ルーム・トゥ・リードでは、少女の教育に投資することで、より公平な所得と雇用を実現し、少女たちとその家族、地域社会、そして世界の生活を変えることができると考えています。
今後10年間で、経済的、環境的、技術的要因によって、技術労働市場の需要が劇的に変化することが予想されます。その結果、すべての子どもたち、特に少女たちが、充実した質の高い教育を受けるために必要な知識、自己効力感、支援にアクセスできるようにすることが極めて重要になります。世界銀行は、教育水準と生活環境の改善との間に直接的な強い結びつきがあることを明らかにしており、高学歴者は中等教育者の少なくとも2倍の収入を常に得ていることを明らかにしています。
しかし、世界の多くの地域で、少女の教育達成率は男の子に比べて劣っています。女性が世界の技術労働市場に参入する割合は、男性を下回っています。COVID-19が大流行する前、世界銀行は、女性と男性の間の予想生涯所得の差は、世界で170兆ドル以上にも上ると報告していました。そして、収入における男女間の差は連鎖的であり、教育水準が低ければ低いほど、労働市場への参加も格差が生じ、最終的には少女たちが収入を得たり、将来について自分の意志で選択したりする能力に影響を及ぼします。
ルーム・トゥ・リードでは、少女たちへの教育プログラムを通じて、このサイクルを断ち切るための取り組みを行っています。少女たちを学校に長く通わせ、将来の雇用機会を活かすために必要なライフスキルを身につけさせます。
少女たちの将来のキャリアと目標をサポートするルーム・トゥ・リードのライフスキル・カリキュラムの役割
世界的な技能労働の状況が変化し続ける中、少女たちが適応力や回復力、問題解決力といった将来を見据えたスキルを身につけることは極めて重要です。気候変動や経済危機のような世界的な課題の存在は、既存の産業を破壊する一方で、新たな産業の創出を促しています。世界経済フォーラムが2023年に発表したグローバル・ジョブ・レポートの結果によると、創造性や批判的思考、問題解決力といったライフスキルは、業界を問わず需要が高まっていく傾向にあることがわかります。調査対象となった雇用者のうち73%もの人が、分析的思考や創造的思考、そしてレジリエンスや柔軟性、適応力といった自己効力感に関するスキルの重要性と需要が今後も増加し続けることに同意しています。
ルーム・トゥ・リードは、少女たちが学校に通い続けられるよう支援すると同時に、自己効力感やライフ・スキル教育を提供し、地元の雇用市場に参入する際に有利になるように手助けしています。ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムは、少女たちを中等教育までフォローし、教育修了への障害を乗り越え、卒業後の就職に備えられるよう支援しています。これらは以下のような方法で達成されます。
● ライフスキル教育:
ルーム・トゥ・リードのライフスキル・カリキュラムを通して少女たちが身につける自己効力感とライフスキルは、時代を越えて、さまざまな業界に共通して通用するものであり、生涯学習、適応力、あらゆる進路での成功のための強力な基礎となります。
● 金融リテラシーワークショップ:
ルーム・トゥ・リードのライフスキル・カリキュラムと教育コンテンツに加え、少女たちがお金を貯め、起業し、経済的に自立できるようになるための方法について認識を深めることを目的とした金融リテラシー・プログラムの実地試験を行っています。タンザニアとスリランカで金融リテラシー・ワークショップに1~2年間参加した結果、思春期の少女たちの貯蓄、ジェンダー、財政、起業に関する理解が統計的に向上しました。
● メンタリング:
地元のメンターからの定期的な支援や指導に加え、プログラムの参加者は、高等教育、職業教育、その他将来のために追求すべき機会に関する支援や教育を受けることができます。
● 家族とコミュニティの関与:
このプログラムでは、すべての人の将来の成功に向けて、少女や女性を成長させることの重要性をより明確にするために、家族や地域社会全体を巻き込んでいます。男女間の雇用格差が解消されれば、各国の平均で1人当たりの長期GDPは20%近く高くなるという結果が出ています。
少女たちがライフスキルを身につけ、教育を修了し、雇用を獲得し、未来を切り開くため、あなたの支援でより公平な世界をつくりだしましょう。
翻訳:藤田 由弥子