ルーム・トゥ・リードを継続的に支援してくださっている学生団体 STUDY FOR TWO のメンバーが、この夏スリランカの小学校を訪問し、現地の様子を報告してくれました!
STUDY FOR TWOは、大学生が使い終えた教科書を回収・再販売し、その収益でアジア・アフリカの子どもたちの教育を支援する団体です。コロナ禍を経て数年ぶりのスタディーツアーでは、授業の見学や子どもたちとの交流を通して、教育支援の意義を改めて学ぶ機会となりました。
STUDY FOR TWOから届いた『スリランカスタディツアー訪問記』を、原文のまま掲載させていただきます。
スリランカスタディツアー訪問記
NPO法人 STUDY FOR TWO
参加メンバー 一同
2025年8月24日(日)~26日(火)の日程で、私たち NPO法人 STUDY FOR TWOのメンバー5名は、ルーム・トゥ・リード様が支援プログラムを行っているスリランカの現地小学校を訪問させていただきました。この訪問記は、メンバー自身が今回のスタディツアーで感じ、学んだことをまとめたものになります。現地でのメンバーの学び、活動の様子を感じていただけますと幸いです。
私たちが訪れた学校は、スリランカ中心部の都市キャンディから車で1時間ほど山道を進んだ先にありました。学校への道のりは、空港からコロンボへ向かう高速道路とは対照的に、揺れながら進む道のりで車酔いをしたのが思い出です。到着すると、子どもたちと先生方が伝統的な挨拶とダンスで温かく迎え入れてくれました。
1-2年生の授業見学
1年生のシンハラ語の授業では、音から文字を学んでいました。先生はまず、子どもたちに音を聞かせてリピートさせます。次に、絵の描かれたカードを使い、特定の音が聞こえたらその音を使う絵の描かれたカードを手に取るというゲーム感覚の授業を行っていました。最終的にルーム・トゥ・リードが出版した書き取りノートで文字を書き順通りに書く練習へと進んでいました。授業の雰囲気は、活気に満ちている印象を受けました。先生は絶えず子どもたちに問いかけ、子どもたちはその問いに答えようと、勢いよく手を挙げていたのが印象に残っています。
図書室見学
この図書室には現在1,664冊の本が所蔵されており、子どもたちが常に新しい本と出会えるよう、定期的に蔵書を入れ替える仕組みが整えられています。
図書室に入った第一印象は、教室と同様にカラフルな壁や本棚でした。図書室に入る前には手を洗い、靴を脱ぐというルールがあり、子どもたちが本を大切に扱っていることが伝わってきました。本の貸し出しや管理は図書室の先生と図書委員の保護者が行っていました。3〜4ヶ月に一度、図書委員の保護者が集まり、本の管理方法や今後の計画について話し合いを行っているとのことでした。これにより、図書室が持続的に運営されていることを知りました。
読み聞かせの授業見学
図書室では、読み聞かせの様子を見学しました。読み聞かせの後には、物語についてディスカッションをするなど、本を通じて子どもたちの創造力を育む教育が印象に残りました。
図書室の見学のあとは、屋外でアクティビティを行いました。私たちは、子どもたちと一緒にドラえもん音頭を踊りました。その後、スリランカの伝統的な昼食をいただき、大変楽しい時間を過ごさせていただきました。
保護者との意見交換
スタディーツアーの中でも、子どもたちの保護者の方々との意見交換をした時間が特に印象に残っています。ルーム・トゥ・リードの支援がもたらす価値と、現地の人々が直面する困難の両方を知ることができました。ある保護者は、「本が、子どもたちと過ごす時間を増やしてくれる。」と語ってくれました。子どもたちは、放課後、図書室で借りてきた本を読み、家族と語ります。物語の続きを想像し、絵に描いてみる課題もあるとのことで、一冊の本が、家族との時間を生むという事実は、識字教育がもつ可能性を感じさせられました。 一方で、子育てにおける最大の関心を尋ねた際、返ってきたのは予想外の答えでした。それは「移動」です。この地域の子どもたちの中には、小学校に通うために、片道3km以上の未舗装の坂道を歩いている子もいます。保護者にとって、この通学の困難が、子どもを学校に通わせる上での心配事であるようでした。
STUDY FOR TWO 学生代表 津田より
私たちは普段日本国内で活動を行っており、実際の教育支援の場を目にする機会はありません。今回、実際の支援の現場を知ることができ、文字や写真で知るよりもはるかに学びのある時間を過ごすことができました。そして、想像していたよりも活動は地道で現地の方に寄り添っていたものだということが実感でき、1年、2年という短期的な時間軸ではなく長期的に活動ができるよう日本国内から微力ながら継続してサポートさせていただきたいと思います。
スタディツアー参加メンバーより
心に残ったのは、保護者の方から伺った「本が子どもと過ごす時間を増やしてくれる」という言葉です。これは、本が教育の機会だけでなく、親子の絆を深めるきっかけにもなっているということです。日本では、デジタルデバイスが親子のコミュニケーションを減らしているのかもしれない。ということに気が付き、支援する側の私たちが学ぶことも多いのかも?と考えるきっかけになりました。(C.K.)
子どもたちの様子を見ていると、日本の無邪気な子どもたちと何も変わらないように思いました。ただ生まれた環境が異なるだけ。ルーム・トゥ・リードさんの支援で楽しく学んでいる子どもたちを見てきました。図書館で本を読むことを楽しみに学校に来る子も多くいるそうです。(T.N.)
今回のスタツアでは、学校図書館を実際に自分の目で見ることができたのが、特に印象に残っています。日本との違いを感じられたことに加え、現地の方から直接お話を伺うことができ、とても学びの多い時間となりました。学校や学校図書館は、観光では訪問が難しい場所でもあるため、とても貴重な経験となりました。(M.S.)
今回のスタツアでは、現地の小学校での支援の様子を実際に見ることができました。楽しそうに授業を受ける子どもたちの姿が印象的でした。(K.O.)
日本での活動は、直接子どもたちとの交流も無く、寄付を募る活動が中心となってしまい、その寄付がどう活用され、どう子どもたちの未来を輝かせる支援となっているかの実感が乏しいのが現実かと思います。
ルーム・トゥ・リードとしても、これからも、支援して頂いている子どもたちの様子をお伝えすべく努めて参ります。
🔗STUDY FOR TWOの活動の詳細はこちらをご覧ください。
ルーム・トゥ・リードより、感謝を込めて:
STUDY FOR TWO様からは、毎年の教科書販売を通したご寄付に加え、今年はクラウドファンディングを通じて、50名分の子ども1年間の識字教育に相当するご支援をお預かりしました。日本中の大学生の熱意、そしてその想いを支えてくださる皆さまのお力添えに、心より感謝申し上げます。
たくさんの企業や団体、学校がルーム・トゥ・リードの活動を様々なかたちでサポートしています。お問合せやご質問は下記までお寄せ下さい:
ルーム・トゥ・リード・ジャパン事務局
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