ニキーニの物語〜学校の歴史に刻む、ルーム・トゥ・リードの生徒ランナー


スリランカニキーニをご紹介します。彼女はルーム・トゥ・リードの生徒で、ランナーです。

18歳のニキーニは、スリランカで歴史的に所得の低い地区に住んでいます。彼女は大家族の出身で、母親、継父、3人の兄弟と妹と暮らしていました。彼女の家族は、近隣の多くの人々と同様、しばしば金銭的に苦労しています。継父は漁師で、母親は日雇い労働者ですが、家族を十分に養うことは容易ではありません。

2016年に中学校に入学したニキーニは、ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムに参加しました。彼女のソーシャル・モビライザーであるコシーラは、彼女が同じ学年の生徒の中で最も内気な生徒の一人で、生活スキルのセッションでも発言することはあまりなかったことを覚えています。コシーラは、ニキーニが何日も授業を休んでいることにもすぐに気づきました。コシーラがニキーニの母親に欠席について尋ねると、「先生、私も夫も家計のために毎日働かなければなりません。私たちが家に帰るまで、末っ子2人の面倒を見てくれる人がいません。学校に行く代わりに、ニキーニに子供たちの面倒を見てもらわなければならないのです」と母親は答えました。学校は自宅から500メートルしか離れていないのに、ニキーニは教育を受けることができない事態に直面してました。

ニキーニの家庭の状況を詳しく知ったコシーラは、ニキーニの家を定期的に訪れ、ニキーニの教育を受けさせることがいかに重要であるかを繰り返し伝えました。コシーラはニキーニの両親に、女子教育がいかに多くの機会の扉を開くか、たとえば定収入のある仕事に就く有望なチャンスを得ることができるかについて何時間もかけて話しました。

「私は、ニキーニが兄弟の面倒を見ながら、学校の勉強をする時間を確保できるように、家で時間割を作る手伝いをすることから始めました。学校からの宿題を持ち込んだのは、彼女が学校での時間を大切に感じ、友達に会いたいと願うと思ったからでした。」

コシーラが何度もニキーニの家を訪れ、熱心に説得した後、ニキーニはようやく学校に戻りました。最初は臆病で、同級生と打ち解けるのが難しいようでした。しかしコシーラは、ルーム・トゥ・リードのライフスキルのセッションが、ニキーニが恐怖心を克服する助けになることを知っていました。個人指導とグループ指導の両方を通して、ニキーニはコミュニケーション・スキル、チームワーク、時間管理、自分に自信をもつことの大切さを理解し始めました。コシーラはニキーニをルーム・トゥ・リードの演劇クラスに参加させ、居心地がわるくても辛抱強くやり遂げるよう挑戦させました。ニキーニは舞台に立つことをためらっていました。

「先生、本当に無理です。みんなの前で話すことが恥ずかしいのです。」

コシーラは、この経験が彼女の自信につながるよう彼女を励ましました。やがてニキーニはステージで自分の声を出すことができるようになりました。他の課外活動にも参加するようになり、学力も向上しました。そして学校の陸上部に参加したのです。

ニキーニが、中距離ランナーとしての才能に気づくのに時間はかかりませんでした。彼女は何度でも勝てることがわかったのです!ニキーニの教師たちは、彼女の運動能力に気付き、地域の運動競技大会に応募するよう勧めました。

ニキーニはまた躊躇しました。「先生、私は地域大会にぜひ参加したいんです。でも、両親にはランニングシューズを買うお金はありません。このような試合で走るためには、良い栄養状態も維持しなければなりません。どうしたらいいのかわかりません。」と、彼女はソーシャル・モビライザーに打ち明けました。

ニキーニのソーシャル・モビライザーは迅速に行動しました。ランニングシューズを確保し、ニキーニがレースを完走できる栄養価の高い食料を入手できるようにしました。ニキーニは、スリランカ北西部から学生選手が集った大会で、1500メートルで優勝、800メートルで準優勝しました。ニキーニの学校の生徒が地域大会で優勝したのは初めてのことでした。ニキーニはプロのランナーとして国体出場の資格を得ました。

「先生、私たちの学校には練習するためのちゃんとしたトラックさえありません。グラウンドは穴だらけででこぼこです。」とニキーニは言いました。「でも、私は希望を失いません。ランニングシューズをもらったその日から、ずっと頑張るって決めたのです!」

「数年前、私は学校に行かずに兄弟の面倒を見る普通の女の子でした。家からたった5分しか離れていないのに、それでも行きませんでした。ルーム・トゥ・リードのおかげで、教育の価値がわかりました。ライフスキルを学ぶことで、内気な性格を克服し、自分でも知らなかった才能を発見することができました!学校のおかげで、今はスリランカの次代を担うランナーになることを夢見ることができます。」とニキーニは嬉しそうに語っています。

私たちのプログラムは、このような状況を改善するために支援するプログラムとしては最も長期間に及ぶものです。女子が学校で遅れをとったり、中途退学したりする危険性が特に高い6年生から12年生まで支援を提供しています。

私たちが深く関与することで、少女たちは進級するにつれてライフスキルを強化し、より長期的な成果を育むことができるのです。

ご支援をお待ちしております。