ケイヤのストーリー -バングラデシュ    コックスバザールの女子教育プログラム生

Room to Read Keya
[English]

ケイヤのストーリー -バングラデシュ コックスバザールの
女子教育プログラム生

2020年5月18日
(原文はこちらです:https://www.roomtoread.org/the-latest/comic-relief-supporting-room-to-read-in-bangladesh/

 

ケイヤは、バングラデシュ南部の沿岸地域コックスバザールに住む少女で、ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムの参加者です。2017年、この地域は大規模な難民流入があり、ミャンマーから100万人近くのロヒンギャ難民を受け入れました。人口の急増は経済的、社会的緊張をもたらしていますが、コックスバザールの貧困と差別は、それ以前から長く続いているものです。教育はキャパシティを超え、経済的に困窮している家庭が多く、男女差別が深刻化しています。

その結果、この地域では社会や家族からの圧力により、児童婚や早期妊娠が多発しており、少女達は学校に通えなくなっています。ケイヤにとって、男女差別から逃れることはほぼ不可能でした。小学7年生のケイヤは、長年にわたって嫌がらせを受けていたのです。男性達からは、頻繁に路上で威嚇され、暴言を吐かれてきました。状況は、ある夜、彼女の部屋の窓を壊し、物理的に嫌がらせをするまでエスカレートしました。彼女の安全が脅かされただけでなく、次世代の少女達を助けるために政治家になる、という夢を実現するための教育が中断されてしまったのです。ルーム・トゥ・リードのライフスキルの授業を学ぶことは、ケイヤや他の少女達にとってとても重要です。ケイヤが直面した課題はこれだけではありません。 生理不順に悩まされていたのですが、学校に行かないよう圧力をかけられてしまいました。バングラデシュの特定のコミュニティでは、月経はタブーであり、その時期は少女達は家から出ることが許されていません。ある時、彼女のコミュニティは、医学を信じるのではなく、彼女を助けてくれる「地元の魔法」を求めました。ありがたいことに、コミックリリーフの「レッドノーズデー(*)」のサポートのおかげで、ケイヤは今、政治家になって地域社会をより良く変えたいという夢を叶えようとしています。
*「レッズノーズデー(赤鼻の日)」とは、コミック・リリーフが主催する英国発祥のチャリティイベントで、セレブリティやマスメディアのサポートを得て、笑いの力で子ども達を貧困から救うチャリティ活動。今年は5月26日に開催され、米NBCでスペシャル番組が放送されました。

昨年、ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムに参加してから、ソーシャルモビライザーが、様々な課題を乗り越えるためにサポートしてくれました。ソーシャルモビライザーとは、プログラムに参加している女子学生達を指導し、サポートを行う地元の女性メンター達のことです。Keyaや彼女のような少女達が遅れを取らないよう、ソーシャルモビライザーは、女の子が学校に通い続けることの利点と、一貫して出席することの重要性を地域社会に説得しました。ソーシャルモビライザーの支援を受けて、ケイヤのコミュニティは、女の子の安全と教育促進の重要性を理解しました。また、ケイヤは学校で成功し、直面していた課題を克服するための鍵となるスキルを学びました。今では毎日学校に通っています。

今では、ケイヤは、人生を変える力を持つ女子教育プログラムによって新たな道を歩んでいます。「私はここで、独立、自給自足、自立の方法を学びました。ハラスメントを避ける方法と、ハラスメントに声を上げる方法など、すべてのことをライフスキル教育のセッションで学びました。」


「独立、自給自足、自立の方法を学びました。ハラスメントを避ける方法と、ハラスメントに声を上げる方法など、すべてのことをライフスキル教育のセッションで学びました。」

Room to Read Keya

「ブラック・ライヴズ・マター(黒人の命は大切)」に関するルーム・トゥ・リードからの声明  

Statement on Black Lives Matter

[English]

「ブラック・ライヴズ・マター(黒人の命は大切)」に関するルーム・トゥ・リードからの声明  2020年6月8日

(原文はこちらです:https://www.roomtoread.org/the-latest/room-to-read-statement-on-black-lives-matter/

学習する組織のリーダーとして、ルーム・トゥ・リードの理事会、リーダーシップチーム、職員は、米国での最近の出来事や、ジョージ・フロイドの死、そして世界中の都市で無意味に失われた他の無数の黒人の命に対しての反応の波に注意深く耳を傾け、対応してきました。黒人コミュニティを支援するために、人種的正義と社会改革を求める声が集まっています。ルーム・トゥ・リードは、20年にわたり、世界中で権利を奪われ、疎外され、抑圧されている人々のために変化を求めてきた提唱者として、この運動に連帯しています。

「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」なことは明確です。すべての人種、宗教、性的指向、文化、年齢および性別の人々は平等であるべきです。

私たちは、すべての人類が贈り物を受けとるシステムを構築し、差別のシステムを解体するために専念する必要があります。ルーム・トゥ・リードは、正義運動の最前線にいる人々の経験に耳を傾け、私たちの組織の価値観や実践が差別とどのように闘っているかを考え、国際開発コミュニティの一員として責任を持って行動していきたいと考えています。

私たちの核心ですが、ルーム・トゥ・リードは、平等、多様性、包括性を支持します。教育の力によって体系的な変化をもたらし、公正で公平な世界を構築することを目指しています。皆さんの多くが、私たちの社会で壊れているものに対処する方法を探していること、そしてもっと重要なことは、私たちの社会で壊れているものを修復するために行動を起こしたいと考えていることを、私たちは知っています。

以下のリソース(英語のみ)は、私たち自身を省みる上でも役立つことと思います。

“Diverse books are bridges to embracing our differences,” op-ed by Christabel Pinto
「多様な本は、私たちの違いを受け入れるための架け橋である」(ルーム・トゥ・リード識字教育プログラムディレクター クリスタベル・ピント)

“Books can rewire our brains, and connect us all,” op-ed by Geetha Murali
「本は脳を再配線し、私たちを繋ぎます」(ルーム・トゥ・リードCEOギータ・ムラリ博士)

Anti-Racist Reading List from Ibram X. Kendi
人種差別反対について学ぶ読書リスト(イブラムX.ケンディ)

These Books Can Help You Explain Racism and Protest to Your Kids, The New York Times
これらの本は子どもたちに人種差別と抗議デモを説明するのに役立ちます(ニューヨークタイムズ)

Anti-racist books for children and teens, The Guardian
子どもと10代の若者のための人種差別反対を学ぶ本(ガーディアン)

連帯をこめて。

ルーム・トゥ・リード共同理事長
メアリー・バイロン