東京マラソン2023まであと2週間!国内外60名のチャリティランナーが集結

2022年レガシーハーフマラソンの様子。ボランティアの皆様、ルーム・トゥ・リード・ジャパンの理事、チャリティランナー、職員と共に

ルーム・トゥ・リード・ジャパンが寄付先団体に選ばれている東京マラソン2023開催まで、あと2週間となりました!
当日は約37,500名のランナーの内、60名がルーム・トゥ・リードのチャリティランナーとして東京を駆け抜けます。国内外のチャリティランナーへ、ルーム・トゥ・リードを寄付先に選び、子ども達のために走る理由をうかがいました。(掲載許可をいただいたコメントをご紹介いたします)


中高生の頃、学校でいじめに合っていました。本の世界が私にとっての居場所であり、世界は広いことを教えてくれました。思春期の自分にとって、抜け出せないと絶望するような暗いトンネルの先の灯りであった本との出会いに感謝しつつ、世界中の子どもが本に出会う機会があることを願っています。

金銭による寄付やサポートの様に一化性ものでなく、彼ら自らの能力や知識を高めて、自ら貧困社会から脱出できる力を身につけるサポートを行いたいと思い申し込みました。

13年間毎年サポートさせて頂き、スリランカに学校も建てさせて頂いたルーム・トゥ・リードと共にTOKYOを走ることをとても楽しみにしています。

私にとっても大きなチャレンジとなるフルマラソンを通じて、20名以上の子ども達の読み書きのサポートができること、生涯の贈り物を届けることができることを嬉しく思います!

3歳と5歳の孫がいます。日々すくすくと成長していく姿を見ることは生きていく上での大きな糧となっています。子供たちは無限の可能性を秘めていると思います。世界中の恵まれない子供たちが一人でも多くのチャンスを掴めることを願いながら走り切りたいと思います。

私は低所得コミュニティの出身です。ルーム・トゥ・リードが闘っていることを実際に目撃し、経験しているので、この活動を支援することに特に関心があります。私には4人の子供がいますが、基本的人権を守り、教育を支援するために多くの苦労を経験しました。多くの子ども達を応援したいと思います。

ディスレクシア(難読症)を抱えて育った私は、幼少期のほとんどを、言語、発声、読書で苦労してきました。ルーム・トゥ・リードのような識字教材にアクセスできなければ、同級生に遅れをとり、大学の学位を取得し、成功したキャリアを築くのに苦労したことでしょう。社会経済的な背景、性別、能力に関係なく、誰もが同じようなリソースにアクセスでき、成功する機会が平等に与えられるべきだと思います。ルーム・トゥ・リードの活動を支援できることを光栄に思いますし、このテーマに対する私の経歴と情熱は、2025年までに4000万人の子どもたちに教育を提供するという組織の目標を達成するための素晴らしい候補者であると信じています。


2023年3月5日(日)の大会当日は、ぜひ応援をよろしくお願いいたします!

東京マラソン2023 公式ウェブサイト:https://www.marathon.tokyo/

参考:東京レガシーハーフマラソン2022の様子はこちら

私にとって教育とは、「新しい人生」です。ルンニーの物語(ラオス女子教育プログラム卒業生)

 

ルーム・トゥ・リードは、女子教育プログラムを通じて、女子生徒が中等教育を修了し、日々の困難をうまく乗り越え、自分と家族の明るい未来を築くために必要なライフスキルを習得できるよう支援しています。

ラオス女子教育プログラム卒業生で、日本語教師を目指し2022年8月~2023年2月まで日本に留学を果たしたルンニー・スリチャンのスピーチを通して、ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムがどのように少女の人生を変えたのか、お読みください。


私にとって教育とは、「新しい人生」です。

皆様、こんにちは。ラオスから参りましたルンニーと申します。
日本語教師になるための研修に参加するために日本に来ました。

今日は皆様とお話したいことがあります。
皆様にとって、教育とは何ですか?
私にとって教育とは、「新しい人生」です。

私は4兄弟の末っ子です。私が幼い頃から、一番上の兄と姉が精神疾患を患っていて、病気がちな家族がいる環境で育ちました。そのことが時々苦しくて、ほかの家族や兄弟をうらやましく思うこともありましたが、いくら比較しても何も変わらないので、これが私の運命だと思うことにしました。

兄弟4人で撮った唯一の写真。左端がルンニーさん。

ルーム・トゥ・リードとの出会い
でも、2009年にルーム・トゥ・リードに出会ったのです。小学5年生から高校卒業まで、女子教育プログラムを通じてサポートをしていただきました。成績が良かったので、県の奨学金をもらうことができ、ラオス国立大学で日本語の勉強を始めました。

小学校5年生、ライフスキルプログラムに入りたての時期。意思の強い目が印象的。
自室は自分だけの本棚がある特別な場所。

ルーム・トゥ・リードで学んだことはたくさんありますが、ひとつは、本を読むのが大好きになり、読書習慣が身についたことです。また、女子教育プログラムのライフスキルの授業では、子どもの権利、リーダーシップ、男女平等など多くのことを学びました。なかでも、私が一番好きだったテーマは「私の夢」、です。16歳の時に書いた夢は「教師になること」。
この夢が、今、まさに叶おうとしています。

16歳の時のライフスキル授業で書いた夢は「教師になること」


「私は文字が読めません。あなたは素晴らしいチャンスをもらったのだから、頑張って勉強しなさいね」ー母の言葉は、いつも私の心にあります。

ここで、私の母のことを話したいと思います。母は、学校に通ったことがありません。でも、ルーム・トゥ・リードの職員たちとの交流や保護者会を通して、教育の大切さを認識し、いつも私を応援してくれました。残念ながら、私の大学卒業の姿を見ることなく、病気で亡くなりました。卒業間近の時で、母のことが心配で、卒業論文に集中できないときもありましたが、先生と相談し卒業することができました。

ルンニーさんのお母さん。自分は文字が読めなかったため、いつも娘の教育を全力で応援。

母の言葉は、いつも私の心にあります。

「母はね、文字が読めないんです。だから、文字をいくら大きく書いてもらっても、読みたくても読めないんです。あなたは素晴らしいチャンスをもらったのだから、頑張って勉強しなさいね」とよく言われました。

ラオス国立大学を全額奨学金で卒業。優秀な成績が認められ、その後の日本留学へとつながった。

ルーム・トゥ・リードのサポートのおかげで私の人生は大きく変わりました。
私だけではなく、私の家族も、教育の大切さを学ぶことができました。いくら私が勉強を続けたいと思っていたとしても、家族から反対されれば、自分の意志だけで続けることは難しかったと思います。一緒に歩んでくださった皆様に、心より感謝いたします。

最後に皆様。どうか、これからも子ども達が勉強を続けられるようサポートいただければ、私もすごく嬉しく思います。人間は、生まれる場所を選ぶことはできませんが、教育を受けることで、やりたいことや夢を自分自身の手で選べる、と私は強く信じています。

皆様はどう思いますか。
今日はどうもありがとうございました。


ルンニーへ寄せられた質問

Q:世界的なパンデミックで苦労したこの3年間と、あなたの個人的な話を振り返ったとき、ルーム・トゥ・リードのプログラムがあなたに与えてくれた最も重要なスキルは何だと思いますか?

私にとって、この3年間は、自分がコントロールできないことについては我慢するしかない、ということを学びました。なので、マスクをしたり、距離を保つなど、感染に気を付けながら、自分ができることをやってきました。
ただ、「この状況はずっと続くものではない」とも思っていました。世の中は、良いことであっても、悪いことであっても、永遠に続くことはなくて、いつか過ぎ去るものだと信じています。
そして、命の大切さを常に意識して、自分がやりたいことはできるだけ早くやることが大事だと思います。

やらない理由、できない理由はたくさんあります。私も夢だった留学がコロナの影響で中止になった時は、とても悲しい気持ちになりました。でも、愚痴を言ってあきらめるのではなく、いつでもチャレンジするんだ、という気持ちを持って、そのための準備をすることの大事さをルーム・トゥ・リードのプログラムで学んできました。

留学が中止になった時も、オンラインで日本語の勉強を続けてきました。なので、今回、日本語教師の研修生に選ばれて、日本に来られることになった時は、とても嬉しかったです。今年は世界30カ国から44人選ばれ、ラオスからは、私を含めて2名選ばれて、日本に来ています。

Q:日本に来てからはどのような経験をしましたか? 驚いたことや学んだことなど、ぜひ教えてください!

研修センターが埼玉県川越市にあるので、普段は、川越に住んでいるのですが、これまで、東京、大宮、鎌倉、仙台など、色々な場所に行って、日本文化を体験しています。でも、まだ雪を見たことがないので、北海道にも行ってみたいです。そして、つい最近は、和光市にある日本の高校に訪問し、授業や部活の見学をしてきました。ラオスでは、部活というものがないので、部活動が興味深く、吹奏楽部の生徒達が演奏を聴かせてくれたことがとても嬉しかったです。

Q:ラオスや世界の少女たちに、エールをお願いします!

女性と男性に能力の違いはありません!なので、男性ができることは、女性もできると思います。
私が教師になりたいと思ったきっかけは、ルーム・トゥ・リードの職員の皆さんと出会ったからです。職員の皆さんは、ライフスキルだけではなく、日ごろから私の悩みを聞いて相談にのり、常に励まし続けてくれました。次第に、自分自身もそのような存在になりたい、教師になりたい、と思うようになりました。これまでいつも何かを与えてもらう側にいたので、自分がいただいた知識や経験を、ほかの人にも役立ててもらいたい、自分ができることをしたい、と思うようになりました。
なので、皆さんも自分に自信を持って、しっかりアピールして、一緒に頑張っていきましょう!

※このスピーチは2022年12月17日に開催されたオンラインイベント「Action for Education2022~エデュケーション・イコール」の録画資料でもご覧いただけます。


ルンニー・スリチャン

ルーム・トゥ・リード・ラオス女子教育プログラム卒業生。ウドムサイ県の少数民族出身。小学校5年生から女子教育プログラムに参加。野口英世の伝記に感銘を受け、女性の大学進学率がわずか15%のラオスにおいてラオス国立大学文学部日本語学科へ進学。日本語教師を志し東京外国語大学の留学枠を勝ち取るも2020年コロナ禍で渡航停止、その後も最愛の家族を亡くすなど多くの試練が。それでも諦めることなく勉強を続け2022年国際交流基金が提供する海外日本語教師基礎研修生に合格、2022年9月から翌年2月まで念願の日本留学を果たした。

チャリティナビゲーターの最高評価を今年も獲得しました

効率的な運営、健全な財務体制、事業の透明性より最高評価を獲得!


米国最大の独立系NPO団体評価機関であるチャリティナビゲーター(Charity Navigator)は、ルーム・トゥ・リードの健全な財務管理、説明責任と透明性への取り組みを評価し、再び4つ星を授与しました。2007年からほぼすべて、4つ星の評価をいただいております。

チャリティ・ナビゲーターが評価するNPO団体のうち、このような評価を毎年受ける団体はわずか1%。140万のNPO団体が活動するアメリカにおいて、極めて優れた運営をしていることを示しています。

ルーム・トゥ・リードのパフォーマンス指標の概要は、チャリティ・ナビゲーターの評価ページでご覧いただけます。

寄付金の88%を現地に直接投資


ルーム・トゥ・リードでは、いただいたご寄付の88%を直接現地の支援活動に投資しています(2021年アニュアルレポートより)。卓越した運営効率により、お預かりしたご寄付が確実に、子ども達の識字率向上と女子教育に活かされています。ルーム・トゥ・リードの活動に対するご理解とご協力に心から感謝いたします。

 

グローバルの2021年アニュアルレポ―ト。詳細は財務ページ(40-41ページ・英語掲載)をご覧ください。

●2021年アニュアルレポート「エデュケーション・イコール
(一部英語で掲載されています)
●年次報告・財務情報のバックナンバーはこちら

2021年アニュアルレポート(年次報告書)「Education Equals(エデュケーション・イコール)」を発行しました

ルーム・トゥ・リードはこの度、2021年アニュアルレポート「Education Equals(エデュケーション・イコール)」を発行しました。


この報告書では、ルーム・トゥ・リードが達成したインパクトや結果だけでなく、コロナ禍を私達とともに耐え抜いた生徒、教師、コミュニティのレジリエンス(回復力)の物語を紹介しています。

2021年、800万人の子ども達を支援し、8,767人の教師を育成し、97%の少女達が進学を果たすことができました。

また、識字教育プログラムでは、2021年に新規で3034校に識字教育プログラムを導入し、約408万冊の本を配布しました。インドで行なった本の配布活動では、移動図書館としてラクダを活用するなど、地域の文化や気候に沿った移動手段を用いて、現地の子どもたちに本を提供することができました。

コロナが猛威を振るう中、このような活動ができたのは皆様のご協力と、教育への投資のおかげです。
各支援地域の子ども達の成長を、ぜひご覧ください。

アニュアルレポート7ページより

※2021年はコロナの影響により、各地域で学校閉鎖や政治混乱が続きました。この状況下での活動により、数値の抽出および分析に時間を要し、本アニュアルレポートの発行が2022年末になったことをご報告いたします。
なお、2022年の活動速報は2023年春頃を予定しております。

明けましておめでとうございます!ルーム・トゥ・リードCEOギータ・ムラリから新年のご挨拶


親愛なる皆様

明けましておめでとうございます!
旧年中はたくさんの応援をいただき、誠にありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年の初めに、ルーム・トゥ・リードCEO ギータ・ムラリ博士より、新年のご挨拶をお送りいたします。


日本の皆様へ

新しい年を迎え、皆様のご支援に感謝の気持ちで一杯です。
皆さまの寛大なご支援により、昨年も何百万人もの子どもたちが基礎学習の扉を開き、生涯をかけて知識を身につけることができるようになりました。

このような子どもたちが将来どのような道を選ぶのか、そしてどのように恩返しをするのかを考えると、私は希望に満ち溢れています。イラストはインドの絵本で、女の子が月とかくれんぼをする場面です。皆さんの来年がこのような喜びと驚きに満ちたものになることを願っています。

そして、非識字と男女の不平等のない世界を目指すこの旅を、皆さんと一緒に続けていけることを楽しみにしています。

ルーム・トゥ・リード
CEO
ギータ・ムラリ


おかげ様でルーム・トゥ・リードでは2021年、800万人の子ども達を支援し、8,767人の教師を育成し、97%の少女達が進学を果たすことができました。
これまで達成したインパクトや結果だけでなく、コロナ禍を私達とともに耐え抜いた生徒、教師、コミュニティのレジリエンス(回復力)の物語について、2021年度アニュアルレポート「エデュケーション・イコール」で紹介しております。ぜひ、ご覧ください。

また、春前には2022年の活動速報もご報告できる予定です。
楽しみにお待ちいただけますと幸いです!

皆さまと共に、今年も一人でも多くの子どもへ教育を届けられるよう精進してまいります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

ルーム・トゥ・リード・ジャパン
事務局長
松丸佳穂


参考:

ルーム・トゥ・リードCEO ギータ・ムラリ
2009年ルーム・トゥ・リード入局、2018年よりCEO。世界中にあるルーム・トゥ・リード約60拠点での活動、政府・学校・地域との連携を通じて、質の高い識字教育と男女平等プログラムの実施をけん引。1,600人の職員、理事会、寄付者、ボランティア支部のグローバルネットワーク責任者。2022年Woman of Impact受賞。