“What is Peace?” ー 平和について考える絵本

平和って何だろう?
9月21日は国際平和デー。敵対している戦争やそれに類する行為を停止するように、国連が2002年に定めた日です。この日1日はすべての国、すべての人々にとって共通の理想である国際平和を記念し、推進していく日として、全ての国連加盟国、国連機関、地域組織やNGO、そして個人に対して、適切な方法で祝うよう呼びかけています。
新型コロナウィルス感染症やウクライナ情勢など、世界の変化が目まぐるしくなってきた今、room to read では、「世界の変化への挑戦」と題して、2025年までに、4,000万人の子ども達に教育の機会を与えられるようにできることを目指しています。

“What is Peace?” ー 平和について考える絵本
ルーム・トゥ・リードが展開する無料デジタルライブラリー、リテラシー・クラウドにも収められている、平和について考える本をご紹介いたします。

「What is peace?」(英語)
著者:John Lasack イラスト:Kat Yao
難易度:低(6単語程度の文章構造)


<ストーリーの概要>

叙情的な文章と温かいタッチのイラストで、平和の概念を探求します。読者は、さまざまな視点から平和を見つめ、平和のさまざまな側面を考え、自分にとって平和とは何かを考えるよう誘われます。  また、2人の兄妹が平和、対立、解決に向かう物語がイラストで紹介されています。温かい食事、お母さんの腕の中で聞く子守歌、柔らかい布団ーそのような日常的な平和は見えにくく、実は壊れやすいものです。しかし、お互いの気遣いがあれば、きっと平和は取り戻せます。アメリカ人の著者と、台湾出身のイラストレーターが織りなす世界観をお楽しみください。

隣人のことを思い、少しでも世界が平和になれるように考え、伝えていくことで、平和への1歩につながっていくと思っております。

遺贈を通して、子ども達の未来を支援する

9月13日は「国際遺贈寄付の日」。日本でも高まる遺贈寄付への関心

9月13日は「国際遺贈寄付の日」(International Legacy Giving Day)です。
個人が亡くなったとき、亡くなった方や相続人が、遺言や契約に基づき財産を公益法人やNPO法人、学校などに贈ることをいいます。近年、「人生最後の社会貢献」ともいわれ、注目も高まってきています(※1)。「遺贈寄付の実態調査2022」によると、日本の20~70代で42.4%の方が「将来資産があれば、亡くなる際に一部を遺贈寄付してもよい」と考えているという調査結果があります(※2)。

「家族の中で、初めて字が読めるようになりました」

バングラデシュでは、9歳のモリウムさんが初めて字を読めるようになり、家族の非識字の連鎖を断ち切ろうとしています。
数千マイル離れたタンザニアでは、シファさんが家族で初めて中学校を卒業する予定です。

このような奇跡が、ルーム・トゥ・リードの活動に共感し、参加してくださる世界中のご寄付者のおかげで日々、起こっています。「国際遺贈寄付の日」の今日、ルーム・トゥ・リードに対して遺贈を選択された世界中のご寄付者に心から感謝いたします。この特別な日に、遺贈を決めたご寄付者のストーリーを通して、ご遺志を知っていただければと思います。
遺贈寄付者のストーリー(英語):https://onl.sc/h8vY94N

笑顔のジョアンさん(米サンフランシスコ)

遺贈寄付者の一人ジョアン・ベスラミーさんは、マーケティングとビジネス戦略の分野で成功をおさめる一方、女性のための機会、識字率向上、読書に情熱を傾けました。遺言書を作成する際にいくつかの非営利団体を慎重に調べたうえで、ルーム・トゥ・リードに対する遺贈を決意。2020年10月に静かに息を引き取った彼女の遺言には、16,000人以上の子ども達への識字と教育の平等なサポートを提供するご遺志がありました。

「すべての子どもたちが質の高い教育を受けられるようにする」

この使命を追求することができるのは、たくさんのご寄付者のおかげです。非識字や不平等のない世界を実現するために、ルーム・トゥ・リードの物語を描き続ける皆様の心はいつまでも子ども達の成長と共にあります。

ルーム・トゥ・リード・ジャパンへの遺贈について

遺贈に関するお問い合わせは、japan@roomtoread.orgまでお気軽にお寄せください。認定NPOであるルーム・トゥ・リード・ジャパンへ寄付した場合、遺産を受け継いだ相続人から寄付をした財産が相続税の課税対象外とされます。

【例】

相続財産1億円のうち、8,000万円を認定NPO法人に寄付すれば、相続税の課税対象額は2,000万円になります。認定NPO法人への遺産寄付の詳細につきましては、 国税庁ホームページ をご参照ください。

※1 遺贈寄付とは https://izoukifu.jp/consideration/about/
※2  日本ファンドレイジング協会『寄付白書2021』より 

9月8日は国際識字デー。11日までご寄付が2倍のインパクトになります!特別な日を祝う4つの方法

9月8日は国際識字デー。9月8日~11日の期間に寄付をすると、マッチング・ドネーションとしてご寄付の効果が2倍*になります!
ぜひ少しだけお時間をとっていただき、国際識字デーを共に祝い、ご支援をいただけますと幸いです。
*国際識字デーのマッチング・ドネーションについては下記4をご参照ください。

『国際識字デー』とは?

1965年にUNESCOによって宣言された、識字の重要性について世界的な認識を高めるための特別な日です。現在も、世界でおよそ7億7600万人の人が文字を読めません。世界の7人に1人は読み書きができず、そのうち3分の2は女性です。世界中の子ども達や教育関係者がコロナ禍や戦争、経済危機などの困難にある中、ルーム・トゥ・リードは『国際識字デー』がこれまで以上に重要であると感じています。国際識字デーを共にお祝いする4つのアイデアをご紹介します!

1. 先生に励ましのメッセージを送る
ルーム・トゥ・リード発行の書籍と共に

この2年間、先生をはじめとする教育関係者の方々は数え切れないほどの試練に耐えてきました。何ヶ月も教室を離れ、慣れないリモート授業に対応しながら生徒たちを教え続けてきた教育者の方々へ、感謝のメッセージを伝えてみませんか?japan@roomtoread.orgまでメッセージをいただければ、まとめて、ウェブサイトやメールを通して各地で活動する先生方へお届けします。

2. お気に入りの図書館の写真をSNSでシェア!
ルーム・トゥ・リードの図書室(ザンビア)

図書館は子ども達が本の楽しさや本が持つ「魔法」に夢中になれる場所です。近所の図書館や家の中の書棚など、お気に入りの読書スペースをシェアしてみましょう。シェアの際にはぜひ、#国際識字デー、#LibrariesAreMagicalPlaces、#roomtoreadなどのタグをお付けください。また、ルーム・トゥ・リード・ジャパンのインスタグラムではボランティアの皆さんが日々、世界中の図書館や本について投稿してくださっています。ぜひご覧ください!

3. 新しい本を手に取る
15か国語で運営、世界143か国からアクセスがある

国際識字デーを祝うには、本を手に取って読むのが一番です!様々な国の絵本に触れるきっかけとして、ぜひ無料デジタルライブラリ「リテラシー・クラウド」をご覧ください。たくさんの方のご寄付のおかげで現在32言語、2,128以上の絵本や朗読を公開し、世界中の子ども達が困難の中にあっても、時間や場所を選ばずに読書を続けることができています。

4. ルーム・トゥ・リードの活動を応援する

最後に、非識字や男女間の不平等のない世界をつくるため、私達の活動に対するご寄付をお待ちしております。

2022年9月8日~9月11日の期間にご寄付をしていただくと、資金がある限りマッチング・ドナー(匿名のご寄付者)がその寄付金を2倍にし、ルーム・トゥ・リードの教育プログラムの充実とすべての活動の維持に役立てます。

\ご寄付についてはこちらをご覧ください!/

この『国際識字デー』という特別な日に、ルーム・トゥ・リードの活動を応援していただけますと幸いです!

文字が読めることの素晴らしさを、一人でも多くの子ども達へ!

TICAD8開催に寄せて~ルーム・トゥ・リード南アフリカ活動紹介~

TICAD8開催に寄せて

 2022827日から28日にかけ、TICADアフリカ開発会議)がチュニジアで開催されました。日本がアフリカの国々と開くこの国際会議、1993年の開始以来、今回で第8回目となりました。アフリカ大陸は日本の80倍の面積を持ち、平均年齢はなんと18.7(2022)2050年には4人に1人がアフリカの人々になると予想されています。世界中から多くの投資が集まり続けており、国連の統計では20年間で投資額は6倍以上に増えています。一方、多くのアフリカ諸国で貧富や教育格差が依然として残ります。ルーム・トゥ・リードでは2006年から南アフリカ共和国を皮切りに、アフリカでの活動を開始し、子ども達やコミュニティへプログラムを提供してまいりました。

 南アフリカの現状

 南アフリカはアフリカで2番目に大きな経済規模ですが、世界銀行の報告によると、全体的な失業率は27%で高止まりし、若者の失業率に至っては55%とさらに高くなっています。また、裕福な上位10パーセントが国内の純資産の71パーセントを保有しており、依然として世界で最も不平等率の高い国の1つでもあります(世界銀行より)。1994年にアパルトヘイトが終了してから20年以上が経過し、社会的にも多くの改善が見られる一方、依然として世代間での階層移動は低く、不平等は世代から世代へと受け継がれている現実があります。

 豊かな言語を通じて教育を受けられるように

 合計11の公用語を持ち、少なくとも35の先住民言語が存在する南アフリカで、ルーム・トゥ・リードは識字指導を行う教師の養成や図書室を設置し、数多くある公用語による読書用教材のニーズに応え、活動をしてきました。そして「すべての子どものための教育結果」(Results in Education for All Children: REACH)技術支援プロジェクトを通じて、南アフリカの変革に貢献してきました。

下記に、南アフリカでの活動の成果を一部ご報告いたします。

ルーム・トゥ・リードが設置した図書館内部。南アフリカの学校の93%は図書館がなく、識字教育が進まない状況にある

・東ケープ、リンポポ、ムプマランガ、ハウテン省でプログラムモデルを実施し、南アフリカの公用語全11言語による読書用教材を出版。

 2017年から2019年にかけて世界銀行と提携し、リンポポ、ムプマランガ、クワズールナタールの各地域で高品質の先住民言語の絵本の提供を拡大。120冊の童話の原文を6か国語(英語、ズールー語、ヴェンダ語、スワジ語、ツォンガ語、北ソト語)で発行し、46,000部以上を公立学校に配布し、16,000部以上を一般に配布。

・地元の出版社にベストプラクティスのトレーニングを行い、質の高い童話を作成するためのガイドラインを公開。今後も現地語の童話が作られるよう支援。

・識字教育プログラムは政府の教育政策や優先課題に沿ったものであり、今までに支援を行った学校は469校、教師数は1,021人、学生数は362,180人以上。

南アフリカでの活動。現地語で書かれた特大絵本をもとに、先生とクラスメートとともに読書に親しむ

南アフリカをはじめとするアフリカ諸国の動向を世界中が注目する今、歴史的に資源が不足している同国の教育環境の中で、何千人もの子ども達が様々な現地語で読み書きをし、将来を切り開く力を培えるよう、活動を続けてまいります。

南アフリカの現況や活動について、詳しくはこちらをご覧ください!

経済危機の渦中にあるスリランカ     子ども達をご支援ください

スリランカの経済危機とその背景

現在、スリランカは前例のない経済危機に直面しており、その影響は深刻です。最新の発表によると、外貨準備の不足と債務増加の結果、経済は崩壊。さらに新型コロナウィルス感染症(以下、COVID-19)の影響が状況に拍車をかけています。6月下旬の時点で燃料が枯渇し、全国の電力網、交通アクセス、家事や生活に必要なエネルギー供給が停止するとみられています。スリランカが抱える債務のため、燃料の輸送は大幅に遅れる見込みです。加えて、米、砂糖、穀物などの輸入が減少し、前年の農作物の収穫ができなかったことから、当局は2022年8月までに食糧不足に陥ると予想しています。同様に、医薬品を含む必需品も不足しており、日用品、スタッフの不足のために病院が閉鎖の危機に追い込まれています。今週時点で、スリランカの学校はすべて休校になりました。

COVID-19の中、ルーム・トゥ・リードがこの2年間実施してきたように、ルーム・トゥ・リード・スリランカの識字教育プログラムチームはプログラムをオンライン方式に移行し、子どもたちが継続して学習できるよう、ラジオやテレビで広く配信できる新しいプログラムの収録を続けています。

特に少女たちは、学校の閉鎖や停電にともない、様々な危険にさらされています。女子教育プログラムに在籍する多くの少女たちから、「母親が裕福な国で家事労働をするためにスリランカを離れ、家庭と家族の世話をするために自分たちを残して出て行った」と報告がありました。彼女達はこれまで経験したことのないような形で孤立しているのです。私たちのソーシャルモビライザー(コミュニティメンター)は、このような困難な状況を乗り切るために必要なサポートを少女たちに提供し、中退を防ぐため、これまで以上に懸命に取り組んでいます。

ルーム・トゥ・リードは、2004年のスマトラ沖大地震によるスリランカ沖への津波、数年にわたる同国での内戦、COVID-19の大流行など、激動の時代にあるスリランカのコミュニティを17年間にわたって支援を行ってきました。私たちの使命は、子どもたちと地域社会の教育成果が妨げられることなく、プログラムを提供することです。

今この瞬間も、私達は同じ使命を持って活動に取り組んでいます。コミュニティの求めに応じ、子どもたちが学校から中退するリスクを軽減するために、状況に適応し、柔軟な対応を進めています。

スリランカにおけるルーム・トゥ・リードの活動や支援について、詳しくはこちらの活動報告をご参照ください。皆様のご支援をお待ちしております。

◆ご寄付に関するページはこちら