『自分の子どもの頃と同じように少女たちの夢を応援したい』 ネパールのルーム・トゥ・リード女子教育プログラム卒業生 アンビカの物語


アンビカのような自慢の姉のことを、ネパールではディディと呼びます。16歳のときから、アンビカは両親と4人の弟妹を一人で養ってきました。彼女は自分の教育も修了し、弟妹にも同じことをさせました。

アンビカは現在、ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムに参加する数十人の少女たちのディディとして、自分自身を位置づけています。ソーシャルモビライザーとして、アンビカは1対1の指導と支援を行い、少女たちが思春期のさまざまな困難を乗り越えて中等学校を卒業できるよう支援しています。

女子教育プログラムに参加する2人の生徒を指導するアンビカ(中央)


「中学2年生のときに父が仕事をやめたとき、家族の面倒を見るためには、教育を受け続けなければならないと思いました」とアンビカは当時を振り返りました。

アンビカの父親は工場や建設現場で働いていましたが、病気で家にいることを余儀なくされました。長女であるアンビカは、深い責任感を感じていました。そこでアンビカは、自分の高い学力を生かして、地元の家庭で家庭教師をしました。家族を養うための収入を得て、彼女は何とか勉強を続けることができました。

「人生で最も過酷な時期でした。毎日のスケジュールがきつく、まるで道なき道を走っているかのようでした」と彼女は当時を表現します。

ルーム・トゥ・リード提携校で、生徒たちにライフスキルのレッスンを行うアンビカ(中央)

彼女の中学時代は過酷で孤独でした。卒業までの道のりに立ちはだかる障害は、乗り越えるにはあまりにも大きく、あまりにも重く感じられました。ネパールの多くの少女と同じように、アンビカは最初の月経周期をひとりで過ごしました。少女は月経の期間中、家で孤独に過ごすという慣習に従ったのです。それから間もなく、彼女の健康状態が悪化しました。彼女は1ヵ月間寝たきりになりました。医者は原因を特定できませんでした。近所の人たちは、治療法として結婚を勧めました。

アンビカはこのような状況でも、辛抱強く試験を受け続けました。そしてルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムに登録し、ルーム・トゥ・リードのソーシャル・モバイライザーであるコミュニティの女性メンターを通じて、支援と指導を受けることができました。

「教育を受け、この不幸の連鎖を断ち切ろうという意志がなければ、続けることはができませんでした。ルーム・トゥ・リードの恩師であるディディの声が頭の中に響いていなければ、私はすべてを諦めていたでしょう」とアンビカは言いました。

アンビカはまた、意思決定、持続力、忍耐力など、人生に不可欠なスキルを学びました。このスキルを活かして、目標を設定し、学校を卒業し、家族を養い、コミュニティの次世代の若い女の子のメンターになるという夢を追い求めました。

「今日の私があるのは、ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムを通じて、ライフスキルとガイダンスを受けたからです。私は、少女たちが孤独ではないこと、何でも達成できることを知ってほしいのです」

生徒たちと談笑しているアンビカ(右)

アンビカのような少女たちが、古いジェンダー規範を克服する力を与えるライフスキルを身につければ、彼女たちはリーダーになれます。

月4500円で、世界中で340万人以上の少女を支援してきた私たちのプログラムに参加する、別の少女を支援することができます。
ご支援をお待ちしております。

原文URL:
https://www.roomtoread.org/the-latest/meet-ambika-a-girls-education-program-graduate-from-nepal/

翻訳:竹内 裕人