
ベトナム北西部ディエンビエン省トゥアチュア郡の霧深い山奥に、物語に情熱を燃やす小柄な小学5年生、ロー・ディエム・トゥイが住んでいます。物静かで控えめな彼女ですが、その瞳には本を通じて発見し、広げていく一つの世界が宿っています。ルーム・トゥ・リードの識字プログラムのお陰で、トゥイは今やベトナム語と英語の両方で書かれた物語が並ぶ図書室を利用できるようになりました。そこには村の山頂をはるかに超えた、ワクワクするような新たな場所や体験への窓が開かれています。
「静かな個人読書時間が一番好きです。ただ私と物語だけの時間ですから」と、今年初めに学校の図書室を訪れた際、彼女は私にそう打ち明けました。
「フランスでバゲットを食べている自分を想像したり、ドバイの裕福な通りを歩くベールをまとった少女の一人になったり、タイの黄金寺院を訪れるために自転車をこいだりするんです」
トゥイの学校の図書室は、本だけでなく運営のリーダーシップを発揮する機会も提供しています。トゥイは学校の「生徒読書ガイドチーム」の活発なメンバーとして、クラスメートや年下の子どもたちが図書室で新しい本を発見し、借りて家に持ち帰る手助けをしています。
彼女の担任教師であるチャン・ティ・キム・ドゥンは次のように述べています。「トゥイは注意深くて細やかな、優れたガイドです。年少の子どもたちが本を選ぶのを助ける際には、常に優しく思いやりがあり、司書へのサポートも非常に優れています。」

家でトゥイは毎日やることでいっぱいです。最近、母親に新たな赤ちゃんが産まれたため、トゥイは学業に加え、料理や育児の役割もよく担っています。それでも、家事を終えた後でさえ、彼女は必ず本に戻る時間を見つけ、好奇心と想像力を育み続けています。
彼女の夢はシンプルでありながら力強いです。「両親がそんなに働かなくて済むように、私はしっかり勉強したい」と彼女は私に語りました。「母と生まれたばかりの赤ちゃんが健康でいてほしい。そして家族全員がいつも幸せでいてほしい」
トゥイが読む物語の一つひとつが、彼女の読み書きの能力と可能性への感覚を育みます。図書室の本棚には多様な物語が複数の言語で並んでいます。そこでトゥイは想像を膨らませます。——そしていつの日か、故郷と呼ぶ山村をはるかに超えた未来を、自らの手で実現する日が来るのです。
支援者の皆さまのおかげで、トゥイのような世界中の子どもたちが、本を開き、より明るい未来への扉を開くことができるのです。

チャウ・ドアン
コミュニケーションマネージャー
ルーム・トゥ・リード ベトナム

原文URL:
https://www.roomtoread.org/the-latest/lo-diem-thuy/
翻訳:竹内 裕人
