象としたセッションを実施しました。本セッションは、ASIJのChildren’s Rights(子どもの権利)ユニットの一環として行われ、今回で3回目の実施となります。

今年は、情報を「知る」だけでなく、体験を通じて理解することを大切にしたプログラム構成としました。

「読めない」を体験する ― デコーディング・エクササイズ


セッションの冒頭では、子どもたちが「読むことができない状態」を疑似体験するデコーディング・エクササイズを行いました。文字の形や音のヒントを頼りに、意味の分からないテキストを少しずつ解読していく活動です。

最初は戸惑いながらも、少しずつ手がかりを見つけ、「分かった!」という瞬間を迎える子どもたち。
この体験を通じて、読むことの難しさだけでなく、理解できたときの喜びや達成感を実感していました。

「読めるってすごいことなんだ」
「もし読めなかったら、勉強はとても大変だと思う」

といった声が聞かれ、識字が学びだけでなく日常生活や将来の可能性にも大きな影響を与えるものであることが伝わってきました。こうした気づきを通じて、識字が決して当たり前ではなく、学びの基盤であることへの理解が自然と深まっていきました。


世界の教育格差と、学び続ける少女の物語

続いて、世界に広がる教育格差の現状と、それに対するルーム・トゥ・リードの取り組みを紹介しました。その後、映像作品『少女たちが未来を変えていく(She Creates Change)』より、スリランカの少女・デュミニの実話を上映しました。

干ばつに苦しむスリランカの農村で育ったデュミニは、家族を支えるために学校を離れ、都市で働くことを求められます。しかし彼女は学び続ける道を選び、家庭菜園の技術を独学で身につけました。その努力はやがて家族の収入を支えるまでになり、現在では地域の農家が気候変動に適応し、自立していくことを支援する存在となっています。

女子教育プログラムに参加するデュミニ(写真中央)

「自分には何ができる?」を考えるきっかけに

上映後のディスカッションでは、教育、気候変動、環境問題、そして女の子の権利について、子どもたちから多くの意見が寄せられました。今回のセッションについて、担当教諭のTamera Davis氏からは、次のようなコメントをいただきました。

「今回の作品は、年々関心が高まっている気候変動や環境問題にも通じる物語でした。学校が取り組んでいる内容や、生徒の関心にもぴったりと合う内容でした。特に、デュミニが困難な状況の中でも自ら考え、行動し、家族や地域に変化をもたらしていく姿は、生徒たちにとって大きな刺激となったように感じます。単に物語を理解するだけでなく、『自分には何ができるのか』を考えるきっかけにもなりました。」

一人の選択や行動が、家族や地域、社会を変えていくことができる——そんな気づきを、子どもたちは自分ごととして受け止めている様子でした。

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ENGLISH


March 18, 2026

Room to Read conducted a session for Grade 3 students at the American School in Japan (ASIJ). This session was part of ASIJ’s Children’s Rights unit and marked our third year of collaboration.

This year, the program was designed to go beyond simply “learning about” issues, placing emphasis on understanding through experience.


Experiencing “Not Being Able to Read” — A Decoding Exercise

At the beginning of the session, students participated in a decoding exercise that simulated the experience of not being able to read. Using clues such as letter shapes and sounds, they worked step by step to decode unfamiliar text.

Although they were initially unsure, the students gradually began to recognize patterns and experienced moments of “I got it!”

Through this activity, they not only felt the challenge of reading, but also the joy and sense of achievement that comes with understanding.

Comments such as:
“Being able to read is amazing.
“If I couldn’t read, learning would be really hard.”
highlighted how deeply literacy impacts not only learning, but also everyday life and future opportunities. These reflections helped students naturally realize that literacy is not something to be taken for granted, but a fundamental foundation for learning.


Global Education Inequality and the Story of a Girl Who Chose to Learn

 

The session continued with an introduction to global education inequality and Room to Read’s work to address it. This was followed by a screening of She Creates Change, featuring the real-life story of Dewmini, a girl from Sri Lanka.

Growing up in a drought-affected rural community, Dewmini was expected to leave school and work in the city to support her family. Instead, she chose to continue her education and taught herself how to grow food through home gardening. Her efforts eventually helped support her family financially, and today, she is working toward helping local farmers adapt to climate change and become more self-reliant.


Inspiring Students to Ask, “What Can I Do?”

During the post-screening discussion, students shared many thoughts on education, climate change, environmental issues, and girls’ rights.

Tamera Davis, the Grade 3 teacher, shared the following reflection:

“This story strongly connected with themes such as climate change and environmental challenges, which are increasingly important today. It closely aligned with what we are learning at school and with our students’ interests. In particular, Dewmini’s ability to think independently and take action in the face of adversity made a strong impression on the students. It encouraged them not only to understand the story, but also to reflect on what they themselves can do.”

Through this experience, students began to see how the choices and actions of one individual can create change for families, communities, and beyond—and to consider these possibilities in their own lives.


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気候変動とジェンダー平等:なぜ女子教育が気候変動への適応力強化の鍵となるのか


リーマ・シュレスタ
ルーム・トゥ・リード
南アジア地域 ジェンダー平等プログラム責任者

 

極端な災害の影響は性別に中立ではありません。気候変動は歴史的に社会から取り残されたコミュニティに不均衡な悪影響を及ぼし、こうしたコミュニティは極端な気象現象に対して最も脆弱な立場にあるため、既存の不平等をさらに悪化させます。これは特に女性と少女に関して顕著です。

では、気候変動や災害に対して脆弱であるとは、具体的に何を意味するのでしょうか?国連気候変動枠組条約(UNFCCC)によると、脆弱性とは「気候変動(気候変動性や極端現象を含む)の悪影響に対して、システムが影響を受けやすい度合い、あるいは対処できない度合い」と定義されます。脆弱性は三つの要素、すなわちリスク割合、感応度、適応能力によって測定されます。

気候変動とジェンダー平等の交わりを検証するには、女性の視点が必要です。女性は歴史的に、農業、食料生産、土地や水などの自然資源を管理する際に中心的な役割を担ってきました。

土地との歴史的に密接な関係から、女性は農業、水資源保全、天然資源保護、廃棄物管理に自然由来の気候ソリューションを提供する貴重な生態学的知識を有しています。女性たちはまた、家族の世話の中心的存在となることが多く、地域社会において気候変動への適応力強化や災害対策を担う立場にあり、子どもや家族、高齢者の脆弱性を軽減する役割を果たしています。

したがって、気候変動による悪影響のリスクが高い地域に住む少女たちが、適応能力を高める知識と技能を身につけることが不可欠です。

気候変動のような複雑な地球規模の課題に取り組むことは容易ではありません。しかし教育は、気候変動による災害へのコミュニティの適応力を高める強力な手段です。気候変動の影響は少女や女性に特に深刻に及ぶ一方で、彼女たちが知識と技能を身につければ、地域社会における気候変動対策において重要な役割を果たすこともできます。

国連女性機関の「Women Countプログラム」は、人口動態健康調査(DHS)データと地理空間気候データを組み合わせることで、アジア数カ国における気候変動とジェンダー関連の成果との関連性を検証する研究を実施しました。

機械学習(ランダムフォレスト)とロジスティック回帰分析[1]を用いた結果、気温上昇、干ばつ、乾燥度、湖や海岸線への近さといった気候要因と、ジェンダーに関する負の結果との間に、強い関連性が認められました。これらの結果には、児童婚や思春期出産リスクの高まり、清潔な飲料水や調理用燃料へのアクセス不足が含まれました。特にバングラデシュ、ネパール、カンボジアなど児童婚がより蔓延している国々で、その影響は顕著でした。本研究は、気候変動が脆弱な立場にある人々に不均衡な影響を与え、特にジェンダー平等(目標5)、安全な水と衛生(目標6)、クリーンエネルギー(目標7)に関連する主要な持続可能な開発目標(SDGs)の達成を阻害する可能性があると指摘しています。

特にその慣行がより一般的な国々において、環境要因は早婚のリスクを理解する上で重要です。例えば、調査対象となった全ての国において、湖や海などの水辺近くに住むことは、児童婚のリスク上昇に関連する上位5要因の一つであることが判明しました。水は雇用や収入の向上に寄与する一方で、気候災害の悪化が懸念される地域では困難を増大させる可能性があり、多くの家族が増大する困難と経済的不安定に対処する手段として早婚を画策します。同様に、水辺や乾燥した地域での生活は、特にバングラデシュやネパールのような地域において、早期妊娠の可能性を高める要因となっています。

気候危機の現状への影響を認識し、ルーム・トゥ・リードは、思春期の少女およびあらゆる性別の子どもたちに対し、気候正義に焦点を当てた基礎的な生活スキルを育むことで、ジェンダー平等の推進への取り組みを深化させています。気候変動の科学と、気候変動とジェンダー平等の関係性を理解することで、少女たちは気候科学、再生可能エネルギー、グリーン技術、清潔な水と衛生設備、その他の気候変動対策におけるイノベーションを主導するスキルが身につきます。

だからこそ私たちは、ベトナムとネパールで2年間の「気候正義クラブ」カリキュラムを開始しました。私たちの教材とカリキュラムは、気候変動とジェンダー平等の交わり、女子教育とリーダーシップに焦点を当てており、ルーム・トゥ・リードが気候変動のジェンダーに基づく影響について訓練した教育者によって提供されます。クラブでは以下の問いに答えようとしています:

▪️気候変動とは何か?
▪️気候変動に影響を与える要因は何か?そして根本的な原因は何か?
▪️気候変動は私たちの世界にどのような形で現れているのか?そして、どのような行動が意味のある変化をもたらすのか?

セッションでは、青少年に対し気候変動の様々な要因について調査するよう求め、気候災害に最も脆弱な地域社会が、気候関連の課題解決に向けてどのような行動を取れるかを考察させます。

私たちの取り組みは成果を上げています。調査・モニタリング・評価チームによる最近の研究では、「気候正義クラブ」の参加者とその家族が、気候変動とジェンダー平等への認識を向上させていることが明らかになりました。クラブ参加後、少女たちは自らの行動に変化が見られ、気候変動の緩和策と適応策について情報に基づいた選択を行うようになったと述べています。彼女たちは廃棄物とリサイクルへの新たな取り組み、生態系への関心の高まり(特に植樹)、プラスチック消費削減への関心の高まりを共有しました。また、気候変動やジェンダー平等について家族や地域社会で主導的に議論している様子も語られ、意思決定への自信と能力の向上を反映していました。

気候正義クラブ」の参加者は、学んだことを実践に移しています。家庭や地域社会で省エネに取り組むことから、持続可能な廃棄物管理を推進することまで、様々な活動を行っています。

ネパールのバンケ県出身の参加者カルパナは、昨年の世界気候行動デーで植樹し、今では家族と共にその木を育てていると述べました。彼女は森林破壊が地球温暖化の主な原因の一つであることを理解し、地域社会の森林の健全性に貢献したいと考えています。

少女教育プログラムの別の参加者であるコマルは次のように語りました。『家庭ではプラスチック製品を再利用し、使い捨てプラスチックの使用を最小限に抑えることで、より環境に配慮した取り組みを実践しています。ルーム・トゥ・リードの気候変動に焦点を当てたライフスキル講座は、私の習慣を変え、持続可能な生活に対する責任感を育む上で重要な役割を果たしました』

気候変動とジェンダー不平等、そして教育の交わりは、差し迫った課題であると同時に、重要な機会でもあります。気候変動は少女や女性、特に歴史的に低所得で社会から取り残され脆弱な立場にあるコミュニティの女性たちに不均衡な影響を与える一方で、教育を通じて少女たちが有意義で持続的な変化を推進できるのです。「気候正義クラブ」のプログラムは、少女たちに知識とリーダーシップスキルを効果的に身につけさせる方法を示しています。これにより、気候危機への適応力と対応力を強化するだけでなく、家族や地域社会における前向きな行動を促すことも可能となります。気候変動対策において少女を中心に据えることで、私たちはジェンダーに基づく脆弱性に対処し、より公正で公平かつ持続可能な世界を築く準備が整った、知識豊富で自信に満ちた次世代のリーダーを育成しています。

[1]ロジスティック回帰は、性別、居住地、所得などの要因に基づいて、何かが起こる確率(例えば、ある人が気候変動の影響を受けるかどうか)を予測するシンプルな統計手法であり、各要因が結果にどのように影響するかを明確に示す。一方、ランダムフォレストは、多数のディシジョンツリーを用いて大規模データ内の複雑なパターンを発見し、より正確な予測を行う機械学習手法である。ただし、個々の決定がどのように下されるかを説明するのは困難である。


原文URL:
https://www.roomtoread.org/the-latest/climate-change-and-gender-equality/

翻訳:竹内 裕人


3月の国際女性月間では、様々な少女の物語を通して、ルーム・トゥ・リードが届ける女子教育を紹介します。
そしてこの3月、スワロフスキー財団のご協力とともに、世界中の少女たち600人の教育支援を目指します。
少女の未来を明るく照らす活動に、ご参加ください。