【少女たちが学校に戻らないリスク】「すでに結婚した少女も」コロナ危機の中、アフリカとアジアでは少女たちが学校に戻らないリスクにさらされています

Room to Read INDEPENDENT
24,000人の少女を対象に実施した調査では、家族は娘を早く嫁がせたり、学校が安全に再開できる状況になっても学校に戻るよりも仕事をさせることを優先するだろうと警告しています (ルーム・トゥ・リード)

[English]

2020年7月9日
インディペンデント紙  マヤ・オッペンハイム特派員

インディペンデント紙に掲載された記事を紹介します。原文はこちらです。
‘Some girls have already married early’: Young women at risk of never going back to school in Africa and Asia amid coronavirus crisis

新型コロナウイルス感染症(以下:COVID-19)拡大による緊急事態をきっかけに、アフリカとアジアでは、少女の半分が学校に戻らないリスクにさらされているという厄介な報告がされています。

24,000人の少女を対象に実施したこの調査は、学校が安全に再開できたら、家族は娘の教育よりも、結婚や児童労働を優先するだろうと警告しています。

低所得国の子どもたちの識字教育をサポートしているルーム・トゥ・リードは、10代の少女たちがCOVID-19危機の間にすでに学校を中退しており、これは経済的苦難の直接的な結果である可能性が高いと述べています。

インデペンデント紙は、今回の研究について独占的に取材を行いました。COVID-19危機によって経済的に不安定な状況は、お金を稼がねばならないというプレッシャーを増大させ、少女たちは児童結婚や性的搾取、その他の搾取の犠牲となり得ます。

経済的なプレッシャーは、少女が学校に行く代わりに料理、掃除、親戚の世話をするために家にいるように仕向けられることもある、と研究者たちは述べています。

少女のほぼ半数が、今回の公衆衛生上の緊急事態によって収入を失ったと答え、10人に1人の少女が、危機の間に学校が閉鎖されてから勉強をしなくなったと答え、学校に戻れないことに不安を感じている、と答えています。

調査対象となったコミュニティの家族の収入は1日1米ドル(約100円)未満であるため、収入の減少は壊滅的な影響を及ぼす可能性があります。

ルーム・トゥ・リードのヘザー・シンプソン氏はこう述べています。
「経済的苦難は、長い間、少女が教育を受けられない一番の理由でした。すでに何人かの少女が結婚していると聞いています。経済的困難は、家族が娘の早期結婚を選択する主な原因であるため、これらの結果は、緊急の行動が必要であることを国際社会に警告する信号として役立つはずです。私たちは、教育の力によって自分自身と地域社会のためにより良い生活を送ることを夢見ている世界で最も貧しい地域の少女たちを見捨てることはできません」
シンプソン氏は、近年、低所得コミュニティにおける少女の支援には実質的な進展が見られているものの、ジェンダー平等の達成に向けた進展は、世界的な公衆衛生危機によって「数十年後戻りする可能性がある」と述べました。

ルーム・トゥ・リードが支援を行っているスリランカの15歳の少女ヴァルニは、アルコール依存症の父親が暴力を振るっており、安全とは言えない家庭環境で生活していたため、ロックダウン中に叔母の家に引っ越さなければなりませんでした。10代の少女は今では勉強を再開しており、ロックダウンが緩和されると学校に戻る可能性が高いと言われています。

ネパールに住んでいる少女ウルミラは、ロックダウンが始まって以来、家族が彼女に学校を中退するよう迫ったと言いました。オンライン授業を受けるために、家族が持っている唯一のスマートフォンを使用していましたが、母親と弟は、教育をあきらめるべきと言ったのです。

世界中で、ほとんどの子どもたちの学ぶ機会は中断されています。研究者たちは、低所得層 のコミュニティにいる何百万人もの子どもたちにとって、COVID-19拡大の影響による学校閉鎖は、中断ではなく「消失」 を意味すると指摘しています。

「読書の消失、学びの消失、そして自らの人生や所属するコミ ュニティに明るい変化をもたらすという夢の消失」と補足しています。

この報告書は、世界的なパンデミックの間に女子教育に関する最大規模の調査です。インタビューを受けた少女たちの年齢は15歳から19歳で、インドからネパール、スリランカ、ベトナム、ラオス、カンボジア、タンザニア、バングラデシュまでの8カ国にまたがる低所得コミュニティに住んでいます。

報告書によると、「家族がかつてないレベルのストレスに直面すると、家庭内の対立や 性的差別による暴力のリスクも高まり、少女の自信や幸福感、人生の重要な決断を交渉する能力に悪影響を及ぼす」とのことです。

国連人口基金(UNFPA)が4月末に実施した研究では、コロナウイルスの発生は、子どもの結婚の慣行を抑制するための措置を停滞させる可能性があり、次の10年間で1300万人の子どもの結婚が増える可能性があると警告しています。毎日2万人 以上の未成年の少女が結婚していることも2017 年Save the Childrenの調査で判明しています。

ケイヤのストーリー -バングラデシュ    コックスバザールの女子教育プログラム生

Room to Read Keya
[English]

ケイヤのストーリー -バングラデシュ コックスバザールの
女子教育プログラム生

2020年5月18日
(原文はこちらです:https://www.roomtoread.org/the-latest/comic-relief-supporting-room-to-read-in-bangladesh/

 

ケイヤは、バングラデシュ南部の沿岸地域コックスバザールに住む少女で、ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムの参加者です。2017年、この地域は大規模な難民流入があり、ミャンマーから100万人近くのロヒンギャ難民を受け入れました。人口の急増は経済的、社会的緊張をもたらしていますが、コックスバザールの貧困と差別は、それ以前から長く続いているものです。教育はキャパシティを超え、経済的に困窮している家庭が多く、男女差別が深刻化しています。

その結果、この地域では社会や家族からの圧力により、児童婚や早期妊娠が多発しており、少女達は学校に通えなくなっています。ケイヤにとって、男女差別から逃れることはほぼ不可能でした。小学7年生のケイヤは、長年にわたって嫌がらせを受けていたのです。男性達からは、頻繁に路上で威嚇され、暴言を吐かれてきました。状況は、ある夜、彼女の部屋の窓を壊し、物理的に嫌がらせをするまでエスカレートしました。彼女の安全が脅かされただけでなく、次世代の少女達を助けるために政治家になる、という夢を実現するための教育が中断されてしまったのです。ルーム・トゥ・リードのライフスキルの授業を学ぶことは、ケイヤや他の少女達にとってとても重要です。ケイヤが直面した課題はこれだけではありません。 生理不順に悩まされていたのですが、学校に行かないよう圧力をかけられてしまいました。バングラデシュの特定のコミュニティでは、月経はタブーであり、その時期は少女達は家から出ることが許されていません。ある時、彼女のコミュニティは、医学を信じるのではなく、彼女を助けてくれる「地元の魔法」を求めました。ありがたいことに、コミックリリーフの「レッドノーズデー(*)」のサポートのおかげで、ケイヤは今、政治家になって地域社会をより良く変えたいという夢を叶えようとしています。
*「レッズノーズデー(赤鼻の日)」とは、コミック・リリーフが主催する英国発祥のチャリティイベントで、セレブリティやマスメディアのサポートを得て、笑いの力で子ども達を貧困から救うチャリティ活動。今年は5月26日に開催され、米NBCでスペシャル番組が放送されました。

昨年、ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムに参加してから、ソーシャルモビライザーが、様々な課題を乗り越えるためにサポートしてくれました。ソーシャルモビライザーとは、プログラムに参加している女子学生達を指導し、サポートを行う地元の女性メンター達のことです。Keyaや彼女のような少女達が遅れを取らないよう、ソーシャルモビライザーは、女の子が学校に通い続けることの利点と、一貫して出席することの重要性を地域社会に説得しました。ソーシャルモビライザーの支援を受けて、ケイヤのコミュニティは、女の子の安全と教育促進の重要性を理解しました。また、ケイヤは学校で成功し、直面していた課題を克服するための鍵となるスキルを学びました。今では毎日学校に通っています。

今では、ケイヤは、人生を変える力を持つ女子教育プログラムによって新たな道を歩んでいます。「私はここで、独立、自給自足、自立の方法を学びました。ハラスメントを避ける方法と、ハラスメントに声を上げる方法など、すべてのことをライフスキル教育のセッションで学びました。」


「独立、自給自足、自立の方法を学びました。ハラスメントを避ける方法と、ハラスメントに声を上げる方法など、すべてのことをライフスキル教育のセッションで学びました。」

Room to Read Keya

【教育を持続させる(EDUCATION ENDURES)】 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)拡大から、世界で 最も弱い立場におかれている子どもたちの未来を守ります

[English]
Room to Read EDUCATION ENDURES

「COVID-19が社会的弱者である子ども達に与える影響を考えると夜も眠れません。このような状況下で親であることなど 想像することもできません」
ー メリンダ・ゲイツCNNインタビュー

【教育を持続させる(EDUCATION ENDURES)】
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)拡大から、世界で最も弱い立場におかれている子どもたちの未来を守ります

世界中で、ほとんどの子どもたちの学ぶ機会は中断されています。低所得層のコミュニティにいる何百万人もの子どもたちにとって、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)拡大の影響による学校閉鎖は、中断ではなく「消失」を意味します。読書の消失、学びの消失、そして自らの人生や所属するコミュニティに明るい変化をもたらすという夢の消失です。

特に少女たちは、このような状況下で、幼少期を失う危機にさらされています。なぜなら、極度の経済的苦境にさらされている家庭では、幼い娘たちを早くに嫁がせるという決断をすることが頻繁に起こるからです。また、経済的に不安定な状況にある少女たちは、性的搾取やその他の搾取の犠牲となり得ます。家族がかつてないレベルのストレスに直面すると、家庭内の対立や性的差別による暴力のリスクも高まり、少女の自信や幸福感、人生の重要な決断を交渉する能力に悪影響を及ぼします。

危機的な時期に、人と繋がる機会を提供

ルーム・トゥ・リードの遠隔学習プログラムは、世界で最も弱い立場にある子どもたちに不可欠な生命線となっています。私たちの教育への介入は、インターネットに依存していません。私たちが支援する地域の多くは、インターネットに接続できる環境にないからです。 ユネスコによると、新型コロナウィルス感染症の拡大の影響により、学校を休んでいる生徒の半数が家庭用コンピュータを持っておらず、43%が自宅でインターネットを利用していません。低所得国では、格差はより顕著になっています。サハラ以南のアフリカでは、学習者の89%が家庭用コンピュータを持っておらず、82%がインターネットに接続できません。

このような環境での学習を促進するために、ルーム・トゥ・リードは、電話、ラジオ、テレビ放送、テキストメッセージ、教材配布など、低所得層の子どもたちが最も利用しやすいチャンネルを通じて、人と人とのつながりも提供しています。ブルッキングスの調査によると、低所得国では現在、何らかの遠隔学習が可能な国は25%に満たないとのことです。

彼らに最も必要なことは、私たちも必要なこと

パンデミックからの教訓を一つげるとするならば、迅速で順応性を持った対応が必要であるということです。多くの民間非営利団体(NGO)と同様に、全ての対面で行う年間の寄付金集めのイベントをキャンセルしたため、当団体の収益予想は急減しています。そして、このギャップを埋めるために、皆様のご協力を必要としています。皆様のご寄付があれば、差し迫った教育へのニーズに応えるという当団体の最大の急務を、資金確保のために一時中断することなく、推進していくことが即座に可能となります。

“データは、COVID-19拡大の影響が世界中の生徒たちの学習に非常に大きな影響を与えることを示しています。なかでも、低所得国とサハラ以南のアフリカの生徒たちが最も打撃を受けるでしょう。これらの国々では、この危機の間、政府が遠隔学習の機会を提供したり、教師たちへの指導を通じて子どもたちへの学習ニーズに応えるということができなくなっています。″
– ブルッキングス研究所レポート「COVID-19 下の世界の学校閉鎖、政府の対応、学習機会の不平等」(2020年4月14日)

《ルーム・トゥ・リードの識字教育プログラム》

「教育は、私たちから唯一奪うことのできないものです。夢を叶えるための鍵になります」
– Parbati(ルーム・トゥ・リード女子教育プログラム参加者)

生徒たちと家族がいる場所で

ルーム・トゥ・リードの職員は、ルーム・トゥ・リードが活動している国々に住んでいます。彼らは、複雑なコミュニティのニーズや文化を深く理解している現地の人々であり、政府との強い関係を持っているため、活動のインパクトの最大化につながっています。これにより、現地で利用可能な最も強力なツールやメディアを駆使して、子どもたちの学習を促進します。

放送波を利用する

インターネット接続がなければ、ラジオは依然として、世界中で最も一般的に利用され、アクセスされる技術です。ユネスコは、世界の75%の世帯がラジオを聴くことができると報告しており、私たちはラジオ媒体に力を入れています。

•例えば、スリランカでは、地域の放送局と提携して、タミル語とシンハラ語の両方でコンテンツを提供しています。このラジオ番組では、子どもたち向けに読み聞かせや、保護者向けに、子どもたちの読む力を家庭でいかにサポートするかといったことを重点的に取り組んでいます。

•ルワンダでのプロジェクトでは、ルワンダ教育委員会(REB)と協力して、1年生から3年生までの生徒を対象とした音声レッスンを開発しました。 ルワンダ教育委員会からアクセス可能な参考学習教材や、生徒のための識字授業の開発に取り組んでいます。

•バングラデシュでは、子ども向けコンテンツの人気放送局であるDuronto TVで、アニメーション付きのデジタル絵本26エピソードが放映されています。

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テキストメッセージでメッセージを伝える

テキストメッセージは、世界中で一般的なコミュニケーション手段になっています。多くの国で拡張性があり、安価でかつアクセスしやすいコミュニケーション方法であるため、ルーム・トゥ・リードでは、保護者がテキストメッセージを活用し、子どもたちと一緒に識字活動に参加するように促しています。

•例えばカンボジアでは、識字教育プログラムチームが保護者向けのテキストメッセージとビデオによる指導の開発に取り組んでいます。指導内容としては、最も重要な識字能力に焦点を当て、保護者向けに、実用的なアドバイスを提供することに重点をおいています。これらのメッセージは、ルーム・トゥ・リードの教室用教材を子どもたちが使用する際のサポートにもなっています。

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教材(ドリル)を使って生徒の能力を伸ばす

今日においても、教材や教科書などの従来の教材もまた、子どもたちが学習を続けるためには欠かせません。例えば、バングラデシュのロヒンギャ難民など、彼らのために遠隔学習を支援するための教材を作成してきた経験により、この分野で貴重な知見を得ることができました。私たちは、このような危機の中でも、同様の方法論を用いてテクノロジーにアクセスできない子どもたちが学習を継続できるように支援を行っています。

•例えばインドでは、1年生と2年生の子ども一人あたりにつき約60枚の教材が含まれる識字パッケージを作り、子どもたちに文字を書く機会を提供しています(能力に合わせたものと、作文の両方)。これらの教材は、家族分の食料品を受け取りに保護者が学校に来た際に、学校を通じて支給されています。

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すべての人に教育を

ルーム・トゥ・リードのミッションは、すべての子どもたちが学び、その可能性を最大限に発揮できるようにすることです。デジタルアクセスが可能な子どもたちとその家族のために、ルーム・トゥ・リードは独自のデジタル学習プラットフォーム「リテラシークラウド」を提供しています。

受賞歴のあるルーム・トゥ・リードの実績ある識字教育プログラムに基づいた「リテラシークラウドは、読む方を学ぶ方法と、力強いストーリーを交えて、数百冊の現地語の書籍タイトルや、教育者や児童作家向けの専門的な資料が豊富なライブラリが組み込まれています。ルーム・トゥ・リードは、2019年に英語とインドネシア語で200冊を超える児童書を含む「リテラシークラウド」を開始しました。

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今日の学校閉鎖の直面に伴い、子どもたちはこれまで以上に質の高い書物に触れる必要があります。そこで、私たちは、世界中から750冊の児童書タイトルを原語で新たにリリースし、電子書籍のポートフォリオを拡大している最中です。また、各国政府が生徒とその家族に教材を提供するために使用する流通チャネルを通じて、ルーム・トゥ・リードの電子書籍のポートフォリオの共有に取り組んでいます。

•例えば、バングラデシュでは、政府の教育プラットフォームを使用して、教室での指導ビデオや本の読み聞かせビデオ、およびアニメのテレビ番組を配信しています。加えて、政府のプラットフォームを利用して、子どもたちや教育者をリテラシークラウドを紹介することもしています。政府のプラットフォームを通じてデジタルコンテンツを提供している団体の中で、私たちは習熟度に合わせてレベルの高い書籍を提供する唯一の団体です。

最近では、著名人やビジネスリーダーがナレーションを担当したルーム・トゥ・リードのオリジナルタイトルの読み聞かせのリテラシークラウドもリリースしました。子どもたちに、外の文化に対する見識を与えるために、ルーム・トゥ・リードのオリジナルの書籍の中でも、ユニークな物語から、特に、この困難時期において必要とされる、共感力と理解力が養われる一助となっています。

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《ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラム》

「失われた進歩は取り戻すのに長い年月を費やします。学校から離れた10代の少女たちは、二度と教育の場に戻ってこないかもしれません。COVID-19からの立ち直るための取り組みの中心に女性と少女を置くことを、各国政府に要請します。男女平等と女性の権利は、このパンデミックを共に乗り越えるために不可欠です」
-アントニオ・グテーレス(国連事務総長)

「ライフライン」電話開始

COVID-19による女性への影響に関する国連政策報告書は、「思春期の少女が教育の場から脱落し、危機が終わった後でさえ学校に戻らないというリスクがあることを、過去の伝染病の流行が事実として示している」と警告している。

ルーム・トゥ・リードのCEOギータ・ムラリ博士は、最近のBBCのインタビューで「数々の学校で、これが少女たちと過ごす最後の時間になるかもしれません。なぜならば、ルーム・トゥ・リードが支援を行っている多くのコミュニティの少女たちは、早く結婚をし、早く子どもを産まなければならないという重圧を受けるようになるからです。少女たちは人身売買や仕事をさせられるリスクにも直面しています」と答えました。

私たちの女子教育プログラムの参加者の多くは、低所得層で遠隔地に住んでいるため、今回の危機の結果として、教育を受ける機会を永遠に放棄せざるを得なくなる可能性が特に高いです少女たちが自らの将来を守っていく上で不可欠かつ継続可能なライフスキルを確実に獲得できることを焦点においたプログラムに日々取り組んでいます。を再編成しています。

女性のロールモデルの存在は、少女たちの教育への意欲を高めます。ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムの鍵となる重要な要素は、ロールモデルとなるメンターとのミーティングです。メンターとのミーティングを通して、若すぎる結婚や家計を助けるために学校を中退するプレッシャーなど、少女たちが直面する可能性のある課題に対処するための安全なスペースを提供しています。学校にいない時でも、ルーム・トゥ・リードの職員は、少女たちに個別のメンタリングを電話で続けています。

このようなメンタリング・セッションを利用して、危機を乗り越えるべく少女たちを精神的に支え、家庭で学業を続けるためのサポートを行っています。ルーム・トゥ・リードの職員はまた、安全で健康的な生活を送れるように、公式の情報源を少女たちに紹介しており、学校が再開される際、学校に戻ることに関連して出てくるであろう課題を解決できるよう助けてくれるでしょう。

•例えば、ネパールだけでも1,200人を超える少女が女子教育プログラムに参加者し、私たちのソーシャルモビライザーからの遠隔指導を受けています。また、私たちのチームは、少女たちの家族とも協力して、教育を引き続きサポートできるようにしています。あるソーシャルモビライザーは、「女子教育プログラム参加者の中には、COVID-19の影響で学校が休校の間に結婚した人もいます。このことから、私たちが親御さんと話すことが重要です」と話していました。

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最もリスクに直面している少女たちの特定とサポート

ルーム・トゥ・リードの職員は、「リスクがある」と特定された女子教育プログラムの参加者と、より頻繁にミーティングを行っています。このリスクは、ルーム・トゥ・リードの「リスクと対応ツール」を用いて判断しています。このツールは、学校からの中退に強く関連するリスク要因を職員が特定して、即座に対処するのに役立つ強力な早期警告システムです。今回の教育危機に関連するリスク要因を反映し、学校の再開に向けて、より集中的なサポートが必要な少女を特定するために改善されました。

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私たちが追跡するリスク要因:
•家庭での学習を継続している少女の数
•COVID-19が原因で、家族が仕事や収入源を失った家庭の少女の数
•学校が再開されたら学校に戻ることかできるかどうか不安を持つ少女の数

これから、私たちが支援を行なっている国の休校期間をよりよく把握できるようになったので、リモートグループ・メンタリングセッションを設定し、ストレスが多い時に重要なサポートを少女たちに提供します。さらに、この困難な時期に、少女たちがつながりをもてる環境下でサポートするため、スマートフォンや他の利用可能なプラットフォームを介してバーチャルライフスキルセッションを開始します。

《教育を持続させる(EDUCATION ENDURES) キャンペーン》

COVID-19の大流行は、私たちの愛する人に対面で接すること、教室で座って学ぶこと、そして同じ問題意識を持つ人が集まることなど、ほんの少し例を挙げるだけでも、私たちが当たり前のことだと思っていた多くのことを奪いました。

皆さまからのご支援があれば、この危機が次世代の未来を奪うことを防ぐことができます!

私たちは、子どもたちが学ぶことによって、家族や地域社会、そして世界に変化をもたらすことができることを知っています。これこそが教育がもつ永続的なメリットなのです。ネパールの女子教育プログラムの卒業生で、現在は看護師をしているサパナさんの話をご覧ください。

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「教育を持続させる(EDUCATION ENDURES)」キャンペーンは、
私たちの最大のニーズをサポートします。この危機の間も学習が継続され、すべての子ども達が、最も脆弱なコミュニティ内にいても、質の高い教育の権利を得ることができます。

教育を継続させることにより、世界の多くの難題に対する解決策を提供できます。ルーム・トゥ・リードは、「子どもの教育が世界を変える」と長い間信じてきました。

そして今、これまで以上に、皆さまの力こそがこの世界に変化をもたらす可能性を持っています。

ご支援の機会
ルーム・トゥ・リードを通じて可能な支援例は、以下の通りです。

3,000円:ひとりの子どもの読み書きスキルと読書習慣をサポートする
テレビやラジオの読み聞かせやレッスン、印刷物の配布、保護者の参加、デジタルライブラリー「リテラシークラウド(LiteracyCloud.org)」へのアクセスを通じて、読書を学ぶ子どものための遠隔学習を促進します。

2万円:一人の女の子が安全に学習を続けるサポートをする
電話またはオンラインでのメンタリングやライフスキルのレッスンを通じて、一人の少女を支援し、精神的なサポートや自宅での勉強を続けるためのサポート、安全で健康的な生活を送るための情報、学校への復帰に関連した課題を解決するための支援を行います。

30万円:教師の能力開発をサポートして学びに革命を起こす
教師の能力を強化するために、家庭で効果的に子どもたちに接することができるように、遠隔学習技術に関するビデオやアドバイス、ガイドラインを提供します。

◆この困難な時期にも子ども達が継続して教育を受けられるよう、ご支援をお願いいたします。
https://give.roomtoread.org/give/280427/#!/donation/checkout

Room to Read COVID-19


********** ENGLISH **********

Education Endures:
Protecting the Futures of the World’s Most Vulnerable Children During the COVID-19 Pandemic

Learning has been disrupted for most of the world’s children. But for millions of children in low-income communities, COVID-19 school closures will not be an interruption, but an end: an end to reading, an end to learning, and an end to the dream of making positive change in their own lives and communities.

Please see Education Endure fact sheet for more details on how your ongoing support is invaluable as we adapt as an organization to ensure the children we serve are not cut off from education permanently as a result of this crisis.

To help children continue to access the stabilizing force of education during this turbulent time, click here to make a donation.
https://give.roomtoread.org/give/278379/#!/donation/checkout

Room to Read COVID-19

【南アジアのデジタルデバイドを解消する4つの方法】

Room to Read EDUCATION ENDURES

[English]

コロナウィルス感染症(COVID-19)危機の中、ルーム・トゥ・リードが南アジアのデジタルデバイドを解消する4つの方法
2020年6月8日 Meenal Sarda

(原文はこちらです:https://www.roomtoread.org/the-latest/4-ways-room-to-read-is-bridging-the-digital-divide-in-south-asia-during-the-covid-19-crisis/

COVID-19のパンデミックが世界にもたらした影響はすでに数え切れないほどあります。最も大きな影響は、オンライン遠隔学習への大転換でしょう。グローバルなコミュニティとして、オンライン教育によって学習の損失を補うように努力しなければなりません。しかし、多くの低所得層のコミュニティに存在するデジタルデバイド(情報格差)を考えると、このパンデミックにより、リソース不足のコミュニティはさらに取り残されていきます。

南アジアでは、大多数の人達が、大人も子どももインターネットにアクセスできません。インド人の24%がスマートフォンを所有していますが [1]、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、ノートパソコン、ネットブック、パームトップ、タブレットなど、あらゆるタイプのコンピュータにアクセスできる世帯は11%にすぎません[2]。これらの不均衡に加えて、デジタルデバイドには、階級、性別、地域による格差がさらに大きくなっています。

ルーム・トゥ・リードは、ネパール、インド、スリランカ、バングラデシュに加え、世界各国の低所得層のコミュニティで識字教育プログラムを継続的に実施しています。ここでは、ルーム・トゥ・リードのチームが実施した遠隔学習の取り組みの一部をご紹介します。

1. 録音済みのメッセージ

インドでは、ウッタラーカンド州とチャティスガル州のチームが、録音済みの対話型音声自動応答システム(IVRS)メッセージを試験的に導入しています。携帯電話をお持ちの方は、フリーダイヤルを使って、ボタンをクリックするだけで音声メッセージを聞くことができます。この録音済みのメッセージは、親向けに家庭で読み書きを勉強をするためのヒントを提供するだけでなく、読み書きを学ぶラジオ番組が放送されていることを通知し、子どもと一緒に視聴することができます。物語を聞いたり、ゲームをしたりするなど、メッセージのオプションを追加する可能性を探るためのパイロットテストも進行中です。

2. ラジオ放送

最近、ルーム・トゥ・リードはスリランカの民間ラジオ局と提携しました。このラジオ局では、親や世話人向けに、子ども達と一緒に読書活動を行うことの重要性について語る短いラジオクリップを放送しています。これらのクリップは、子どもと保護者に人気が高い番組内で毎日放送されており、スリランカの公用語であるシンハラ語とタミル語の両方で視聴することができます。
Room to Read EDUCATION ENDURES
最初のクリップでは読書活動の重要性にフォーカスして、次のクリップでは家庭での読書活動の方法を説明しています。ラジオ局のカバー範囲を考えて、ルーム・トゥ・リードは、学校が閉鎖されている間、親や世話人が家庭で読書習慣と本好きを強化するために必要なツールを確実に利用できるようにします。

インドのウッタカランド州では、コミュニティラジオが非常に人気があります。そのため、私たちの識字教育プログラムチームは、読書と読み書きに関する音声メッセージを放送するラジオの枠を確保しています。政府との強いパイプにより、この取り組みは政府公認であり、地元メディアにも取り上げられています。

ネパールなど、他のプログラム国でも同様の取り組みを実施しています。ネパールの農村部ではインターネットへのアクセスがないため、ルーム・トゥ・リードは、ラジオ向けのプログラムを開発しており、本の読み聞かせや読み方の指導を行う予定です。

3. テレビ放送

バングラデシュでは、50%近くの子ども達がテレビを視聴しています[3]。ルーム・トゥ・リードは、2018年から、バングラデシュの人気子ども向けテレビチャンネル「Duronto TV」と提携しています。このチャンネルでは、ルーム・トゥ・リードが出版する児童書の読み聞かせを「Colourful Stories(カラフルな物語)」という番組で放送していて、プライムタイムにも放送されるほど人気があります。児童書は、バングラデシュや他の国の物語が取り上げられています。読み聞かせは、COVID-19パンデミックの間、多くの子ども達が学校には通えないものの、家でテレビは見ることができるため、とても役立っています。読書は読み書きを身につけるための重要な取り組みのひとつであり、読み聞かせによって、生徒達は自宅で読む力を強化し続けることができます。
Room to Read EDUCATION ENDURES
南アジア全域にテレビが普及していることを踏まえ、ルーム・トゥ・リードはインドとスリランカで、農村部をカバーしているテレビ局との連携に取り組んでいます。コンテンツには、読み聞かせのビデオや、親が自宅にいながら子どもの読み書きをサポートするためのヒントなどが含まれています。

4. ワークシートと識字パッケージ

子どもがいつ学校に戻るかを判断することは難しいですが、段階的に行われる可能性が高そうです。立ち入りの制限、時間の短縮、さらにはロックダウン緩和の最初の段階として、無料の食事プログラムの導入などが考えられます。これらのシナリオを想定して、ルーム・トゥ・リードはワークシートと識字パッケージを開発しており、子ども達が学校に戻ったらすぐに配布される予定です。これらのワークシートは、保護者の負担を最小限に抑えながら、子ども達が主要な読み書きの概念を復習するのに役立ちます。また、子ども達が学校に戻る準備をするための読み書き活動が含まれており、ルーム・トゥ・リードが活動を行っている南アジアのプログラム支援校で提供される予定です。

これらのワークシートは、ルーム・トゥ・リードの児童書のデジタルプラットフォーム「リテラシークラウド」や、読み聞かせビデオ、教育者向けの専門的な開発リソースなどのデジタルイニシアティブに加えて開発されました。また、政府との協働を重視しているため、政府のウェブサイトやデジタルポータルにもリソースを提供するなど提携を行っています。

ルーム・トゥ・リードの識字教育プログラムは、こうした教育的介入を最も必要としている低所得層のコミュニティにいる子ども達にフォーカスしています。これらの戦略は、子ども達がデジタルリソースにアクセスできるかどうかを考慮して開発されたものです。公立学校は、最も疎外されたコミュニティに対応しており、これらの子ども達をサポートすることがルーム・トゥ・リードのミッションです。この危機の中、社会的弱者である子ども達が取り残されないように、これまで以上に懸命に取り組んでいます。

[1] https://www.thehindu.com/news/national/24-pc-of-indians-have-a-smartphone/article26212864.ece
[2]http://mospi.nic.in/sites/default/files/publication_reports/KI_Education_75th_Final.pdf
[3] 出典。複数指標クラスター調査より

◆この困難な時期にも子ども達が継続して教育を受けられるよう、ご支援をお願いいたします。
https://give.roomtoread.org/give/280427/#!/donation/checkout

Room to Read COVID-19

【すべての声を聞くための道を作る】

Room to Read

[English]

すべての声を聞くための道を作る
識字教育プログラム シニアディレクター クリスタベル・ピント
2020年6月12日

(原文はこちらです:https://www.roomtoread.org/the-latest/making-way-for-all-voices-to-be-heard/

カリフォルニア州オークランドにある私のアパートから毎日聞こえてくるヘリコプター、サイレン、ドラム、何かの大きな音は、人々が声を上げていることを示しています。

長い間、アメリカで生きることについての物語は特権階級によって語られてきました。そのため、何百万人もの人々は、一般的なアメリカの物語に彼らの生きてきた経験が全く反映されていないため、声が届いていないと感じています。世界中の抑圧され、疎外されたコミュニティが、自分達の声を届けるための運動に参加しており、こうした声の反響は世界的に広がっています。

ナイジェリアの作家Chimamanda Ngozi Adichieは、TED Talkで、シングルストーリーの危険性について次のように述べています。

「シングルストーリーは固定観念を生み出します。ステレオタイプの問題は、忠実でないということではなく、不完全だということです。ある話を唯一の話に変えてしまうのです」。地域社会の様々な物語に触れることで、彼らの人生が鏡のように映し出されている人々の姿を見ることができます。そして、共通の人間性を見出し、すべての人が成長できる公平な社会を築くことができます。

The danger of a single story

ルーム・トゥ・リードの識字教育プログラムは、世界的な非識字の終焉を追求することで、恵まれない人々の声を聞くための道筋を作ります。読み書きができるようになることで、自己表現が容易になり、アドボカシー活動のための知識習得が可能になります。

さらに、ルーム・トゥ・リードは世界中の作家やイラストレーターの研修をして、児童書を出版しています。世界中の本の制作者が自分達の物語に力を持たせ、地域社会の子ども達の生きた経験を反映した物語に発展できるようにしています。

文学は人々が物語を語る方法の一つであり、世界42カ国語1600冊のルーム・トゥ・リードの児童書コレクションには、物語の語り手と同じくらい多様な物語が含まれています。
幼い子ども達が多様な本を読むことで、シングルストーリーは打ち砕かれ、子ども達は世界が多様化する社会の中で、相互理解を育む広い視野を学んでいきます。

Room to Read

Nila Tanzil 著、Nabila Adani挿絵によるインドネシアの絵本『エピの新しい友達』の中では、インドネシアの女の子がアフガニスタンからの難民である新しい隣人と一緒に遊びたいと思っています。話す言葉は違っても、遊びという普遍的なコミュニケーションによって、すぐにつながることでできるのです。やがてこの二家族は、インドネシアとアフガニスタンの伝統食を食べるという新しい経験をしながら、断食をするという共通習慣を共有します。

このような物語は、家族の大切さや食事の儀式などに共通点があることは、出身地や話す言語など、私たちを区別するものよりも強力なものになり得ることを教えてくれます。

Room to Read

Tamara Zeidat著、Salah Rahal挿絵によるヨルダンの絵本『メカジキ』では、メカジキの尖ったツノのせいで、クジラやサメと遊んでいる時に、知らず知らずのうちに多くのトラブルを引き起こしてしまいます。ボールを破裂させたり、誤ってクジラを刺してしまったり、遊園地で知らず知らずのうちに騒動を起こしてしまったり。みんなは、もうメカジキとは遊びたくないと思ってしまいます。

ある日、穴にはまったクジラに出くわしたメカジキは、鋭いツノを使って穴を大きくして、クジラを助けてあげました。クジラと他の仲間達はとても感謝して、メカジキをパーティに招待します。メカジキはツノで他の人を傷つけることを心配して、参加をためらっていましたが、仲間達はある教訓を得て、メカジキを安心させてくれたのです。海の仲間達は、誰しも欠点があり、メカジキのツノのように一見不完全に見えるものが、ほかの人に役立つことを理解したのです。

絵本のようなシンプルな話を読むことで、人間とは何か、共感や寛容さ、正義感を持って人と接することは何か、を学ぶことができます。世界中で、人々が人種差別に反対する声を上げている今、これらの教訓は切実に必要とされています。

ルーム・トゥ・リードの識字教育プログラムは、多様な声を取り入れ、人間の経験をより包括的に見ることができるように、相互理解を促進し、最終的にはより平等な世界を創造する役割を果たすことを目指しています。