「さあ、読もう」ーパレスチナに届いた希望のリュック

6月20日は「世界難民の日(World Refugee Day)」。
紛争や迫害により、故郷を追われ、強制的に移動を余儀なくされた人々は世界で約1億2,000万人。そのうち約半数は子どもたちです(2025年 UNHCR発表)。

どのような状況や場所においても、子どもたちの学ぶ権利を守るために、ルーム・トゥ・リードは世界各地で教育支援を続けています。
本日は、パレスチナをはじめとする難民地域の活動をご紹介します。


「さあ、読もう」—ガザの子どもたちに届ける学びと希望

発送を待つ緊急支援パック

激化する紛争により、パレスチナ・ガザ地区では学校や図書館をはじめ、多くの教育機関が被害を受け、数十万人の子どもたちが教育の機会を失っています

ルーム・トゥ・リードは、現地パートナーのANERAと連携し、当初の2倍となる1万個の緊急支援パックの準備を進めています。
パックには、アラビア語の児童書5冊、文房具セット、鉛筆削り、スケッチブック、そして頑丈なリュックを詰め込みました。

リュックには、「هيا نقرأ(さあ、読もう)」というメッセージが記されています。どんな状況でも読書と学びを届けるという、ルーム・トゥ・リードの強い意志の表れです。

緊急支援として供給されたリュックサック。アラビア語で「さあ、読もう」の文字。

さらに、パレスチナの作家・イラストレーターによる新しいアラビア語児童書10冊の制作も進行中です。完成後は、パレスチナ教育省と連携し、5万冊を地元の学校へ届ける予定です。


食料キット、職員へのケアも:レバノンでの支援状況

政治・経済の混乱が続くレバノンでは、公立学校の多くが避難所として使われ、教育の場が失われつつあります。150万人以上の難民の存在も、教育インフラに大きな負担を与えています。

レバノンの少女。書きなれない文字を綴る。

こうした厳しい環境の中でも、ルーム・トゥ・リードは、子どもたちが安心して学べる場所と教材を届けています。2024年には、避難してきた子どもたちを、母語のアラビア語の本と学習教材で迎えました。さらに、食糧キットの配布や、職員向けのメンタルケア研修も行い、子どもたちの「身体」と「心」の両面から支える活動を展開しています。

🌍 少数派・難民コミュニティへの継続支援

ルーム・トゥ・リードは、パレスチナやレバノンだけでなく、バングラデシュ、アフガニスタン、インド、ベトナムなど、さまざまな国や地域で少数派や難民の子どもたちへの支援を続けています。
ルーム・トゥ・リードの少数派および難民コミュニティでの取り組み

ルーム・トゥ・リードの支援活動は、支援者のご協力なくしては実現しません。
世界難民の日というこの特別な日に、今一度、教育を待つ子どもたちへあたたかいご寄付をお待ちしております。
▶ご支援はこちら

【25周年記念】マンスリー寄付の効果が2倍になります!
ルーム・トゥ・リードは今年、設立25周年を迎えました。
この特別な年に、新たにマンスリーサポーターに参加いただいた方のご寄付は、ルーム・トゥ・リードのボードメンバーにより2倍にマッチングされます。
継続的なご寄付は、長期的かつ効率的な教育支援を可能にします。

💡 月々のご寄付でできること

📚 1日100円(月3,000円)
20冊の現地語絵本を、毎月子どもたちに届けられます。

🎒 1日150円(月4,500円)
1人の少女が1か月、学校に通い続けることができます。

✏️ 1日250円(月7,500円)
6人の子どもたちが、1か月間 識字教育を受けられます。

🌱 1日330円(月10,000円)
2人の少女がライフスキルを学び、コミュニティや社会を変える力になります。

ご支援は、いつでも寄付金額の変更や停止が可能です。
ぜひ、ご参加ください。

ご寄付に関するご質問や、活動内容についてのお問い合わせは、お気軽にお寄せください。
お問合せ:japan@roomtoread.org

アフガニスタンの少女

【講演レポート】10年越しの再会から生まれた学びの場 ― 明治大学「NPO経営戦略論」での特別講義

2025年5月28日、ルーム・トゥ・リード・ジャパンの事務局長 松丸佳穂が、明治大学 経営学部「NPO経営戦略論」(担当:小関隆志教授)の授業にてゲスト講師として登壇しました。

今回の講義は、思いがけない“再会”から生まれたご縁でした。授業を担当する小関教授がルーム・トゥ・リードの活動を授業内で紹介したのは10年前のこと。最近読まれた書籍『ソーシャル・スタートアップ』(邦訳)にルーム・トゥ・リードの共同設立者ジョン・ウッドのストーリーが掲載されていたことをきっかけに、再び講義のご依頼をいただきました。

10年の時を経て、「非営利活動」や「チャリティ」、「ファンドレイジング(資金調達)」という分野は、社会の中で確かな認知と関心を得るようになりました。そんな変化の中で、Z世代の学生たちに向け、15年間にわたり日本における資金調達をけん引してきた松丸が、現場の実践とともにその魅力や可能性を伝える特別講義を担当しました。


教育が社会を変える ― グローバルに展開する支援活動

講義では、世界で7億人以上が文字を読めず、そのうち3分の2が女性と少女であるという現実から始まり、ルーム・トゥ・リードの識字教育・女子教育プログラムがどのようにそれを変えているのかを事例とデータを交えて紹介しました。

教育は人生を切り拓く力を持っており、それは単に知識を与えるだけでなく、自分自身を守る術や、選択肢を持つ自由につながります。実際に、ラオスの女子教育プログラム卒業生が、日本で語学を生かして働いているというストーリーは、多くの学生の心に強く響いたようです。

日本国内での挑戦と、共感を生むファンドレイジング

ルーム・トゥ・リード・ジャパンは、職員わずか2名という小さな体制ながら、事務局業務に加え、年間で数億円規模の資金調達を行っています。その成果と人員の少なさとのギャップに驚かれることも多く、「どうやって運営しているのですか?」と尋ねられることもしばしばです。

その背景には、年間を通じて展開される多様な支援活動があります。ガラパーティや東京マラソンチャリティ、企業とのパートナーシップに加え、翻訳やソーシャルメディアなどを担うボランティアサポーターの力強い協力が、活動を支える大きな原動力となっています。企業による支援の形もさまざまです。講義では、コーズマーケティングやプロボノ、現物寄付など、多彩な連携方法をご紹介しました。

「Fundraise(資金調達)は、“Fun”raise(楽しさを広げる活動)でもある」というメッセージのもと、子どもから大人まで、実際にサポーターが取り組んでいる多彩なファンドレイジング事例を紹介。あわせて、共感を呼び起こすストーリーテリングの力についても、現場での経験を交えてお話ししました。

身近なアイデアから個性あふれるユニークな企画まで、楽しみながら社会貢献ができる方法を具体的に示すことで、ファンドレイジングが誰にとっても「自分ごと」になり得る——。どのような形であっても、それぞれの支援が大きなインパクトをもたらす。そんな可能性を感じてもらえる時間となりました。

あなたがファンドレイザー!学生への問いかけと対話


その後、「あなたが30万円を集めるとしたら、どんな企画にする?」という問いかけでグループディスカッションを実施。支援国に暮らす日本人コミュニティを対象にしたイベント、ピアノ演奏や動画制作を通じたチャリティ活動、野球などのスポーツイベント、SNSを活用したキャンペーンなど、学生たちは自分の特技や関心と結びつけながら、創意工夫あふれるアイデアを発表しました。

支援や寄付という枠組みを超えて、“自分にもできるかもしれない”という小さな希望と、“誰かの未来を変えたい”という素直な願いが交錯し、質疑応答も活発に行われ、経営学部の学生ならではの活気あふれた時間になりました。

💬学生の声:「知ることが行動につながる第一歩に」

📘「日本の寄付文化を広げるにはどんな工夫をしているのか」と質問した際に、「日本人のチャリティー精神は低くない」という言葉と、金融業界の中では役員の賞与の一部を寄付に充てる企業もある、という事例がとても新鮮でした。欧米ではノブレス・オブリージュ的な精神(社会的立場のある人が自ら責任をもって社会貢献に取り組む文化)が根付いていることを感じました。

📘「かわいそうだから寄付するのではなく、楽しさを生み出す活動なんだよ」という言葉を聞き、寄付を義務ではなく、楽しさや共感を広げる行動として捉えたいと思いました。

📘実際に自分で企画を練ってみて、資金を集める側も参加者も、お金を忘れて夢中になれるような魅力的なストーリーを盛り込むことの重要性を強く感じました。

📘実際にNPOとして活動されている方からお話を聞くことができたのは、自分にとってすごく財産になったと思う。グループディスカッションでは30万円を集めるという経験したことがないことを想像し、どうすれば人を動かすことができるかを考えたので非常に刺激となった。

💬小関隆志教授よりコメント

今回、久々に松丸様にゲスト講師として教室にお越しいただきました。松丸様には熱のこもった臨場感あふれるお話をしていただいて、参加した学生は「自分にも何かできることがあるんじゃないか」と大いに触発されたようです。こんなに質問がたくさん出るのかと驚くほど、質問の手が次々と挙がり、やはり本物は胸を打つんだなぁと改めて実感しました。私自身も勉強になりました。本当に有難うございました!

10年越しの学びの場にて、貴重な機会をつくってくださった小関隆志教授、そして真剣なまなざしで話を聞いてくださった明治大学の学生の皆さまに、心より感謝申し上げます。


■ 特別講義・講演のご依頼について

ルーム・トゥ・リード・ジャパンでは、大学・高校などの教育機関向けに、非営利活動や国際教育支援、ファンドレイジングに関する特別講義や授業内セッションを行っています。また、企業や団体の研修・セミナー、CSRプログラムの一環としての講演依頼も承っております。
ご依頼の内容・規模に応じて、交通費および講演費としてご支援のご協力をお願いしておりますが、まずはご相談ください。

📩 お問い合わせ先
ルーム・トゥ・リード・ジャパン事務局
📧 japan@roomtoread.org

東京マラソン2026チャリティランナーを募集中!/ Tokyo Marathon 2026 Charity Entry Information


こちらから東京マラソン財団チャリティ特設ページへ遷移します
Information in English
🔗Tokyo Marathon 2026 Charity Official Website
🔗Room to Read Japan Charity Information Webpage


ルーム・トゥ・リードは、「子どもの教育が世界を変える」を信念に、28か国で5,000万人以上の子どもと少女たちへ教育を届けてきました。

東京マラソンにて、ルーム・トゥ・リードのチャリティランナーとして走ることで、子どもたちや少女たちがより明るい未来を切り拓くために必要な識字力とライフスキルを届けることができます。
2023年以降、374人の情熱あるランナーたちとその友人、ご家族、ご同僚…たくさんの方々が、世界中の29,500人以上の子どもたちへ教育を届けました。

ルーム・トゥ・リードは、皆さんのチャリティランを全力でサポートします:

✅ 日本円、米ドルをはじめ6通貨でご寄付いただけます。
✅ 企業マッチングでインパクトを2倍に。
✅ クラウドファンディングの機能をご利用いただけます。
※ご寄付は税制控除の対象となります。

今もなお、7億7,300万人が読み書きできず、その3分の2が女性や少女です。
非識字とジェンダー格差のない世界を目指して。ルーム・トゥ・リードとともに、東京を駆け抜けませんか?


東京マラソン2026チャリティランナー申込方法と募集期間

※募集要項は東京マラソン財団チャリティ RUN with HEART公式ウェブサイト をご参照ください。

【申込期間】

2025年6月24日(火)11:00~2025年7月9日(水)17:00
※チャリティランナーの選定方法は先着順ではございません。

【申込方法】

東京マラソン2026チャリティ特設ページ から、ルーム・トゥ・リード・ジャパンをお選びください。

【募集人数】

147名
※応募者多数の場合は、寄付金額および団体へのメッセージを考慮し、抽選とさせていただき、ルーム・トゥ・リード・ジャパンよりご連絡させていただきます。

【寄付金額】

37万5,000円以上
※寄付金のほかに、別途大会参加費等がかかります。

【支援目標とご寄付について】
東京マラソン2026を通して、10,000名の子ども達へ教育の機会を届けることを目指します!

◆ご寄付について
ルーム・トゥ・リード・ジャパンのチャリティランナーは、エントリーに必要な寄付金を自身で負担するだけでなく、クラウドファンディングや企業マッチング寄付を通して寄付金を集めることも可能です。ぜひ合わせてご検討ください。

◆クラウドファンディングの実施方法
ルーム・トゥ・リード・ジャパンのクラウドファンディング機能を使ったファンドレイジング(寄付集め)はチャリティランナーとしての寄付金対象になります。ファンディングページ設定は5分ほどでできます。詳しくはjp.marathon@roomtoread.orgまでお問合せください。

◆マッチング寄付をご確認ください
マッチング寄付は、企業などが社員の寄付を一定比率の額で上乗せする仕組みです。こちらで検索(英語)いただくか、ご自身の雇用企業様におけるマッチング寄付等の施策有無に関してぜひご確認ください。ルーム・トゥ・リード・ジャパンのチャリティランナーとしての寄付金の対象になります。

 


 ランナー特典
世界中の子ども達へ識字教育と女子教育を届けるあなたへ、嬉しい特典をご用意しました!1)トップランナーと走る!本番前の皇居RUN!
2)ルーム・トゥ・リード特製Tシャツ
3)チャリティランナー限定Facebookページへご招待
4)力いっぱいの沿道応援!
※特典の内容は予告なく変更となる場合があります。

 ©TOKYO MARATHON FOUNDATION


ランナーの声
6大メジャーを達成!ステファニーさん走行後のインタビュー(英語)

Stephany, 6 Major Marathon Finisher Interview

Stephany successfully completed the Tokyo Marathon 2025, achieving all six major marathons. We interviewed her at the charity lounge after the race. Watch her message!


■FAQ他
🔗東京マラソン2026チャリティ×ルーム・トゥ・リード・ジャパン特設ページ
🔗よくある質問はこちら(随時更新)

■東京マラソン2025 報告ブログ

🔗21か国164名のチャリティランナーが走行!1万人の子ども達の教育を支援

■認定NPO法人ルーム・トゥ・リード・ジャパンは、東京マラソン財団チャリティRUN with HEARTの寄付先団体です。大会に関する概要やお問合せは、東京マラソン公式ウェブサイト及びチャリティページをご覧ください。

ルーム・トゥ・リード・ジャパンのチャリティランナー、活動に関するお問合せ:
ルーム・トゥ・リード・ジャパン事務局(jp.marathon@roomtoread.org)

ルーム・トゥ・リード・ジャパンのボランティアの皆様
©TOKYO MARATHON FOUNDATION

団体紹介ページ「About Us」をリニューアル! ルーム・トゥ・リードの軌跡とこれから

このたび、ルーム・トゥ・リード・ジャパンの団体紹介ページ「About Us」をリニューアルいたしました!

団体設立から現在に至るまでの歩み、そして私たちが目指す未来までを、ギュッと詰め込んだ内容になっています。

ルーム・トゥ・リードの使命や活動をよりわかりやすくお伝えするために、世界中の支援地域の子どもたちの学ぶ姿を実感いただける紹介動画も公開しています。

2025年からの新しい挑戦
今回のリニューアルでは、2025年からの戦略計画についてもご紹介しています。

✅支援する子どもの数を毎年2倍に
✅支援する地域社会の数も毎年2倍に
✅協働パートナーの数も2倍に

これまでの活動に加えて、映像教材「She Creates Change」(少女達が未来を変えていく)などを通じた新たな教育支援にも挑戦しています。


子どもの教育が世界を変える。

2000年、ネパールの村で数冊の本を届けたことから始まったルーム・トゥ・リードは、今では28カ国・5,000万人以上の子どもたちに教育を届ける国際支援団体へと成長しました。

今もなお、世界の7人に1人が読み書きができず、その3分の2が女性や少女たちです。ルーム・トゥ・リードはこの現実を変えるため、地域に根ざし、現地の教育省やパートナーと連携しながら支援を続けています。

これからも、ルーム・トゥ・リードは1人でも多くの子どもへ少しでも早く、学びの“場所”を届け続けます。

今後とも、ご支援とご協力のほどよろしくお願いいたします。
お問合せ:japan@roomtoread.org

📚クラウドファンディングのご案内|STUDY FOR TWO × ロクシタン for ルーム・トゥ・リード

※こちらの記事では、NPO法人「STUDY FOR TWO」が企画・運営するクラウドファンディングについてご紹介します。本企画に関するお問い合わせはこちらからお寄せください。

勉強したいと願うすべての子どもたちが勉強できる世界」を目指して活動する「STUDY FOR TWO」(SFT)が、5月24日~7月27日まで、バングラデシュの子どもたちへの教育支援を目的にクラウドファンディングを実施中です!
クラウドファンディング詳細はこちら
クラウファンディング期間:5月24日~7月27日
目標金額:500万円


SFTは、大学生から不要になった教科書を回収・販売し、その利益を国際教育支援にあてるというユニークな仕組みで、これまでに約4,000万円を寄付し、2,748人の子どもたちに教育機会を届けてきました。

しかし近年、デジタル教科書の普及などにより紙の教科書の需要が減少し、寄付金額が落ち込んでいます。このままでは継続的な支援が難しくなるという危機感から、今回初めてクラウドファンディングに挑戦することを決意されました。

このプロジェクトで集まった寄付金の一部は、ルーム・トゥ・リード・ジャパンを通じて、バングラデシュにおける識字教育・女子教育プログラムの実施に活用されます。

教科書 販売イベント_STUDY FOR TWOお茶の水女子大学支部

また、本プロジェクトにはSFTの活動に共感くださった〈ロクシタンジャポン株式会社〉も協力。ロクシタン製品をリターンとしてお選びいただけるコースもご用意されています。

日本中の若者の挑戦をいっしょに応援し、世界中の子どもたちへ教育を届けませんか?応援お待ちしています!

クラウドファンディング詳細はこちら


※本企画に関するお問い合わせはこちらからお寄せください。

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