スポーツを愛しているから、私は全身全霊をこめて取り組むのです(ネパールの活動より

カバディの練習を終えた後、スロチャナ(右)と彼女のお母さんが家の前で。

ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムの参加者は生活スキルを身につけながら努力を積み上げます。(2024年7月29日)

ネパールの中学生でスポーツ愛好家、ルーム・トゥ・リード女子教育プログラム参加者のスロチャナを紹介します。スロチャナは、女子はスポーツをすることができないというジェンダー規範に挑戦し、コミュニティでカバディの選手として活躍し有名になりました。彼女自身による力強い言葉で彼女のストーリーをお読みください。

毎日学校に通う途中、子供達がクリケットやサッカーで遊んでいる公園があります。歓声と笑い声が聞こえる美しい光景ですが、少女達の姿はありません。
公園で遊んでいる女の子をみたことがありません。かわりに水を汲んだり、近くの畑で働いたり、台所にいたりするのです。

私は昔からスポーツが大好きでした。興奮と競争に引き込まれます。でも、私のコミュニティでは、スポーツは男の子だけのものと思われています。グラウンドでプレーすることは不可能な夢のように思えました。友人たちとグラウンドの近くを歩いていると、男の子たちはからかいのやじを浴びせました。私たちは歓迎されていないと感じていました。

友人たちとスポーツグループを作りたかったのですが、日々の暮らしに追われていました。家事や農作業の手伝いなど、家での仕事が多すぎてスポーツをする時間などありませんでした。

絶望的な気分になっていたとき、ルーム・トゥ・リードのソーシャル・モビライザーが私たちの村にやって来ました。彼女は私がスポーツ好きなのを見て、カバディのトレーニングを紹介してくれました。伝統的な役割を担うという周囲の期待はありましたが、自分の夢を追うチャンスでした。家事や学業をこなしながら、毎日夜明け前からトレーニングに励みました。カバディが上達するにつれて、私はもっと力が湧いてくるのを感じました。スポーツは私のためのものでもあるのだと実感しました!

ルーム・トゥ・リードのソーシャル・モビライザーと一緒にカバディ・チームの応援をうけて。

スロチャナ(右から3人目)とクラスメートたち。


ソーシャル・モビライザーの励ましのおかげで、少女や女性にもスポーツへの情熱を追求する権利があることを知ることができました。ルーム・トゥ・リードのライフ・スキル・セッションでは、自分の恐れや迷いと向き合い、それを克服するよう励まされました。ソーシャル・モビライザーは、成功した女性アスリートの写真を見せてくれました。私は彼女たちから強い影響を受けました。彼女たちの活躍は、性別に関係なく、誰もが偉大なことを成し遂げられることを教えてくれたのです。

今、カバディをプレーしているとき、私はただの選手ではありません。私は、社会から与えられた限界からの脱却を夢見る少女たちを鼓舞するシスターなのです。私はアスリートとして確固たる評判を築き、カバディで多くの地域レベルの賞を獲得しました。

私は、自分はありのままで素晴らしいと思っています。時代遅れの男らしさの概念にとらわれることを拒否します。スポーツを愛するなら、私は全身全霊で取り組みます。


ルーム・トゥ・リードの何年にもにわたるライフ・スキル・カリキュラムは、男女を問わずすべての子ども達が困難を乗り越える力、指導力、協調性、批判的思考力を身につけ、自立した決断力を持って卒業ができるよう支援するものです。