会社員 伊藤珠実さん&油井真里奈さん「誕生日を子どもたちの教育機会に」(Action for Education – 世界を変えるアクションを起こす Vol.3)

ルーム・トゥ・リード・ジャパンでは、小学校3校の子どもたちがより良い教育が受けられるよう寄付キャンペーン「Action for Education(アクション フォーエデュケーション)」が始まりました!

「Action for Education」には、より多くの方に、何か自分ができる行動を起こしてもらい、日本から教育を届ける参加型ムーブメントをつくりたいという思いを込めています。実際に行動を起こしてくださっている方々にインタビューをさせていただき、シリーズでご紹介させていただきます。

第3回目は、会社員をしながら、長年ルーム・トゥ・リードを支援してくださっている伊藤珠実さんと油井真里奈さんからお話を伺いました。おふたりは、今年の8月に、Beers for Books in August(*)を開催し、インドの小学校に1,220冊の本を寄付してくださいました。

*Beers for Booksはルーム・トゥ・リードのボランティアサポーターが考えたシンプルで楽しい寄付の仕組みです。1ドリンクのオーダーごとに、サポーターとなって頂いたお店や企業から100円がルーム・トゥ・リード・ジャパンに寄附されます。その100円はルーム・トゥ・リードの識字教育プログラムを通じて開発途上国の子ども達に本1冊が贈られます。

 

伊藤珠実さん&油井真里奈さん

■プロフィール

伊藤珠実さん(写真右)
2012年よりルーム・トゥ・リードのサポーター。都内の金融関連会社勤務。「カンボジアナイト」でルーム・トゥ・リード創設者ジョン・ウッドの講演を聞き、著書を読んだことがきっかけでサポーターに。影響を受けた本:「マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった」僕の『天職』は7000人のキャラバンになった マイクロソフトを飛び出した社会起業家の成長物語

油井真里奈さん(写真左)
2009年よりルーム・トゥ・リードのサポーター。大学卒業後、米国に留学。留学という選択肢が恵まれた状況であることを感じ、教育支援を行っている団体に興味を持つように。ルーム・トゥ・リードのボランティア説明会への参加がきっかけとなり、以後、資金調達を目的としたファンドレイズイベントのサポートを行っている。丸の内にある商社勤務。好きな本は「美は時を超える―千住博の美術の授業〈2〉」「白川静読本

 

伊藤珠実さん&油井真里奈さん

 

――チャリティ活動に関心を持ったきっかけを教えてください。

珠実さん「初めてのチャリティ経験は、勤務する会社のチャリティイベントに参加したことでした。障がい者の人と一緒にスポーツをしたり、入院している子どもを看病する家族が宿泊する施設の清掃のボランティア活動に参加したり、様々なイベントやボランティア活動に参加してきました。その経験を通じて、私も個人的にやってみよう!と、今につながっています。」

真里奈さん「幼稚園から大学まで、キリスト教系の学校に通っていたのですが、小学生の時の時間割に奉仕の授業が組み込まれていて、ありがたいことに、子どもの頃からボランティア活動は日常生活の一部でした。例えば、生徒たちで学校周辺のゴミ拾いをしたり、クリスマスの時は自分で寄付先を選んで献金もしていました。今も、何かやらなきゃ、というよりも、生活の一部になっています。」

――数あるNPO団体の中から、なぜルーム・トゥ・リードを応援されているのですか?

珠実さん「寄付に対して、実際に現地のプログラムに使われる率が高いことがが一番の理由です。ルーム・トゥ・リードは、最も効率的で効果的な運営を行っている慈善団体として、米国最大の慈善団体の独立系評価機関チャリティナビゲーターで最高評価の4つ星を11年連続獲得しています。これを達成しているのは、アメリカのNPO団体の1パーセントのみなので、とても信頼できる団体だと思いました。また、個人的にアジアの女の子を支援したいと思っていたので、この2点が支援をしている理由です。」

真里奈さん「珠実さんがおっしゃったこともありますが、私の場合は、ルーム・トゥ・リードを支援しているサポータ―や関わっている人達が、とても素敵な人ばかりだからです。素敵な出会いがたくさんあるからこそ、継続的に活動ができているのだと思います。」

――Beer for Books in Augustを主催しようと思ったきっかけを教えてください。

珠実さん「ルーム・トゥ・リード・ジャパン職員の今尾礼子さんが、3年前にBirthday for Booksを開催されたのですが、その時、とても盛り上がって、参加者が楽しく飲んで、さらに寄付できるって、とても良いアイディアだと思ったのがきっかけです。今年の自分の誕生月には絶対やりたい、とルーム・トゥ・リードのサポーター仲間に相談した所、イベントで以前からお会いしていた真里奈さんが8月生まれということを知り、今回の主催メンバーに真里奈さんを誘い、ほかの8月生まれのサポーターふたりにも声をかけ、4名で開催することに決めました。」

 

――今までイベントを企画したご経験はありましたか?

珠実さん「仕事でイベント運営、CSR活動に携わった経験があり、今回のイベント企画・運営は私に任せて、という感じでした(笑)。」

真里奈さん「今までイベントをサポートしたことは多々ありましたが、自分でイベントを主催したことはなく、今回が初めての経験となりました。珠実さんから『一緒にやろう』って誘っていただいたことが、とても嬉しかったです。それまで、イベントでお会いすることはあっても、一緒に何かしたことはありませんでした。主催者として企画、運営する機会を与えていただき、感謝しています。」

――今回のイベントで、工夫したポイントを教えてください。

珠実さん「今回の参加者は、主催者の友人の友人等、直接主催者を知らないこともあるため、面識がない人がいかに参加しやすくするか、という点を工夫しました。場所は、仕事帰りに立ち寄りやすい、便利なところで、参加しやすいように会費制にしないことにこだわりました。当日は、自分が頼んだ分の飲み物と食べ物代を支払うだけです。また、参加者に対して、当日に集まった寄付金がどのように使われるかを明確に報告することは信用につながる重要なポイントです。寄付したお金は何に使われ、本当に寄付されるのかと心配になる方もいらっしゃると思いますので、参加者全員に寄付先と集まった寄付金で現地語の本何冊寄付する事が出来たのか、結果報告をきちんとすることを徹底しました。」

 

――参加者の集め方や、当日のイベントについて教えてください。

真里奈さん「フェイスブックのルーム・トゥ・リードのサポーターのグループにイベント情報をアップしてお知らせをしたり、過去にボランティアをしてくださった方々や、友人に連絡をして、地道にコツコツと広めていきました。当日は、8月生まれの人が主催する飲み会という形にしました。楽しく飲んでお食事をするほかに、豪華景品があたるラッフル(慈善くじ引き)も実施し、ラッフルの売上もすべて寄付させていただきました。」

 

――Beer for Books in Augustを主催する前と後で、ご自身に新しい気づきはありましたか。また、主催する上で何かアドバイスはありますか?

珠実さん「今回は、4名で主催しました。各自が得意とする分野で役割分担ができたことがとても良かったです。具体的には、お店選びと交渉、イベント運営と告知、当日サポート、ラッフル用の景品集めを分担しました。主催するにあたっては、少なくとも4人くらいで主催することが、無理なく開催できるかな、という気づきがありました。長年やってみたかったことが実現できて、皆さんにも喜んでいただけました。思い切ってやってみて、本当に良かったです。また来年もやりたいと思っています。」

真里奈さん「新しい自分に出会えたことです。私は、会場の担当だったのですが、こういったイベントは、まず先に、チャリティイベントの開催OKだよ、と言ってくれるお店の同意があった上で、『では一緒にやりましょう』という流れで決めていくのかな、と思っていました。なので、今回のように、ゼロからお店を探し、こちらからイベントの提案をしたのは初めてのことでした。実は、お店を確定させるまではかなり大変だったのですが、仲間がいることが支えになりました。目標達成のためには、思い込みを捨てて頑張れるんだなって。今回の大きな気づきです。」

――チャリティ活動に興味がある方、関わりたいと思っている方へメッセージをお願いします

珠実さん「チャリティ活動を始める、というよりは楽しいイベントに参加するという気持ちで、まずはスタートすれば良いと思います。自分が興味のある分野なら、さらに支援したい気持ちが大きくなるでしょうから、関心のある分野の活動をまず調べてみてはいかがでしょうか。ルーム・トゥ・リードは、今回のBeers for Booksなど、サポーター主催の気軽に参加できるチャリティイベントがたくさんありますので、参加するところから始めると一歩踏み出しやすいと思います。」

真里奈さん「チャリティというとまず困っている人がいて、それを解決しなくては!と強い意思を持って立ち上がる壮大な活動のように見えますが、一歩手前にはいつも何ができるかな?という個人の小さな疑問があります。それはシンプルに家族サービスの延長のような感覚だと思って、気楽に考えれば良いと思います 。そして、イベントや講演会を見つけたら、まずは参加してみて、楽しいと思うだけでも十分。その感覚を、今度は自分が友人知人にお届けするにはどうすればよいか、を考えることが、新たなステップになると思います。楽しい、を求めて関心のある分野のイベントや講演会などに参加してみましょう!」

 

《インタビューを終えて》

彼女たちがルーム・トゥ・リードを支援する理由、「人」と「信用」。チャリティ活動を長く継続するにあたって重要な要素がルーム・トゥ・リードにはあります。

また、今回のBeer for Books in Augustで、チャリティ活動に参加する側から主催する側になられたおふたり。これからの彼女たちのサポーターとしての活躍ぶりに注目です!
(村橋)