デュミニの物語〜気候変動のチャンピオン
少女達が未来を変えていく(She Creates Change)
スリランカの農業地帯は干ばつに見舞われ、経済も低迷していました。食料は乏しく、デュミニの家族は安定した収入を維持するのに苦労していました。
家族を養うために学校を中退し都会で家政婦として働く代わりに、デュミニはルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムで学んだことを生かし、干ばつの中で家庭菜園をする方法を独学で学びました。彼女は家族の未来を変え、今では地元の農家が気候変動に適応できるよう支援する計画を立てています。
デュミニ:意思決定についての物語
デュミニは、気候変動による干ばつが農地と家計に大打撃をもたらす、スリランカの低所得層が暮らす地域に生まれました。デュミニが中学校に入学したとき、飲む水も食べるものもないことがよくありました。空腹がひどく、学校で気を失う日があるほどでした。デュミニの父親は、デュミニが都会へ引っ越し、裕福な家庭で家政婦として暮らすことが必要だと考えました。
「私が行きたいかどうかは、だれも聞いてはくれませんでした。」と、デュミニは振り返ります。「私は教育を受けたかったし、家族と一緒に村にいたかった。人生で一番つらい時だった」。
ある日、学校から帰ってきたデュミニは、道端にしおれたマリーゴールドを見つけました。彼女は水筒の最後の一滴をその花にかけました。その翌日、彼女はその花が元気を取り戻し、道端にまっすぐ立っているのを見ました。
デュミニはこの出来事に元気をもらい、家族が都会での家政婦の仕事への計画を続けるなか、農業の勉強と家庭菜園づくりに没頭しました。
「当時は、家庭菜園をやりたいと思っても、実際にどうすればいいのかわかりませんでした。」と、彼女は言いました。「私たちの地域では、農家でも栽培に苦労しています。気候変動のせいで、必要以上の雨が降ると植物が腐り始めます。水がなく、乾燥していても、植物が枯れてしまいます」。
デュミニは、その後数ヶ月間じっくりと時間をかけて乾燥地帯で作物を栽培するための技術を学び、苗を植えるために実家周辺の土壌を整えました。彼女はまずナスとレモンを植えました。それからビンロウの実とオクラを植えました。先生や両親は彼女の決意に驚きました。
デュミニと彼女の父親は、その野菜を近所の人たちに売り、さらに村の商店にも売るようになりました。野菜の売り上げは家族の生活に十分な収入となり、デュミニの父親は、デュミニが家に残り、庭を管理しながら勉強を続けることに納得しました。
「ライフ・スキル・セッションのおかげで、私の人生は大きく変わりました。共感、希望、野心、目標を持つ方法を学び、正しい決断の下し方、問題の解決方法も学びました。そして、自分自身を見失わない方法を学びました」。と、デュミニは振り返ります。
デュミニの物語を無料のSHE CREATES CHANGEの本で読んでみましょう
デュミニは、将来、スリランカ政府の農業担当官として働くことを目標としています。彼女はすでに井戸の建設を町のリーダーに働きかけています。学位を取得した後は、地域の農業ハブを設立し、そこで地元の農家と自分が学んだことを共有し、気候変動の影響に対して地域がより強くなる手助けをしたいと彼女は言います。
『私は自分が育てたもので家族や村を養いたいです』 – デュミニ
デュミニは、ルーム・トゥ・リードの「少女達が未来を変えていく」(She Creates Change)に登場する注目すべきチェンジメーカーの一人です。このプロジェクトは、世界中の女の子の物語を通してジェンダー平等を推進する、初の非営利団体主導のアニメーションおよび実写映画プロジェクトです。この映画は、バングラデシュ、インド、ネパール、スリランカ、タンザニア、ベトナムの低所得層が暮らすコミュニティーに住む6人の勇気ある女の子の物語をフィーチャーしたもので、それぞれの女の子が、ハラスメント、食糧不足、早婚など、それぞれの人生特有の困難に立ち向かい、自分自身と将来のために声を上げる姿を描いています。
映画「少女達が未来を変えていく」(She Creates Change)シリーズは、世界4億3,200万人の思春期の女の子たち全員に、彼女たちの人生と地域社会に変化を起こすことを支援するコンテンツと教育カリキュラムを届けることを目的としています。
デュミニのような少女たちがリーダーシップ・スキルを身につけ、ハラスメントや暴力に直面しても公正さを主張できるようにするために、
1日150円、月4500円で大きな変化を起こしましょう!
ご支援をお待ちしております。
翻訳:藤田 由弥子