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インドでは、2020年3月以降、学校の教室を見ていない生徒がいます。今でも一部の学校しか再開していません。ユネスコの最新の報告書によると、インドの生徒たちは、73週間にわたって学校の一部または全部が閉鎖された状態を経験したことになります。
しかし、一冊の本を届けるという単純なことが、生徒たちの学習意欲を維持する一つの手段になることがあります。
インドのマディヤ・プラデーシュ州に住む8歳のキルマは、最近、フィナンシャルタイムス紙のフォトエッセイで紹介されました。通常であれば、小学3年生のキルマは学校に通うはずなのですが、COVID-19パンデミックの影響で学校が閉鎖されたため、学校に通うことができませんでした。
学校が閉鎖された最初の数日間、キルマは両親の仕事を手伝う日々を送っていました。一日中忙しくしていましたが、学校が恋しくなりました。授業、ゲーム、そして何よりも鮮やかな本。教室に行くのが楽しくなるようなものばかりでしたから。
キルマが家でも勉強できるよう、担任のサプナ先生が彼女の家を訪れるようになりました。サプナ先生は、本や教材を届けたり、ワークブックやワークシートの使い方を教えたりして、キルマの両親と交流しました。
「私たちは教え方はあまり知らないのですが、担任の先生やルーム・トゥ・リードのチームがいつも電話をくれて、私たちをやる気にさせたり、キルマのために教材を用意してくれます」
(キルマの両親)
キルマの叔父であるリケシュは大学1年生ですが、パンデミックの間、幼い姪の学習をサポートしました。
「私は1日1時間授業をし、毎日宿題を出しています。彼女は勉強に興味を持ち、時間通りに宿題を終わらせ、毎日私に作品を見せてくれます。彼女は熱心に物語を語ってくれます」とリケシュは話します。
サプナ先生はリケシュと会う時間をつくり、キルマ用の学習教材を紹介しています。この教材や資料は、ユニセフ、ルーム・トゥ・リード・インド、州の教育局(マディヤ・プラデーシュ州)による「早期の読解能力のためのアカデミック・リーダーシップの強化(Strengthening Academic Leadership for Early Reading)」プログラムのもと、サプナ先生をはじめとする公立学校の先生たちに提供されました。このプログラムには、ワークブック、ノート、図書室の本、教科書、デジタル学習教材などが含まれます。
「キルマとリケシュとは、村を訪問した時や、電話で話しています。常に彼らのやる気を引き出し、リケシュには、これらの貴重なリソースを使っていかに簡単に彼女をサポートできるかを教えています。今、キルマを見ていると、勉強を続けていて、読み書きができるようになったことを嬉しく思います。ユニセフ、ルーム・トゥ・リード・インド、そして教育局からのサポートに感謝しています」と、担任のサプナ先生は話します。
ルーム・トゥ・リードのインドチームは、リケシュがこれらの学習教材をどのように使えばいいのか理解できるよう、必要な部分を補ってくれました。ルーム・トゥ・リードのインドチームからの定期的な電話と指導により、リケシュはキルマのために用意された学習教材を使いこなせるようになりました。
インドでは、ルーム・トゥ・リードは、学校が閉鎖されたにもかかわらず、キルマのような生徒が確実に学習できるよう、幅広く活動してきました。今年の上半期(2021年1月1日~6月30日)、ルーム・トゥ・リードは、識字教育プログラムで以下のことを達成し、届けました。
・識字教育プログラムのプログラム目標を達成するために、教師や生徒、その家族に1,000万通以上のダイレクトメッセージが、子どもたちが学び続けるよう、送られました。
・政府機関のウェブサイトにアップロードされた約40種類の教材は、ルーム・トゥ・リードがより多くの人々に識字教育コンテンツを提供するのに役立ちました。
・教師、学校の指導、著者などを対象に、7,500時間以上のバーチャルトレーニングとサポートを提供しました。
・約14万4,000人の子どもたちが、家庭での学習や識字力向上を支援するために、デジタルではない教材(本やワークシート)を受け取りました。
また、女子教育プログラムでは、ルーム・トゥ・リードが下記のことを実現しました。
・女子教育プログラムのプログラム目標を達成するために、教師、生徒、その家族に637,000件以上のメッセージを送りました。
・約52,000件の遠隔での個別メンタリングセッションを実施しました。
・11,500人以上の少女が個別のメンタリングセッションを受けました。
子どもたちが勉強に励み、生涯学習の道を歩むことができるよう、ルーム・トゥ・リードは、危機の最中にも革新的な方法で子どもたちに支援を届けるためのプログラムを実施しました(前述のとおり)。このようなリモートでの介入により、学校閉鎖やその他の多くの課題に直面しても、生徒たちが読み書きのスキルを身につけることができています。
(翻訳ボランティア:ゆうた)
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