ルーム・トゥ・リードの識字教育プログラムは、大学、政府やパートナー団体とも協力し、活動を展開しています。2000年の団体設立以来、累計3550万人もの子ども達へ識字教育を提供し、2089冊(タイトル)のオリジナル絵本を発行してきました。また、昨年1年間で図書室運営や識字教育のトレーニングを受けた教師と司書は277,000人にのぼります。
識字教育プログラムにとって、子どもたちに優しく、活気に満ちた図書室は不可欠です。すべての子どもたちが、発達段階に応じた、多様で魅力的な本でいっぱいの図書室を利用できるよう、努力を続けています。
9月8日の「国際識字デー」に寄せて、最新の取組み状況の一部を報告します。
カンボジア
ルーム・トゥ・リードは、カンボジアの教育・青少年・スポーツ省(MOEYS)と提携し、教育大学で図書室活用に焦点を当てた学士レベルのコース「生涯読者の育成:学校図書室と教室の読書コーナーの力」を開講しました。将来の教師たる大学生たちは、学校図書室がもたらす子どもの識字能力向上と読書習慣への影響力について研究し、図書室を科学的に見るとともに組織作りついての教育を受けます。読み聞かせなどの活動の子どもたちの読書へのモチベーションを育む重要な役割を探求し、また、実務経験を積むため教育実習にも参加します。このコースは、2024年初頭に8つの教育大学にも導入され、今後もさらなる拡大が予定されています。
インドネシア
2023年、ルーム・トゥ・リードはインドネシアのウェストカリマンタンとマルク地域での新しい取り組みを開始しました。バリ、東ジャワ、東ヌサ・テンガラの80校の学校の司書、校長、教師と共に図書室運営ワークショップを実施し、新しい図書室も今月開設しました。パートナーたちは、図書室の準備に精力的に取り組み、ほぼすべての学校が改装と装飾を完了しています。この取り組みにより、教師、学校委員会、親、地方政府との協力も促進されました。
ヨルダン
ヨルダンでは、図書室開発の担当チームが新たに教師と司書を育成し、学習環境を作るための準備に取り組んでいます。複数の教育者グループに対する研修を完了し、ヨルダンでのルーム・トゥ・リードの図書室プログラムを実施するために必要なリソースを提供しました。さらに、本の取り扱い、図書室ツアー、本の貸し出し、図書室の授業と規則に関するビデオを作成しました。これらの教材ビデオはルーム・トゥ・リードのオンラインプラットフォームであるリテラシー・クラウド(LiteracyCloud.org)で無料で共有され、特に隣国レバノンのプロジェクトなど中東のアラビア語圏の人々へのトレーニング支援の要となっています。
ラオス
ラオスでは、ルーム・トゥ・リードはルアンパバン教員養成大学と提携し、2週間の小学校図書室コースを開発しました。このコースには、児童文学、図書室、包括的な読み聞かせ、本の議論、教室の読書コーナーの設置とルーチンに関する教材が含まれています。ルーム・トゥ・リードと国立教育・スポーツ省(MOES)の支援を受けて、教師と司書は2023年10月から2週間のコースを受講できるようになります。教師たちはルーム・トゥ・リードが設置したデモンストレーション用教室で図書室活動の指導を体験することができ、重要な実務経験を積むことができます。今後、ルーム・トゥ・リードはMOESと協力してこのコースをラオス全国に拡大させる予定です。
パキスタン
今年、ルーム・トゥ・リードはウルドゥー語で15冊の絵本を新に出版するため、3つの地元出版社と提携しました。プロジェクトの提携先では、図書室運営や読書環境作りに関するトレーニングを提供する予定です。本の制作と著者ワークショップは本年2月~3月にかけ行われ、2023年末までにこれらの図書室を稼働させるべく、90,000冊の本を印刷・配布することを目指しています。
原文URL:
https://www.roomtoread.org/the-latest/5-countries-where-school-libraries-are-flourishing/