ケヤの物語〜より公平な未来への道を切り拓く
少女達が未来を変えていく（She Creates Change）
ジェンダー不平等が蔓延するコミュニティで、ケヤは女性と女の子の安全のために立ち上がり、歴史をつくりました。隠れて本を読まざるをえなかった状況から、ハラスメントやジェンダー差別に果敢に立ち向かうまでのケヤの道のりは、彼女の勇気の証です。
ルーム・トゥ・リード女子教育プログラムの参加者であるケヤは、ルーム・トゥ・リードのライフスキルセッションを通じて自身が持つ権利を学び、誰もが声を上げる勇気がなかった中で、自分自身や他の女の子たちのために声を上げ、声が持つ力を知りました。
ケヤ：リーダーシップについての物語
幼い頃、父親が仕事から帰ってくると、ケヤはいつもわくわくしていました。理容師の父は仕事から帰ると、ケヤにその日お店で顧客が読んだ新聞を持ってきてくれていたのです。ケヤは新聞のページに夢中になり、しばしば母親に声を出して読んで聞かせました。彼女は政治に魅了され、バングラデシュの県行政長官(Deputy Commissioner)になることを夢見るようになっていました。
ケヤが大きくなると、父親は彼女が本を読むことは不適切だと考えました。年頃の女の子は出しゃばらず、トラブルを避けるべきだと父は言いました。父は新聞を家に持ち帰るのをやめ、ケヤを大好きだったニュースや学習から切り離してしまいました。
ケヤは深く動揺しました。新聞を読むことは彼女の学習の一部であり、可能性があふれる世界に触れることを可能にし、将来のための新しい興味や大志を抱かせるものでした。彼女はそれを手放したくはありませんでした。彼女は決意し、食べ物を包むために新聞紙をよく使うお店から捨てられた新聞紙を集め始めました。
「父は私を止めることができなかった」当時の父を思い出しながら、彼女は言いました。「新聞を読んで、世の中で何が起こっているのかを母に話したの」。
ある日、ケヤとその友人たちは、学校から家に帰る途中に男の子たちに嫌がらせを受けました。ケヤがやめるように言うと、彼らはますます好戦的になりました。どうしたらいいか両親に尋ねたところ、無視するように言われました。安全でいるためには、関わってはいけないと言われたのです。そこでケヤは教師に相談しました。先生たちは、自分の夢に集中しなさいと言いました。しかし、毎日暴力の脅威にさらされながら、どうやって学校に通い続けることができるのでしょうか？
状況が悪化するにつれ、ケヤの両親は彼女を学校に行かせないことにしました。ケヤは3ヶ月間自宅で過ごしながら、教室に戻ることを切望しました。彼女はただ耐えなければならないと思っていたのです。ルーム・トゥ・リードのライフ・スキル・クラスで、ケヤは自分の権利、つまり自由に移動する権利、選択する権利、抗議する権利を学びました。この知識によって、彼女は自分が先頭に立つ勇気を得ました。自分自身と他の少女たちのために変化を起こしたいのなら、権力のある立場の人々に直接語りかける必要があることを彼女は知ったのです。
「他の人たちの痛みを感じることができるのであれば、私たちを助ける必要性を感じるはずです。」彼女は町のリーダーに言ったのです。「こんなことは止めなければならない」。
自信と決意をもって、ケヤは歴史をつくりました。嫌がらせをした者たちを正式に告発したのです。ケヤは学校に復帰し、現在は女性や女の子の権利のために戦うため、政府の役職に就くという夢に向かって頑張っています。「私が最初にやりたい事は、女性に対する犯罪をなくすことです」。
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「初めてライフスキルのクラスに参加したケヤは、リラックスして発言することができませんでした。」と、ケヤは当時を振り返ります。「ライフスキルを通じて、私は自分を信じることを学びました」。
『女の子たちには、恐れずに、自分の意見を堂々と主張できるようになってほしい。』
– ケヤ
ケヤは、ルーム・トゥ・リードの「少女達が未来を変えていく」（She Creates Change）に登場する注目すべきチェンジメーカーの一人です。このプロジェクトは、世界中の女の子の物語を通してジェンダー平等を推進する、初の非営利団体主導のアニメーションおよび実写映画プロジェクトです。この映画は、バングラデシュ、インド、ネパール、スリランカ、タンザニア、ベトナムの低所得層が暮らすコミュニティーに住む6人の勇気ある女の子の物語をフィーチャーしたもので、それぞれの女の子が、ハラスメント、食糧不足、早婚など、それぞれの人生特有の困難に立ち向かい、自分自身と将来のために声を上げる姿を描いています。
「少女達が未来を変えていく」（She Creates Change）シリーズは、世界4億3,200万人の思春期の女の子たち全員に、彼女たちの人生と地域社会に変化を起こすことを支援するコンテンツと教育カリキュラムを届けることを目的としています。
ケヤのような少女たちがリーダーシップ・スキルを身につけ、ハラスメントや暴力に直面しても公正さを主張できるようにするため。1日150円、月4500円で大きな変化が起こります。
ご支援をお待ちしております。
原文URL：
https://www.roomtoread.org/the-latest/leading-the-way-to-a-more-equitable-future-meet-keya-from-she-creates-change/
翻訳：藤田 由弥子