読書の経験を振り返ったとき、何が印象に残っていますか? 物語を読んでもらったことを思い出しますか? 声に出して本を読み、自分のスキルを試したことを思い出しますか? それともあなたが本を通じて新しい世界を探索する中でサポートしてくれた年上の生徒とペアになったことを思い出しますか?
ルーム・トゥ・リードは、読書のスキルを身につけ実践することはチームプロセスであり、すべての関係者にとって、教育的で、かつ楽しいことであると認識しています。
ルーム・トゥ・リードは、プログラム実施国において、本を読む人たちのために必要なツールを家庭やコミュ ニティに提供し、子どもたちの読書への愛と習慣を育む手助けをしています。2021年の国際読解力調査において、南アフリカの小学4年生の81%が意味を読み取ることができないという驚くべき結果が出たことから、この活動は、識字率と若者の雇用率の両方を向上させるという、刺激的で革新的な局面を迎えています。
読書普及隊(Reading Champions)プログラム
2021年から始まる読書普及隊プログラムは、南アフリカ教育省の委託を受け、南アフリカ国立教育協力信託が運営する大統領の政策として、教師をサポートする役割で若者を雇用しています。この「読書普及隊」は、小学校の教師が低学年の子どもたちに読書と図書館の利用を推進するのを支援します。読書普及隊は、年齢に応じた読書活動、生徒の読書クラブの支援、地域社会での読書イベントの運営など、識字率向上を促進するさまざまな機会に関与するよう奨励されています。南アフリカの9つの州にまたがる12,000以上の公立学校で実施されているこのプログラムの目標は、国全体で力強く前向きな読書文化を育てることです。
ルーム・トゥ・リードは、読書普及隊プログラムの立ち上げ当初から主導的な役割を担ってきました。私たちの識字率向上チームは、読書普及隊プログラムのマニュアル作成をサポートし、全州でリード・トレーナーとして地域の指導者を育成しています。指導者はルーム・トゥ・リードからトレーニングを受けた後、新たに雇用された読書普及隊メンバーを育成しています。国を挙げての取り組みである読書普及隊プログラムは、ルーム・トゥ・リードの図書館アプローチの主要な要素を国全体に拡大することを可能にし、南アフリカ全土の子どもたちの現在と将来の世代を支える実践を、長期的かつ体系的に統合する道を開きました。
現在まで3期の読書普及隊(合計約6万人)は少なくとも460万人の子どもたちに恩恵をもたらしています。ルーム・トゥ・リードのベストプラクティスをさらに拡大するために、これまでに少なくとも100人のヘッドトレーナーが訓練を受けており、次期の読書普及隊には、以前は失業していた約3万人の若者が参加する予定です。
クワズール・ナタール州キング・セツワヨ地区の読書普及隊の一人は、「私は南アフリカ大学で教育学の学士号を取得しようとしている学生です。本を読むことと、子どもたちに教えることが好きなので、読書普及隊に応募しました。図書館での活動は大好きですし、読書普及隊として、私たちの学校で高い目標を設定し、生徒がより高い基準を達成するよう励ましています。」と言っています
別の読書普及隊のメンバーは 「私の学校での読書普及隊プロジェクトで一番良かったことは、子どもたちが本を借りたいと思うようになり、自発的に、機会があれば図書館に来て本を読むようになったことです。」と言っています。
ルーム・トゥ・リードは、読書普及隊プログラムの支援を通じ、学習と人生における成果との間には本質的なつながりがあることを踏まえ、南アフリカ全土の識字率と雇用率の向上を支援しています。
皆様のご支援により、私たちのプログラムはしくみとして影響力を持ち、南アフリカをはじめ世界中で、強い読書文化と習慣を築き、文字が読めない人をなくす手助けをしています。
原文URL:
https://www.roomtoread.org/the-latest/room-to-read-reading-champions-south-africa/
翻訳:竹内 裕人